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喫茶店日和  作者: カフェハーブ
5/6

迷える画家

今日も働く優花達の下に現れる画家の卵、幾島日向。彼女は自分の絵に満足できずにいた。だが、ある一人の言葉によって考えが変わっていく

心温まる感動ストーリー第3弾

 今日は長年、使い続けてきたぬいぐるみロザリアちゃんを手洗いでゴシゴシ洗っていると不注意で目となるボタンがポロリと落ちてしまいました。

「ギャアアアアアアア!」

「ど・・・・・・どうしたの!?安美ちゃん!」

 私の叫び声を聞いて駆け付けた優花さん

「ロザリアちゃんが!!ロザリアちゃんの目がー!」

「ロザリアちゃんって誰ー!?」

 しぶしぶ優花さんに事情を説明しました。

「そっか、安美ちゃんのお気に入りだったぬいぐるみがねー」

「ずっと、使い込んでいたからボロボロだったんです・・・・・・。もう潮時だったんですよ・・・・・・」

「私が縫い直してあげる!!」

「できるんですか・・・・・・?」

「優花ちゃんに任せなさーい!!」

 その言葉に希望を持って任せたのが失敗だった・・・・・・。

 完成後、あまりの違いにガックリする安美。

「どうして、こうなったんですか?」

「えっと・・・・・・安美ちゃんが喜ぶと思って・・・・・・」

 優花さんが縫い直してくれたロザリアちゃんは目の位置が違くて頭についてないはずのリボンがくっついていたり・・・・・・服の柄まで変わっていた。

「前のロザリアちゃんと全く違うじゃないですかー!」

 そう叫んで拗ねてしまい優花は安美を外に出すまで30分掛かった。


 店がオープンしてしばらく時間が経った頃、一人の女性が来た。

「いらっしゃいませ!!夢の喫茶へようこそ!!」

 優花さんの声が店内で響き私もホールへ出た。

「ここには、迷える子羊来るんだったわよね・・・・・・」

「その通りです!!ここには、人生で困った方々が訪れます!!」

「私の悩みを聞いてくれますか?」

「はい・・・・・・」


3 

 最初、私、幾島日向いくしまひゅうがの世界は白黒だった。やりたいことがなく、なにをやろうとしても失敗ばかりだった・・・・・・。ですが、そんな私でも頑張って自分のやりたいことを見つけたいと思い探していた時に美術館でそれを見つけた。枠一杯に書かれた向日葵の絵・・・・・・。そんな絵を描きたいと思い始めました。その後から、デッサンや風景画などを練習しました。ですが全くうまくいかず諦めかけていました。

 ですが・・・・・・

「ねぇ、この絵って貴方が書いたの!?凄く美しい絵ね!!」

 林崎真と出会った。

「この絵が凄いですって!?馬鹿言わないで!!こんな絵のどこが凄いっていうのよ!!」

 日向は恥ずかしさのあまり真に怒鳴ってしまう。だが、真は平然な顔で語る

「この絵は、見た目は美しくない・・・・・・。でもね、貴方の心が出ていて凄く好きだけどな・・・・・・。この絵」

 だが、そんな真の言葉を聞かずに私は絵に滅茶苦茶な色を塗りたくってパレットを絵にぶつけて出て行ってしまう。私は彼の言葉に耳を傾けようとしなかった・・・・・・。

 絵なんて書かなきゃ良かった・・・・・・。そんな後悔を抱えながら私は帰路を走り去るのだった。

しかし、よくよく考ると褒めてくれた人を相手に酷い事を言ってしまったと頭を抱え、次の日謝る事を決意した。

 ですが、翌日は彼女は欠席していてお見舞いに行こうと思い家まで来た所、気が重くどんな顔をして会えばいいのかが分からなかった。

 真の家は、広く先生が言うに真はお嬢様らしかった。父親は画家で名画を沢山残している。オークションでも高値で取引される程らしい・・・・・・。

 そんな時、メイドに迎えられ中に入ると玄関に多くの絵が飾られていた。作品一つ一つがキラキラ輝いていて私の心は踊った。

 私が感動して見て回っているとフラフラとした足取りで真ちゃんが来て、私の姿を見た途端、友達に見せる様な満面の笑みを見せた。

「来てくれたんだ・・・・・・」

「ま、まぁ、あんな感じで別れたくなかったし・・・・・・」

 私は少し俯いて真は言葉を続ける

「ここにある絵は、全部、父さんの名画と呼ばれた絵画なんだよ・・・・・・。でも、今の父さんは、この絵をすべて売り払おうとしている。全ては僕一人のためにね・・・・・・。僕は、幼い頃から、病気でね・・・・・・日本じゃ治せない・・・・・・、死を待つのみだと宣告されてしまったんだ・・・・・・」

少し、低いトーンで話は進んでいく

「でも、アメリカに行けば最新鋭の医療機器が揃っているらしくて・・・・・・僕の病気が治るんだ・・・・・・。でも、アメリカまで行く金がない・・・・・・。手術代もない・・・・・・。だから、名画を売って僕を助けようとしているん—―—―」

ゲホゲホ!!

 真は、血反吐を吐きながら床に倒れてしまう。メイド達が顔色を変え心配するが右手を挙げて手助け無用という合図を出した。

「ね・・・・・・。僕って弱いでしょ・・・・・・」

 口に手を当てるも手から血が溢れている。それでも、彼女は笑顔を作って話を進める。

「でもね・・・・・・僕は生きたい・・・・・・。生きて、好きな作品を死ぬほど書いて――――」

 彼女は泣いていた。まるで、弱い自分を責め立てる様に・・・・・・憎む様に泣いていた。

「貴方が羨ましいわ!私とは違って、貴方は好きな絵を書いて生きていける!私は絵を書く事なんかより体を大事にしないといけないのに!お願いだから!絵を書くことを諦めないで!貴方の絵は正直言ってヘタクソ!だけど!貴方の絵を愛する心は本物よ!それは、絵を見れば一発で分かる!」

 真は心底、苦しそうな表情になる。そこに父親が来て直ぐに搬送という形を取られた。


 「そんな話よ・・・・・・。でも、どう頑張っても上手い絵が描けないのよ・・・・・・。背景画もデッサンも人物画も・・・・・・」

「だとしたら・・・・・・」

 私は静かに声を上げた。その途端に場が静まり返る

「だとしたら、それが貴方の個性です!」

「え!?」

「人はみんな、個性という物を持っています。なので日向さんは普通だと思います!!」

「じゃあ、今の私の絵は、そのままで良いって言うの!?」

「はい、その方が真さんもらしいというのではないでしょうか・・・・・・」

「私も日向ちゃんはそのままで良いと思うなー!!」

 みんなの声が届いて日向は勢い良く立ち上がる。

「分かった!私頑張るよ!!」

 そう言って、日向さんは出て行ってしまった。


 私は夕方の美術室で黙々と絵を書いていた。書いている物はリンゴ・・・・・・のはずだったがなにやらよくわからないものになってしまっていた。この絵を見たら、真ちゃんは笑うかな?

 そんなことを考えていると一際強い風が吹く。窓は閉まっているはずなのに・・・・・・。

 その時、誰かの気配を感じた。そして、私が聞きたくて堪らない友人の声が聞こえる

「やっぱり、ヘタクソな絵だね!」

 彼女の名前は林崎真。私の絵の恩師だ。

「真ちゃん!!」

 でも、どこから入ってきたのだろう・・・・・・。ドアを開ければ音が鳴るし窓は施錠されている。

「でも、アンタらしいよ」

 真はにっこり笑い私は涙しながら問い掛ける

「もう、病気は治ったの?」

 答えなんて分かりきっているはずなのに・・・・・・問い掛けた。

「ウン!治ったよ!!」

ですが、予想外の答えが美術室に響く

「今は会えないけどもうすぐ会いに行くから・・・・・・。それと、美術室で寝るのは止めた方が良いと思うよ」

 それと同時に私は目を覚ます。その時には、もう夜で私はポツリと呟いた。

「早く会いたいな・・・・・・。真ちゃん・・・・・・」


 春休み明け

 私は、急いで学校に向かって走ります。いまならギリで間に合う。予想通りで教室に着くと空席のはずの席が埋まっている事に気づく。そこには、私がよく知っている女子が座っていました・・・・・・。

 彼女の名前は林崎真・・・・・・。私の大好きな親友です


7 

「そんな話みたいですね。やはり絵というのは人を繋がらせてくれるのかも知れません・・・・・・」

 本をバタンと閉じる安美。

 その時、再び頭痛がして安美は頭を抱える


8 

 運動会の日も彼女は一人だったので声を掛けます。

「私のお母さんね・・・・・・夜遅くまで働いていて話し合うことも出来ないの・・・・・・。いつも、冷えたご飯を一人で食べて勝手に寝て、それで、ママとパパは朝は絶対に寝てる。だからね、話す機会が欲しい。家から居なくなったら心配してくれるかな?」


9 

 そこで、記憶は終わっていた。家出の理由は分かった。けれど、まだ、分からない事が山程あります。いつか、すべてが解決すると安美は信じていた

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