迷える漫画家
今日も働く彼女達の下に作家が来店して物語は音を立てて回り始める。そして、夢の喫茶、安美の謎も薄っすらと見えてくる第5弾
1
日が経つのは早いもので優花さんが来てから半年が経とうとしています
「安美ちゃ~ん!朝食だよ~!」
最近では優花さんの料理スキルも上がって食べられる物を作れる様になりました・・・・・・。ですが・・・・・・
「何ですか・・・・・・?この真っ黒い物体は・・・・・・?」
真っ黒い隣にはベーコンとスクランブルエッグが添えられていた・・・・・・。
「い・・・・・・一応、トーストを・・・・・・焼いたはずなんだけど・・・・・・」
優花さんはまだまだ修行が必要だと思います・・・・・・
2
店をオープンして一時間後に一人の客が入ってきました
「えっと、貴方も迷える子羊さんですか?」
「ええ、そうよ!」
姿を全部確認してみるとどうやら漫画家さんらしい服装をしていた。
「私、職を辞めたいと思うの・・・・・・」
「お・・・・・・落ち着いて下さい!とりあえず、お話をお聞かせください!」
「ゴメンナサイ、じゃあ、私が漫画家になろうと思った経緯から始めましょうか」
3
私、海野翼は5歳頃から絵を描く事が大好きだった。
「ツバサは絵を描くの楽しい?」
「うん!!たのちい!!」
だけど、私の描く絵ははっきり言って落書きじみたものでした。母親は私をお絵描きスクールに通わせたりしてくれたお陰で10歳の頃には凄く絵が上達していました。15歳位になるとお話を考える事が楽しいと思えるようになり話を通して絵を描く事が楽しいと思えるようになった。その後の私は漫画家を目指すようになってそういった専門学校にも通いました。だが、卒業後、編集等に作品を見て貰っても
面白くない・こんなの世に出せない・売れる訳がない
等と言われて、私はこの仕事は自分には合わないと確信してきたのだった。
4
「そういう話だったんです・・・・・・。スミマセン、暗い話をしてしまって・・・・・・」
翼さんは視線を落として、そんな事を言います
「じゃあ、ダメ出しばかりの編集さんが嫌でやめたいの・・・・・・?」
優花さんが問い掛けて翼さんはユックリと首を横に振る
「違うと・・・・・・思う・・・・・・」
「じゃあ、どうしてですか・・・・・・」
「私は、あの人の事が嫌いっていう風に言ってるけど心の奥底はきっと違う・・・・・・」
「心の奥底では何と言ってるんですか?」
「わからないって・・・・・・。作品を世に出さないといけない理由がわからないって言ってる・・・・・・」
「理由・・・・・・ですか・・・・・・」
「どうして、翼さんは漫画家になりたいの!?」
優花さんは立ち上がる。その光景に顔を上げる翼さん
「どうしてって・・・・・・」
「ちょ・・・ちょっと、優花さん!!漫画家になりたい理由は先程!!」
「どうしてなの!?翼さん!!」
優花さんは珍しく燃えていました・・・・・・。私は、今回の一軒は優花さんに一任したいと思いました。
「私は・・・作品作りが好きで・・・・・・皆に夢を―――」
「ソレだよ!!皆に夢を与えたい・・・・・・。漫画家さんにはそれが必要なんだと思う!!」
「皆に夢を与える・・・・・・」
私もそれには気づかなかったので今回は優花さんに救われました・・・・・・。それは、誰か別の人も言っていたような・・・・・・。思い出せそうで思い出せない気持ち悪い感じ・・・・・・。これは一体!?
「私は最初からそれが夢だったんです!!スミマセン、ずっと忘れてしまっていました!!」
その途端に何かに気付かされたような気がしました。
「大丈夫?安美ちゃん!!顔色悪いよ!?」
私は気づかないうちに顔が真っ青になっていました。
「だ・・・・・・大丈夫です!ただの貧血・・・・・・ですから・・・・・・」
その時、また何かが引っ掛かりました。その時、声が聞こえた・・・・・・。懐かしい・・・・・・声・・・・・・。
「スミマセン。悩みも解けたのでこれで失礼します!!」
そう言って慌ただしく出て行ってしまう翼さん・・・・・・。その途端、視界が真っ暗になってしまいました。
「安美ちゃん!!」
優花さんの声が届くことはなく私の意識は遠退いていった・・・・・・。
5
その後、私、海野翼は作品を手直しして編集部の下へ持って行った。
「うん!!面白いな・・・・・・」
編集さんからOKを貰った。そして、私は晴れて小説家の道に足を踏み入れた。
6
「夢の喫茶は危険!!」
だ・・・れ・・・・・・?
「夢の喫茶に取り込まれる!!」
誰なのよ!!あんたは!!
「私は夢の喫茶、6代目のマスター!あなたは私をよく知っているはず!忘れさせられているだけ!」
わからない・・・・・・。何も思い出せないの!!
その時、光が包み込む
「こ・・・・・・ここは・・・・・・・?」
目が覚めた時、私はベットの上に寝ていた
「私・・・・・・」
「安美ちゃん、2日も眠っていたんだよ!!」
「2日・・・・・・も!?」
「でも、起きて良かったー!」
優花さんが私に抱き着いてきます。正直、暑苦しい・・・・・・。離して貰いたい!!でも、今回くらいは・・・良いかな・・・・・・そう思ったのでした・・・・・・。




