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部活系人狼!騙シ、騙サレ  作者: melon湯葉
26/29

昼休憩


休日であるのに立川高校の食堂は賑わっていた。


人狼部を始め、その他の運動部や練習試合が重なっているからであるか、食堂のほとんど座席が埋まっている状況であった。


「あちゃ、こりゃ大変だな。みんなバラけて座るしかねぇな。」

剛貴が食堂に到着するなり、バツの悪そうな顔でそう反応した。


「仕方ないわね。みんな少しずつ固まって座りましょう?券売機はあっちで、受け取りはあっち。自販機は向こうの奥よ。」

紗央里が上手く指示を出し、立川と西住の生徒は何人かで座ることになった。



翔太が券売機でラーメンと書かれたボタンを押す。

「っあ!翔太、お前もうそれ押しちまったか?」


「え?押したけど?」


「あーあ、お前立川に来たらこれ食べないと!」

そう剛貴がトレイに載していたのはカツそばであった。


「食堂のカツそばは有名なんだぞ?残念だったな…」

いかにも残念そうな顔で翔太を哀れむような顔で見てくる。

すると、


「残念だったな。伊角。有名らしいぞ?」

敦が嫌味ったらしくカツそばと書かれた食券をヒラヒラとさせて翔太の目の前で見せびらかしてきた。


「あの野郎!とことん性格わりぃな!おい剛貴、あいつとは絶対離れて座るぞ!」

そう言いながら翔太はラーメンを受け取り、剛貴と空いてるいる席に向かっていった。


女子達は運良く、5人席が空いたのを見つけ仲良く座れているようだ。


残りの生徒も信宏、誠、勇介、弘紀、侑人で固まって座れている様子であった。




「ったく。敦はずっとあんな調子だからな。全く大変だぜ。」

席も何とか見つかり、昼ごはんを食べ始める2人。

すると、剛貴のとなりに誰かが座って来た。


ガタっ


「ん?おい!何でここ座んだよ!」


「あぁ?他に空いてねぇんだよ。仕方ねぇだろ?ぐちぐち言うなよ。」

カツそばを抱えた敦が堂々と座って来た。


「まあいいじゃねえか。同じ部員同士なんだし」

剛貴がまあまあとなだめる。


「っと、そだ。さっきの話の続きだが、大会の事だったよな?」

先に食べ終えた剛貴がお茶を飲みながら、話を続ける。


「まず、7月に関東地区大会がある。ここで東京や神奈川とかの関東のトップ13人を決める。んで8月にかけてその関東からのトップが全国大会に進むって流れだ。」


「ん?そのトップ13人って何なんだ?」

翔太の問いかけに敦も気になったのか食べながら耳を傾けている。


「あぁ、詳しくはちゃんとした説明が必要なんだが、短く言うと、大会では全員がポイント制で得点をつけられている。このポイント制にはいろんな採点ルールがあるけど今は省く。とりあえずこのポイントが高かった上位13名が全国の切符を手にするってことだ。」


「おい。陣内。13人の理由はなんだ?」

聞き入ったのか敦も次第にこの話に興味を持ち出した。


「お?聞いてたのか。13人ってのは全国大会の出場者数を130人にする為だ。北海道・沖縄・九州・四国・近畿・関東・東北・中国・東海・北陸と10個の地域で各地区予選が行われるからな。それが理由だ。もちろん欠員補充として全国行きが決まってる学校は代役で数名同行する決まりとかもあるけどな。」


「ほー。すごいんだな。人狼ゲームの全国大会ってよ!今からすげーわくわくしてきたぜ!」

想像していたより大きな世界があることに感動と興奮に包まれる翔太。


「まあ、1年で全国行きになるのは中々いねーけど、もちろん俺は狙ってる!お前も頑張れよ翔太!」


「おう!ところで、関東大会はどれくらい規模なんだ?強い奴とかたくさんいるのか?」

話し込む翔太と剛貴に飽きたのか、敦は早々に席を立とうとする。


「規模はわからねぇが、ノブさんに聞いた話だと、有名なのは5校ある。まず、同じ東京の成常学院だ。ここはずっと総合ポイント1位の優勝候補だ。とにかく全員が満遍なく強い。あと同じ東京だと明陵女学院だな。お嬢様学校なんだが性格に難のある奴が多いって聞く。次に男子校の群馬長禅だ。ここはガチガチの理論派で硬い奴が多いらしい。後は神奈川にある最近出来た海王寺学園。何でも国際色が強くて外国人も多いとか。最後も神奈川の銀聖高等学校だ。だが、ここと当たるとまず勝てねえと思え。」

その言葉に翔太は疑問を投げつける。


「勝てねぇって何でだ?すげー強いのか?」


「強ぇってのもあるが、まずプレイが読めないらしい。突拍子もない作戦や非道な議論誘導とかしたり、めちゃくちゃらしいぞ。ゲームが終わってから精神を病んだってやつもいたそうだ。」


「そんなにかよ!?まさかそこまではないだろ?」


「まあ噂の範囲だけどな。でも確か2年の…えと誰だっけな?…たしか、檀だっけな?…そう、檀六助だ!そいつとだけは戦いたくねぇってノブさんが言ってた…」


ガシャン!ガタ!

剛貴の言葉が終わる前に敦が剛貴の首根っこを掴む。


「おい!今何て言った!?檀だと?!檀六助(だんろくすけ)って言ったか!」

急に飛びつかれた剛貴は何事かと敦を見る。


「痛てぇな…何だよ急に!ああ、檀六助と言ったぜ。それがどうしたんだよ?」


敦(まさか…あの檀さんが!?ありえねぇ!けど、神奈川と言ってたからほぼ間違いねぇ!絶対あの人だ!)

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