72話
エデン本来の観光と5ヶ国間の和平が成立し、エコプラントの導入も決まり、後は、ドワーフの国に送った使者が返ってくるのを待つだけとなった。
「やれやれ、やっと帰ったか」
「あまりにも見つめてくるので、気づかれしました」
「でもユキの言う通り勝手な行動ををとるのはいなかったね」
「私は隠れていました」
と、順にドーガ、グラン、フィーネ、フェルミナが愚痴をこぼす。
「みんなお疲れ様、これでもう、ここに興味をもって勝手に入ろうとはしないはずだから大丈夫だとおもよ」
「アウラも頑張っておじいちゃんとお姉ちゃんを案内したよ」
「そうだね、オニスト陛下とブレニンさんも喜んでたよ」
そうなのだ、オニストはアウラにお爺ちゃんと呼ばれて、第1王子のグエストに早く結婚して孫を見せろアピールをしていた。
グエストの苦笑いが今にも思い浮かぶ。
ブレニンさんは魔王としての実力もあり、気軽に接してくれる、アウラにメロメロのシスコンみたいになっていた。
まぁ、それだけ、アウラが可愛いんだけどね!
使者が帰って来るまでは、ゆっくりとした時間をアウラと過ごした。
数日して、ドワーフ王国に送った使者が返ってきた。
手紙の内容には、悪魔は伝説のおとぎ話で信じられない旨が書かれていたのと、一度ドワーフの国に来て話を聞かせて欲しいとの事。
また和平に関しても話がしたいとのことだった。
ドワーフ王国もこちらがすでに4か国と和平を結んでいるのは知っているようだし、話的にはスムーズにいく気もする。
僕は、ドワーフ王国に向かう事にした。
ドワーフ王国に向かうのは、やっぱりいつものメンバー。
ポチ、クロ、シロだ。
それに今回は公式な訪問なので護衛を他に30名ほど連れていく。
事前にエデンはモンスターの民が居る事はしらせているが、野良のモンスターと間違われないように国旗を五芒星の国旗を掲げての移動になる。
途中で出会う野良のモンスターは蹴散らしながらの行軍。
すでにわが軍はトロール相手だろうと引けを取らずに倒していく。
知性あるモンスターは我が軍には近づいてこない、明らかに強さが違うのがわかるのだろう。
そうこうしているうちに最初の街に着いた。
街では連絡をちゃんと聞いていたのか、すんなりと入る事ができた。
まわりのドワーフ達からは恐怖の目で見られていたが、こればかりは慣れてもらうしかない。
次の日にはまた、出発を開始、次の街までは歩いて2日の距離で行ける。
今夜は野営をすることになる。
夜中に何か騒がしい音とに起こされた。
僕はテントからでて近くの兵士に声をかける。
「なにかあったのかい?」
「はっ。野盗を捕らえたとの事です」
「野盗?わざわざエデンのモンスター軍団に突っ込んでくる野盗ってバカなの?それで数は?」
「捕らえた野党は全部で50人で、いづれもドワーフたちです」
50人って大規模な野盗だな。
数の有利で行けると思ったのかな?
それにしてもちゃんと国旗も揚げていたのにわざわざ襲いにくるかな?
てか、その数をもう、捕らえたの?
万能すぎない?
「死傷者はでた?」
「いえ、我が軍には出ていません。ドワーフ達に負傷者が出た程度で、死者は出しておりません」
「じゃあ、話でも聞いてみようかな」
僕は捕えた、ドワーフ達の所に向かう。
「君たち盗賊団のリーダーは誰だい?」
「俺がリーダーだ。それと俺たちは盗賊団ではない!あんな連中と一緒にするな」
「でも寝こみを襲えばそれは野盗とかわらないのでは?」
「違う!我らは貴様らモンスターを討伐しに来たのだ」
「討伐されるいわれが無いんだが?」
「貴様らモンスターが徒党を組んでいるのは知っている、我らは、モンスターに大切な人を奪われたのだ、復讐して何が悪い」
「はぁ、モンスター違いだ。我らは、初めてこの地に来たエデンの民だ。そこらの野良のモンスターと一緒にしないで欲しい。君たちのやっていることは立派な犯罪行為だ。このまま次の街まで連行し引き渡すこともでできる。我らは、ドワーフ王に呼ばれてきているのだ。その使節団を襲ったのだぞ。この中の連中は全員が1人の孤独な者達なのか?中には家族が、未だ大切な人が街に残っている者もいるのではないか?」
「そ、それは……」
「わかったか?我らに何かあれば逆に君たちが捕えられ裁かれるのだ。その時に残された者の気持ちがわからない君たちではないはずだ」
「今回は、見逃してやる、さっさと帰れ。ただし武器はこちらで押収させてもらう」
全く酷い夜になったものだ。
確かにモンスターと分類されれば同じだが、それは人間や亜人達も同じように犯罪を犯せば全員が復讐の対象になるのと同じだ。
エデンが認められるのはまだまだ先になりそうだな。
次の日の朝には何事もなかったように、行軍を開始する。
移動中は特に問題なく進み、無事に次の街に到着した。
今日は街の領主の家に泊まる事になっている。
「ようこそ、おいでました。エデン王ユキ様、私がこの街の領主をしているものです。どうか良しなに」
この街の領主は人が好さそうに見えたがモンスターを見るとビクッとなってたから内心では嫌なのだろう。
「こちらこそよろしくお願いします」
夕食を一緒に領主と取ることになっているので、一応護衛のポチ、クロ、シロの3人も連れていく。もちろん食事を取るのは僕と領主の2人だけ。護衛は後ろで待機していなければならないので、先に3人には軽く食べてもらっている。
他の部下たちは、近くの宿で休んでいる。
夕食がはじまり、僕は領主と会話を交わす。
「えでんはすでに人間の国、魔族の国、エルフの国、獣人連合国とも和平を結んでいるとか、なかなかできることでは、ありませんな。今回は、我ら王とも和平を結ぶおつもりですか?」
「ええ、出来ればそうありたいと願っております。何事も平和が一番ですので」
「時にエデンでは作物以外も交易に鉄鋼石も輸出されるとか聞きましたが、珍しい鉱石とかも取れるのでですかな?」
「特に珍しい物は取れませんよ、基本的取れるのは鉄鉱石に石炭、たまに宝石が出るぐらいです。」
「ほう、宝石ですか?それはどのような物ですかな?」
「ドワーフ王にも献上する予定ですが、ダイアモンドなどの装飾品をいくつか用意してきております」
まぁそれ以外もファンタジー金属のオリハルコンとかもとれているけど、それはまだ、どの国にも明かしていない。
宝石も各種揃えることも可能なのだ。
それが300年分溜まってる。
「ほう、ダイアモンドですか!それは王も喜びましょう」
「ドワーフではどのような鉱石が取れるのですか?」
「魔晶石という魔力がこもった石をご存知でしょう。それがわが国は豊富に採掘できるのです」
魔晶石かぁ、この世界に来てからとれるようにったって土精霊のグランが言ってたな。
使い道が良く分からないって。
どうやって聞き出そうか?
「そんなに豊富にとれるなら、ドワーフ独自に画期的な使い方もしてそうですね」
「もちろんです、通常は明かりの魔道具や火の魔道具に一般的に使いますが、我らはそれを武器に転用することに成功しておりまして、王都ではすでに実践配備しております近々ドワーフ王国全体に配備されることになっております」
おお、なんか上手く聞き出せた。
要するに電池的な何かって感じで庶民は使ってるんだよね。
で、軍としては武器に転用していると。
これは、少し警戒した方がいいのかな?




