79話
僕は一人で旅をすることにきめた。
何としても帰るためだ。
最悪数年後には帰れるとしても何もしなくてもいいわ分けじゃないはずだ。
何か僕にもできることがある。
そして、歩いていると、剣戟の音が聞こえた、どうやら誰か戦っているようだ。
ぼくはバレないようにそっと近づいて茂みから様子をみる。
どうやら、馬車が盗賊らしき一団に襲われているようだ。
テンプレきたー。
でも今は、僕一人しかいない。
助けた方がいいよね。
って思っていると、盗賊の一味の方が弱いらしく馬車の護衛に次々にやられていた。
ここは、華麗に僕が助けて、中に入ってるお姫様と仲良くなる、テンプレではないのか!?
「そこに隠れている奴、出てこい!」
と女悪魔騎士さんにご指名をうけました。
僕はあきらめて、両手を上げて出ていく。
「貴様何者だ、戦闘中からこちらの様子を窺っていたな、奴らの仲間か!?」
「通りすがりの旅の者です。戦闘の音が聞こえたので、隠れていました。決して盗賊の仲間ではないです」
「旅の者がそんな軽装で出歩くはずがなかろうが!ますます怪しい奴」
言われてから気が付いた。
確かに旅人としては軽装だ。
食料も水も自前で賄えるからそこまで、頭が回ってなかった。
肩掛けカバンぐらいしかもってない。
せめて、バックパックぐらいは用意しておくべきだったか。
「本当に旅人です。僕は植物系のモンスターだから自分で食べ物も作りだせるんです。」
「そんなモンスターなど聞いたことが無い、無駄な抵抗はするな。捕えよ」
「待て!」
そう言って馬車から出てきたのナイスミドルなおじ様。
馬車の中は姫様でもなかったのか。
テンプレどこいったー。
てかこの状況はやばいのでは?
「貴様、先ほど、植物系のモンスターと言ったな?なにか証明できるのか?」
「はい、出来ます」
僕は分かりやすいようにカバンから」トマトの種を取り出し土に埋めて力を込める。
荒廃した大地だから、大分力を使うけど、何とかトマトがなった。
僕は、なったトマトにかぶりつく。
うん、甘くておいしい。
「このようにして旅をしているので、荷物がすくないのです」
周りの騎士達は唖然としてみていた。
「ふむ、なかなかうまそうだ、どれ私も食べてみるか」
「閣下、危険です、まずは私が毒見をします」
「相変わらず、律儀なやつだな、まあいい。ではお前から食せ」
「はっ」
女騎士さんは、恐る恐るトマトを手に入れて、食べる。
「これは、お、おいしい。みずみずしくて、甘くおいしい」
「ほう、そこまでか。では私も頂こう」
閣下と呼ばれていたナイスミドルのおじ様も僕の作ったトマトにかぶりつく。
「確かにうまい。おぬし、名前は」
「僕は、ユキヒト・カミヤ。みんなユキと呼びます」
「そうか、ではユキ殿詳しくそなたの話が聞きたい。馬車の中に入れ」
「閣下、いきなり見ず知らずの者をのせるなど、危険すぎます」
「見たところ明らかに儂より弱そうだが、何か問題でもあるのか?」
おおう、見た目で判断された。
これでもある程度戦えるのに。
でも、それは、今言わない方がいいな。
そして、僕はうむを言わさず、ドナドナされていった。
連れて行かれた場所は、立派な城門が立っている。
馬車の中では他にも何ができるのかを質問攻めにあったが無難に答えていた。
もちろん、旅の事情も話した。
馬車はそのまま門を顔パスで素通りしていく。
「では、ユキ殿は地上に帰るために村をめぐり緑化して回っていく旅を始めたわけか?」
「その通りです」
話している内に屋敷に着いた、屋敷はまるで、要塞のような作りになっていた。
「今日はここに泊まるとといい。まだまだ聞きたいことがあるでな」
と、強制的にお泊りが決定した。
なんか偉い人っぽい悪魔だし、ここは素直に従っておこう。
夕食のよばれたので、出席することになった。
「そういえば、自己紹介がまだっだたな。我が名はルシフェル。」
いきなりラスボス来たー。
こういのは、順番に強い人が出るもんでしょ。
序盤で出たらダメですよ!?
「ルシフェル様ですか、改めてよろしくお願いします」
「それでユキ殿には頼みがある、その緑化の力を貸して欲しい。もちろんただとはいわん。我が領地全てを緑化してくれれば、地上に帰すと約束しよう。悪い話ではあるまい、それまではここを拠点に使いたまえ。それと必要なものがあれば、なるべく揃えさせよう」
確かに悪い話ではない、ただ、悪魔王ルシフェルの領地となるとかなり広そうだ。
でも、やるしかない。
「わかりました、その条件を飲みましょ。魔界に緑が戻れば地上に出てくることも無くなるんですよね?」
「もちろんだ、わざわざ、地上にでて生命エネルギーを集めなくて済む」
「まずは、どこから始めますか?」
「ユキ殿の力をまずは試したい、まずは我が中庭を庭園へと変えてくえれないか」
僕はルシフェルと共に中庭へ移動した。
中庭は、中央に噴水、花壇が4つあった。
中央にある噴水の水は枯れていて、4つある花壇も花がすべて枯れている。
これは土から見直す必要がある。
僕はまず土に精霊石を使い栄養を与え、枯れた花々に力を注ぐ。
すると枯れた花は活力を取り戻し逆再生のように咲き乱れる。
次に枯れた噴水にも精霊石を使い、水のエレメンタルを召喚し水を満たす。
これで中庭に庭園が蘇えった。
「ほう、これほどいとも簡単に中庭に花が戻るとは、しかも噴水まで生き返るとは思わなった。美しい物を見せてもらった」
とルシフェルは喜んでるみたいだ。
「ユキ殿の力はこれで立証された。早速で悪いが明日からは我が町の畑と大事な水源であるオアシスをなんとかしてもいたい。」
次の日から、僕の労働が始まった。
まずは畑もオアシスも以前の街と同じように腐葉土を作り出し、人海戦術で耕してもらう。
オアシスも精霊石を使って蘇えった。
これをいくつも繰り返し、今日だけで、街の畑は何とかなる。
あとは、悪魔式に改良したエコプラントを配置。
これで土壌も改善されたはずだ。
後は、水脈をさぐり井戸を掘る、それを取り合えず、僕の木で補強して一時的に使えるようにする。
鍛冶やに頼んで滑車を注文して、土木工事をルシフェルにお願いする。
これだけやれば、文句もあるまい。
数日で工事も終わり、井戸も使える状態になった。
畑も同じく人海戦術での耕しきいてすでに作物をうえている。
作物の種や苗を提供したの僕だが。
後は、果樹園があれば、いいけど、僕があまり手をだすとトレントになるから、果樹の事は伏せている。
「ルシフェル殿これで、一先ずこの街の緑は復活を果たしました」
「うむ、大儀であった。ユキ殿。では、次の街に移ってもらいたい。我が領地はここだけでは無いのでな」
うん、何となくわかったてたけど、いくつ領地をもっているんだろうか。
流石ラスボス、なかなかに国土も広いのだろう。
この調子では、数ヶ月で帰れるかなぁ。
「次の街はどこですか?」
「次の街までは、護衛をつけて行ってもらう。そなたに何かあれば大変なのでな。それに側近もつけよう」
こうして僕は、護衛付きで次の街にドナドナされるのであった。




