76話
図星をつかれた、2人の王子は、焦った顔をしていたが、第2王子のスーベルトはすぐに返答したが、第1王子のチャコフは顔を真っ赤にして恥ずかしいのか、怒っているのか?
いや、これは侮辱されたと思っているに違いない。
先に我がエデンを信じられない、野心があると言ってきたのは第1王子チャコフだ。
これぐらいの言い返しは許されるだろう。
僕は、話を変えることにした。
「そういえば、ドワーフ王国では魔晶石を使った、新たな武器の開発に成功したとか聞きました。すでに王都では実戦配備されているとか」
第1王子のチャコフがこれに反応する。
「そうだ、我らには魔晶石を使った新たな武器がある。いくらエデンの軍が精強だとしても我が軍もまけてはいませんぞ」
「それは、素晴らしい。和平がなった暁にはお互いに困った事態になったときに頼もしい味方になれそうですね」
「その前に、合同で軍事演習もいいかもしれませんな。エデン王も戦いの場に出るのでしょう。なんでも獣人連合国はほとんど、ユキ陛下が平定されたと聞きおよんでおりますぞ」
「はは、自分一人ではありません、優秀な部下達のおかげですよ」
乗り込んだの4人だけだけどね。
しかしすでに獣人連合国の事を知っているとは、なかなかドワーフの諜報能力も馬鹿にできないな。
「どうです? 一度私と、お手合わせ願いませんか? 私も武を志すものとして、一手ご教授願いたい」
何故そうなる?
お前も脳筋か!?
でもよく考えたら、ドワーフの魔晶石を使った新しい武器を見れるチャンスかもしれない。
でもケガしたくなし、反対にケガでもされたら嫌だからね。
ここは、回避した方がいいのかな?
悩みどころだ。
「兄上流石にエデン王に相手にそれはいけません。代わりに護衛の者同士で余興として、やらせましょう。今エデン王の身に何かあれば考えて下さい」
第2王子のスーベルトに宥められ、第1王子のチャコフも少しは考えたようだ。
「確かに、大事なお客人に何かあれば一大事ですな、失礼した、エデン王陛下。私達は王にこの事のご裁可を頂いてくる」
そう言って、2人の王子は離れていった。
「さて、もし模擬戦をするとして、だれが戦いたい?」
僕は、護衛に付いて来ているポチ、クロ、シロに聞いてみる。
「御屋形様の為にもまずは私が戦いと思います」
「ポチじゃ加減できなそうだから、俺にやらせてくれよ主」
「ここは私が出て華麗に決めて見せます」
3人とも戦いたいと、どうしようかな?
「じゃあ、もし決まったら3対3でお願いしようか?」
「それなら構いませんが、御屋形様の警護の者がいなくなります」
「別に見物してるぐらいだから、大丈夫だよ」
☆★☆
二人の王子は先ほどのやり取りを父であるドワーフの王ドルガに報告していた。
「この馬鹿者達が!何故、そのような事になるのだ。護衛とは言え、エデン王の側近なのだぞ!どちらが勝とうが負けようが遺恨が残る可能性も考えなかったのか?それに魔晶石を使った勝負など危険すぎる」
「しかし父上、これは、エデンの力の一端をみるいい機会でもありますし、我らの魔晶石を使った武器も通用するのかがわかります」
と第1王子のチャコフ。
「それで、勝てたとしても、今日のエデン王の護衛は獣人だ。モンスターではない。試すにはモンスターの護衛をわざわざ連れて来てもらわねばならん。そんなことは今はできん」
「それでしたら、やはりエデン王に戦って貰いましょう、彼こそ人間の姿をしているがモンスターだと言っております。あの姿は見せかけで本来の姿があるのかもしれません。それを見せてもらうためにもここはエデン王に戦って貰いましょう」
「エデン王自らなど、もってのほかだ。本当になにかあってみろ、どうするつもりなのだ?」
「それでは父上、接待試合を行いましょう、エデン王の方にわざと勝ってもらいましょう。一般の兵士が負けたところで、そこまで我が軍の威信は落ちません。八百長という事をエデン王の護衛の方にそれとなく伝えておけば、大丈夫でしょう」
「だめだ!何度言えばわかる、今宵は訪問を祝しての会なのだぞ、それがこちらから攻撃的な態度を見せるわけにはいかん。わかったら、素直に謝ってこい」
2人の王子は父の考えに納得がいかなかったが、王の命令に逆らうわけにもいかないが、どうしてもエデン王の力が見たかった。
「どうするスーベルト、このまま謝りにいくなぞ、俺は嫌だぞ」
「それは私もです。兄上。ここはエデン王の自ら舞台に上がってもらうしかないですね。危険なかけですが、煽ってみますか」
☆★☆
なんか怪しいと思ってこっそり、風のエレメンタルを召喚して音を拾っておいて良かった。
とうやら、ドルガ陛下はまともな方のようだが、2人の王子がどうしても戦いたいらしい。
「御屋形様、もう2人の王子には少し痛い目にあって貰った方がいいのでは?」
「そうだよ、主ならあの2人ぐらいなら余裕でしょ」
「調子に乗っている若者を指導するのも時にいいかもしれません」
と、順にポチ、クロ、シロ。
「しょうがない、3人がそういうなら、ドルガ陛下には悪いが少し痛い目にあってもらおうか。ポチ、ドルガ陛下に2人が仕掛けてきたら受ける旨を伝えて来てくれる。」
「はっ!」
ぽちとすれ違うように2人の王子が近づいてきた。
「先ほどの話なのですが、やはりエデンの民に我らが兵士は強すぎるので相手にならないかもしれませんし、こちらには魔晶石の武器もあります、分かりきった試合をしても意味がないとの事でしたので申し訳ありませんが、先ほどの話しは無かったことに」
わかっていたけど、あからさますぎるだろ!?
さすがにイラっとするよ。
「はぁ、2人も王子がいてこの程度の会話しかできぬとはさぞ、ドルガ陛下も頭を抱えているのですね。まず、私は返事をまだしていないのにも関わらず、勝手に決め込んで行動するなぞ、王族として、恥をしるべきだ。いいでしょう王子2人に私自らその性根叩き直してあげましょう。さあ魔晶石の武器とやらを持ちなさい。」
ドルガ王の方をみると本当に頭を抱えていた。
そんな王の姿を見ることなく2人の王子はニヤリ笑う。
そして、かかって来たの2人の王子の護衛達4人。
どうやら、剣に魔晶石を埋め込んで作られた剣らしい。
僕は足元から蔦を生み出し攻撃を受ける。
が2人の護衛の剣が燃えて蔦を焼き切る。
もう2人の護衛は氷の剣でこちらの蔦を捌いている。
ふむ、もうちょっと数をふやすか、少し蔦の数を増やして様子をみる。
苦戦しだしたし、武器のこれ以上の性能は見込めそうにない。
なんだか、魔晶石を使った武器は拍子抜けもいいところだ。
まあ確かに攻撃力は上がったいるのだろうが、もう見飽きた。
僕は4人の護衛の兵士の四肢を拘束、逆に魔晶石の武器を蔦で奪い首元に突きつける。
「僕は、護衛の方ではなく、お二人に性根を叩き直すといったのですから、さあ、お二人とも武器をとりなさい」
この程度の練度なら、ウッドゴーレムを纏う必要もない。
内のモンスター軍団の方が強い。
二人は完全に停止している、ちらっとドルガ王の方を見ると目があった。
僕は確認をしてから攻撃をしかけようと、したときだった。
「待って欲しい!」
それは、ドルガ王の声であった。
ドルガ王は近づいて来て、頭を下げた。
「息子たちの無礼を許してくれぬか、ユキ陛下。馬鹿息子たちにには儂の方からきつく言い聞かしておくゆえ、どうか、其の手の攻撃を止めてくれ」




