合同練習1戦目ー⑥
篠原(はじめてのゲームにしてはえらく長く続いてるな…果たして勝ちきれるのか…)
初めてアルティメットルールの人狼ゲームをしている翔太達のことを案じる一方で、ゲームとして最低限しっかりと成立していることから翔太達が、この日までにちゃんと練習を積んできているのだなと感心していた。
「よし、全員目を開けろ!昨日襲撃されたのは田中弘紀だ!議論時間は5分だ、始めろ!」
篠原からの結果を聞かされ、全員が占い師の真偽がついて驚きの顔をしている。
「えっと、五十嵐君。君は偽物だね?」
「……」
黙ったままの敦。
侑人の確認を聴きながら、紗央里は頭でこの状況を整理していた。
紗央里(おかしいわね、何でわざわざ自分を苦しい立場に追い込むの?…)
「おいおい、まさか俺を疑ってるのかぁ?たしかに田中さんは襲撃されたから人間だろうよ。だが俺目線は狂人って推理になるだけで、桜井が偽物だってことには異論はねぇぜ?」
そう、弘紀を人狼と判定した誠。しかし、その弘紀が人狼に襲撃されている以上、弘紀の正体は本当の騎士か狂人ということになり、人間であることは変わりない。なので弘紀を人狼と断定した誠は、全員の目線に置いて偽物の占い師という事は確定である。
また、誠が偽物として確定したことから彩加が本物の占い師、剛貴が本物の霊媒師、飛鳥が人狼までは確定される。
「少し整理したいです!本物の占い師は彩加ちゃんですよね?ってことは誠君の占った先はあんまり信用できないってことですよね?」
京子は事実が明確になり、今までを振り返ろうとする。
「そうよ。霊媒師の剛貴がもういない以上、伊角君が人狼だったのかもわからない。だからこの場には人狼が2人か1人かもわからないわね」
紗央里も悔しいといった顔で悩んでいる。
敦を除き、全員が占い師の真贋が判別しても全ての人狼までの推理を残り3分ほどで考えなければいけない厳しい状況である。
「けど、今日は敦を処刑でみんな問題ないですよね?」
相変わらず敦を疑っていた勇介が促す。
「あん?おい近藤!俺が本物の騎士なんだよぉ。俺を吊れば負けるぜ?」
「いいえ、おそらく負けないわ。あなたが本物なら人狼陣営は3人いなくなってるから明日は来るわよ?でも、あなたが偽物なら明日負ける可能性があるわ」
ほぼ全員が敦処刑に異議なしといった空気のまま議論時間が過ぎていく。
敦が仮に本物の騎士だとすれば、大会していた弘紀が狂人でまず1人。全員目線で飛鳥と誠が偽物なので合わせて3人。敦目線だと3人減っているので、残る人狼陣営は1人なので、明日はやってくる計算だ。
全員がほぼ敦への投票に意志が傾いていた。
しかし京子を含め、侑人、紗央里、勇介の4人はまさかこの中にもう1人人狼がいるのではないか、という疑心に駆られていた。
そんな中、議論時間も終わりを告げる。
「おいおい、俺が本物だぞ!田中さんは狂人で桜井は人狼だったんだよ!俺の投票は近藤だ。お前桜井に占われてるよな?人狼で囲われたんじゃねえのか?」
「投票します。僕は君をずっと疑ってた!僕は人狼じゃない!敦に投票する!」
「五十嵐君に投票するわ。もしあなたが最後の人狼じゃないなら明日は大変になりそうね」
結果、投票はすべて敦に集まった。
「おい、明日は来るぞぉ?俺が思うに最後の人狼は近藤だな」
そして、また夜の時間がやってくる。
(うそ?まだ終わらない!?)
合同練習1戦目 5日目 状況
残り人数5人
初日処刑者:森本飛鳥
初日犠牲者:山本彩加
2日目処刑者:小野香織
2日目犠牲者:山下信宏
3日目処刑者:伊角翔太
3日目犠牲者:陣内剛貴
4日目処刑者:桜井誠
4日目犠牲者:田中弘紀
・占い師、桜井誠→初日に伊角翔太が人間、2日目に山下信宏が人間、3日目に近藤勇介が人間、4日目に田中弘紀が人狼
・占い師、山本彩加→初日に陣内剛貴が人間
・霊媒師、陣内剛貴→初日処刑者の森本飛鳥が人狼と判定、2日目処刑者の小野香織が人間と判定
・騎士、田中弘紀→4日目に宣言
・騎士、五十嵐敦→4日目に田中弘紀に対抗して宣言
投票
・五十嵐敦←沖紗央里、小松原侑人、古川京子、近藤勇介から投票される。
・近藤勇介←五十嵐敦から投票される
5日目処刑者:五十嵐敦




