なろう作家あるある
「A君、休みの日って何してるの?」
「えっ、あ、はい、僕、趣味でネット小説書いてるんです」
「小説? へーA君って、カシコイのね。あたし漫画しか読まないからなあ」
「いやいや、いわゆるラノベってやつで、あれですよ、だいたいファンタジーだし、マンガみたいな感じでホント読みやすいんですよ」
「ふーん、でもあたし活字みると頭痛くなっちゃうからなあ」
「いやいやいやほんと読みやすいんですって、台詞だらけだし行間いっぱい空いてるし、なにより面白いから引き込まれちゃいますよ。あ……ハーレムとか多いけど、女性向けのもあるし。僕のも一応、恋愛ジャンルで。純愛っていうか、エロは無くて。だからPVもユニークもブクマも評価も伸び悩んでるんですけど、でもコアなファンがいてくれてるみたいで」
「ファン? へー、すごいのね。それって、スマホでも見れるの?」
「! はい! URL送りましょうか!」
「え、いや……。……そろそろお昼だね。お腹すいたね」
「……あ……じゃあ、センパイ、一緒にお昼」
「あたしお弁当あるから」
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「僕、なろうで小説書いてるんです」
「私もなろうで小説を書いています」
「僕も書いています。『ワールドエンド・ハウリング』ってタイトルのSFです」
「私も書いています。『異世界転生したらもふもふウサギになってたけど、発情されても困ります!』は、あらゆる萌え属性てんこもりです。登場人物がみんなウサミミなんですよ」
「僕も書いてます。拙作『ワーハウ』はブクマ千超えました。ニッチなジャンルなのになんでウケたのかよくわからないんですけど、評判いいみたいで、読者の方に喜んでもらえてうれしいです」
「私も書いてます。私の作品はまだ感想ゼロでさびしいです」
「これリンクです」
「これリンクです」
「……」
「………」
「お風呂はいってきます」
「ごはんなので落ちます」