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90話

 刺客たちは、いきなり襲い掛かって来た。

 僕はすかさずウッドゴーレムを生み出す。

 しかしそれでも刺客たちは、恐れずに攻撃してくる。

 僕は、ウッドゴーレムを纏おうとするが、刺客に凄腕が居るよで、纏うタイミング見つからない。

 僕自身で蔦を生み出し、全員を捕えようとするが、蔦は見事に切り伏せられていく。

 他の衛士達も必死に抵抗している。

 まさかこんな街中で攻撃を仕掛けてくるとは思わなかった。

 全員が強い。

 僕は、周りの樹に触れてトレントを生み出す。

 敵もこれには驚いたのか、隙がうまれる。

 トレントが攻撃をしている間に僕はウッドゴーレムを纏う。


 「こいつでどうだ!」


 僕はすぐに根を張り詰めて根っこの攻撃と蔦の攻撃をトレントと共に仕掛ける。

 

 「くっ、撤退だ!」


 賊の一人が叫ぶ、形勢が逆転したとなるすかさず逃げるか!


 「逃がすな、追え!」

 

 と、衛士さんが追いかける。


 僕はケガをして動けない衛士さんの元により治癒の力を使う。

 その時僕の後ろから、声が聞こえた。


 「死ね」


 賊は、剣を振りかざしていた。

 僕はとっさに蔦を生み出し、治癒を行っている衛士さん事、蔦の盾に入る。

 

 「ちっ、しぶとい。ならば燃えてまえ!」


 と賊は至近距離で炎の魔法を使う。

 さすがに燃えてしまう。

 僕は水のエレメンタルを召喚し炎の攻撃をガードする。

 同時に土のエレメンタルを召喚し賊の一人を岩の牢獄に閉じ込める。


 「なに!?」


 「今度はこちらの番だ!」


 ぼくは新たに蔦と根を生み出し、賊の一人を拘束する。

 よし、一人ゲット!

 衛士さんも守れたし、よくやった僕!

 僕はそのまま治癒の力を使い、傷ついた衛士さん達を治療していく。

 応援も駆けつけて来てくれた。

 これで一安心だ。

 僕たちは一人の捕虜を捕まえて領主の城に戻る。


 「賊に襲われたそうだが、無事で何よりだユキ殿」


 と出迎えてくれたのは領主であるアリトン自身だった。

 

 「いま、兵士たちを動員して街中を捜索中だ。それに捕虜も捕まえてくれた。必ず見つけ出してみせる」


 「捕虜の尋問にはこれをお使いください。催眠効果のある香です」


 「わかった遠慮なく使わせてもらおう」


 「ユキ様、明日からは我らも護衛に付くようにいたします」


 とアイク達護衛のみんな。

 

 「街中だと油断しておりました、まさかこんな事になるとは」


 「アイク達のせいじゃないから気にしないでいいよ。結果的に全員無事だったし」


 「しかし気になるな、ユキ殿は魔界に緑を復活させてくれる存在。それを襲うとは」


 と、アリトンさん。


 「多分ですが、僕の何かしらの行動が気に入らない者がいるのでしょうね」


 「含みのある言い方だな、はっきり言ってくれないか?」


 「まだ確証がないんですが、娘さんの治療に関係しているかと」


 「なに!? 娘の治療と関係があると申すのか!? では確かめる為にも捕虜の尋問には私もたち会う事にしよう」


 こうして、捕虜の尋問には、アリトンさんが執り行うことになった。


 捕虜の尋問には僕は立ち会わずに今日も朝から娘さんの治療に当たる。

 だいぶ、吸血樹の根も取れて来て後少しで治療も終わるだろう。

 今日も根で傷んだ箇所を治癒の力を使って癒していく。

 大分、吸血樹のの幹も細くなり、その力を失いつつある。

 彼女の体力もだいぶ戻ってきたし、この分なら多少強引にでももしもの時は治療しても大丈夫かもしれない。

 

 「先生のおかげで、大分体の調子もよくなってきました。ありがとうございます」

 

 「まだ、お礼を言うのは早いよ。しっかりと治って元気な姿を見せてもらわないとね。さて、今日も緑化活動にいきますか」


 「いってらっしゃい、先生」


 僕が襲われたことで、今日からはアイク達も護衛に付くことになり、僕の進言でアリトンさんの娘にも護衛が付くようになった。

 流石に城の中までは安全だろうけど、一応ね。


 緑化活動もほぼ終わりに近づいている。

 午前中と午後に分けて仕事をしているから、緑化活動が遅れ気味だが、それでも着実に進んでいる。

 流石に昨日の今日では賊は現れなかった。

 アリトンさんの城にもどり、最後に娘さんの容態を見に行こうとした時だった。

 バリンっと何かが割れる音がした。

 僕は急いで、娘さんの部屋へと向かった。

 そこには扉を警護していた兵士が倒されていた。

 アイク達も音に聞が付いたのかその場所で鉢合わせになり、急いで部屋に飛び込む。

 しかし時すでに遅し、娘さんが誘拐された後だった。

 僕はすぐに吸血樹の痕跡をサーチにかける。

 植物なら僕のサーチの力に引っかかるはずだ。

 騒ぎを聞きつけて、アリトンさんも現れた。

 どうやらまだ、尋問しているようだった。


 「すぐに捜索隊をだせ!」


 アリトンさんの行動は早かった。

 僕とアイク達も捜索隊に加わる。

 サーチの話しをしたら、そこにアリトンさんも着いてくることになった。

 尋問の内容を聞きながら移動することになった。

 なんでも最初はいくら拷問しても喋る気配がないので僕に貰った香を使ったらベラベラとしゃべり始めたという。

 簡潔にいうと、首謀者は城の医者だった。

 吸血樹の種を植え付けて高位悪魔の力を手に入れるためだったらしい。

 僕は、吸血樹の実の話をアリトンさんに話した。

 アリトンさんは激怒していたが、それは僕も同じだ。

 せっかく治りかけてきた何の罪もない少女を自分の力を上げるために使うというのだから。

 

 僕のサーチで追いかけて見つけたのは古い洋館だった。

 僕はそこで驚く。

 なんだろうかこの違和感は、地下から異様な数の吸血樹の反応がある。


 「この中に娘はいるのか?」


 「娘さんだけじゃない。無数の吸血樹の反応が地下にある」


 「なんだと!?」


 アリトンの側近の一人がこたえる。


 「閣下、近頃謎の失踪事件が起きておりました。もしかすると……」


 「おのれ、外道が! 全員突撃!」


 洋館に向かって、アリトンの兵が突撃を仕掛ける。

 中からはぞろぞろと僕を襲った覆面をした悪魔たちが現れた。

 中庭では激しい戦いが起こる。

 僕はウッドゴーレムを10体生み出し、5体を中庭で戦わせる。

 残り5体で洋館の中に突撃を開始する。

 それに続くアイク達とアリトン。

 洋館の地下室への入り口はすぐに見つかった。

 中に入るとそこには無数のベットに無数の悪魔達が吸血樹の餌食にされている光景だった。

 中にはすでに実がなっている吸血樹も見つかった。

 そして一番奥の中央にアリトンの娘さんも見つけた。

 僕たちは彼女達を連れだすために行動を開始し始めた時だっだ。

 

 「困りますなぁ、閣下。勝手に素材を持ち出されては」


 「貴様、ギュンターか!?貴様が首謀者なのはわかっている。このまま捻り潰してくれる」


 アリトンさんは怒りのまま、ギュンターと言われた奴に殴りかかるが、その拳はギュンターに受け止められてしまう。


 「っな!?下級悪魔風情が俺の攻撃を受け止めただと!?」


 「今や、私は吸血樹の実のおかげで高位悪魔並みの魔力を有しているのですよ。そして、あなたの娘の実を食べて、更に進化するはずだったのだ!それを世界樹の化身風情が邪魔をしよって」


 「世界樹無ければ魔界に緑は戻らんのだぞ!」


 「世界樹など関係ない、私が力をつけ、いずれは地上に住めばいい。邪魔な者は全て排除してね。いや、世界樹の化身のユキ殿に吸血樹を植えつけて私が食べればいい。そうすれば、魔界も地上も私のものだ」


 


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