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オヤジと密談

 

「………ってことが昨日あったんだけど、どう思うオヤジ?」


「そんなもん死刑にきまっておる」


 悩む素振りなく即答だよこいつ!

 立派なカイゼル髭にモノクル眼鏡のこの男は、現公爵家の当主である。

 その厳つい見た目とは裏腹に娘LOVEなおっさんだ。


「まったく、次期国王ともあろう男が女の色香に惑わせられるなど嘆かわしい」


「それは仕方ないんじゃないの? リリアの演技は普通の男から見たら完璧らしいし」


「しかし、お前が言っていた『ザマァ』の時が本当に来るとはな」


 そう、このオヤジには俺が転生者であることやゲームのシナリオを伝えてある。

 最初は伝えるべきか迷ったが、最終的には公爵家のお取り潰しに繋がるのだ。当主として知っておかないとマズいと思うので教えた。

 それに、協力者は多い方がいいし。


「おのれ、ステラが傷つくとわかっていながら慰めてすらやれんのが悔しい」


「落ち着いてオヤジ。ここでオヤジが出てくると僕にも流れが見えなくなるから」


「元はお前がこのような流れの世界を作ってしまったのが……」


「何度も言ったでしょ。前世のことを言ってもどうにもならないって」


 確かにあの頃は流行りに乗って、悪役令嬢が鼻を明かされる無様な姿を見たいがためにゲームを作ったよ。


 自分の好きな容姿の特徴を主人公に詰め込み、ちやほやされて幸せになるように。

 普段の会社のストレスを発散させるかのように悪役令嬢がひどい目に合うようにした。


 ザマァ、ザマァ、ザマァ。そう思いながら。


 完成した後に思ったのは、ちょっと悪役令嬢が可哀想だったかな?って。

 このゲームの最重要点はいかに悪役令嬢がひどい奴なのか。

 それを考えるために何日も徹夜した。

 性格から、生意気そうな容姿から、ムカつくようなステータスも。

 多分、愛着が湧いていたんだと思うんだ。


 だから、この世界に生まれ変わった時に決意した。


 悪役令嬢だって幸せになってもいいんじゃないか? って。


「………オヤジ。来週のダンスパーティーの件、頼んだよ」


「ふん。愛する娘のためだ。全力をもって対応する」


 頼もしい限りだよ。まったく。


「それじゃあオヤジ。また、来週」


「あぁ………お前も無理するなよ」


 さて、最後の仕上げの準備をしますか。



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