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70話

 上級悪魔と名乗る悪魔は長い爪で襲い掛かってきた。


 「全員、甘く見るな、最初から全力で行くんだ!」


 すると、ポチ、クロ、シロも獣化して応戦を開始。

 ライガーも獣化して、上級悪魔に攻撃をしかける。

 僕は木竜を生みし、上級悪魔にぶつける。

 その間に水のエレメンタルを召喚し、水の操作をして、なんとか鉄砲水を何とか防ぐ、徐々に流れ出すようにコントロールする。何かけ月分なのか、何年分なのかの水は勢いを増していく。そこで僕は全てのエレメンタルを召喚召喚。

 水のエレメンタルで水をコントロールして、風のエレメンタルで少しでも勢いを緩め、土のエレメンタル即席のダムをつくりだす。

 火のエレメンタルは念のため僕の護衛にまわってもらう。

 即席のダムに僕の植物操作も使い。水の流れを少しでも抑える。


 「しゃらくせえ真似してんじゃねえよ」


 悪魔は僕にターゲットを切り替えたようだが、ポチ、クロ、シロ、ライガーが何とか持ちこたえてくれている。


 「まさか、伝説と思っていた、よもや悪魔が存在していようとはな。必ず報いは受けてもらうぞ!」


 とライガーも怒りに燃えている。

 ライガーの鋭くとがった爪も悪魔の爪の受け止めらられる。

 その背後からポチが挟撃をしかようと攻撃に移るが尻尾で薙ぎ払われた。

 今度はクロが側面からの攻撃に移る。

 悪魔はこれも尻尾で薙ぎ払おうとしたが、シロが鞭で右足を拘束して、体制をくずす、クロとライガーの攻撃が悪魔に入り、流石の悪魔も傷を負い、距離をとった。

 4対1でもようやく互角か、傷をつけた分、こちら連携が少し上といったところだ。

 僕は、まだ簡易ダムの制作で忙しい。

 それでも少しづつだが確実に出来上がりつつある。

 水の流れも激流から少し早い川の流れに変わりつつある。

 もう少しで、簡易ダムも出来上がる。


 「勝手に水をせき止めてんじゃねぇよ!」


 悪魔は黒い玉を生み出し僕に攻撃してくるが火のエレメンタルが攻撃を防いでくれた。


 「ちっ邪魔な護衛だな」


 「御屋形様に気を取られている場合か」


 とポチが今度は正面から攻撃その後ろからクロ、左右からはライガーとシロが攻撃を仕掛ける。

 4人の即席の連携ではあるが、何とか互角以上に戦えているようだ。

 僕の作り出した木竜も奴の攻撃を受けてもなんとか耐え忍んでいる。

 取り敢えず簡易的ではあるが、だむができたので、僕も戦闘に参戦する。

 僕は、生み出していた木竜を纏う。

 蔦で攻撃するがやはり爪で切り裂かれてしまうがそれでいい。

 すこしでも奴の体力をけずり、すきを作れれば4人がすきを見て攻撃してくれる。

 僕は足に根を張り詰め、奴を逃がさないように周りに清浄の木を成長させて、牢獄を作っていく。

 それだけでも瘴気でできた悪魔の動きが悪くなっていく。

 

 「くそっ!力がでねえ。てめえの仕業か」


 「瘴気の塊のお前たち悪魔には良く聞くだろう、今だ4人とも!」


 4人の攻撃がキレイに入り悪魔もたたらを踏む、僕はその瞬間を逃さず尖らせた根っこで奴の胸の核をつら抜く。

 僕は、そのまま悪魔に世界樹としての清浄な気を送り込んだ。


 「グガアアアアァ」


 悪魔は断末魔を叫びながら悪魔の核が消滅する。

 これで奴は悪魔の力が使えないはずだ。


 「灰になり、消える前に聞きたいことがある。お前たちはどこからやってくる。蓄えた生命の力をどうする気だったんだ!?」


 「お前たち、恵まれた地上の奴らにはわからないさ。ゴホッ。俺たちは魔界からやってきて、故郷を救うためにエネルギー集めているだけだ。地上では、生命はすぐに復活するが魔界はそうじゃねえ。くそっもう少しだったのになぁ」


 そう言って、悪魔は灰になって崩れさった。

 まさかこの世界に魔界があるなんて、どうやって行き来してるかは不明だが奴らも必死だって事は分かった。

 しかしだからと言って、この世界の生命エネルギーを取られてはこちらの世界の住人が死ぬことにもなる。

 魔界がどういった存在でどういった状態なのか、わからないが、今は獅子族を救えたことを祝おう。


 水源に水が元に戻ったことで、獅子族も争う事はなくなったが、干ばつの被害で食料事情が厳しいのは変わらない。

 雨が降らなけれなければ、川の水や井戸が必要になる。

 その水源地も悪魔に抑えられていたのだから、いずれこの土地ももとに戻るだろう。


 「エデン王よ、我ら獅子族はエデンの民になるのだろうか?」


 「いや、以前の連合国に戻って欲しいんだ。そのためにもまずは、ホブロと一緒に話しをしよう」


 「わかった。ホブロと話しを詰めよう」


 僕たちは、ライガーを連れて白虎族のホブロが居る拠点へと移動した。


 「これは、ユキ殿よくぞお帰りになりました。獅子族のライガーが居るという事は上手くいったのですか」


 僕はホブロに獅子族での出来事を話した。


 「悪魔ですか?にわかには信じられませんが、ユキ殿がおっしゃるなら、本当なのでしょう」


 「ホブロよ、すまなかったで済むとは思っていない。貴様が望むならこの首をくれてやってもいい」


 「ライガー、貴様もユキ殿にどうせ挑んで敗れた身であろう、我らは強者に従うのが習わし、今更貴様の首取ったところで、どうしようもない」


 数日後、獅子族のライガーと白虎族のホブロが終戦を発表した。

 もちろん中立ち合い人としエデンがたった。


 「それでわれら獣人国はユキ殿に負けたわけだが、これからはエデンの民とし生きればいいのか?」


 と、ホブロ

 お前もかい!


 「いや、以前と同じ連合国に戻って欲しいんだ」


 「戻ると言ってもすでに他の部族を平定してながい時間が過ぎた。以前にはもう戻れない」


 「ホブロの言うとおり、今は共同で暮らしている部族も多い。今さら元には戻れない」


 「じゃあ、白虎族と獅子族が同盟を結んで、新しい連合国として生まれ変わって欲しい」


 「では、我ら獣人連合国はここにエデンの属国として生まれ変わる」


 「うむ、ライガーの言う通り、我らはユキ殿エデンに負けたのだ。獣人としてそれがいいだろう」


 なんでやねん!

 思わず関西弁でたわ!

 属国って、そこまでしなくてもいいんだけど。


 「いや、別に属国になる必要はないよ。エデンはあくまでも中立でいたいからね」


 「しかし、それではユキ殿にメリットが無いではないか」


 と、ライガー。


 「メリットはあったよ。悪魔を退治できたし、獣人の国とも繫がりができた。これから、国交を開いて交易だって、できる。すでにうちはエルフの国エルドラード、魔族の国ガルガンティス、人間の国グラバドニア、とも国交を開き平和的に付き合っている。だから、獣人の連合国とも同じように付き合いたい」


 「本当にそれでいいのか?」


 と、ホブロ。


 「勝者に従うのが獣人なんだろ?」


 「確かにそれはそうだが、今回はそれだけではない。我々、獅子族は悪魔からも助けてもらった。せめて我々獅子族だけでもエデンの配下にして頂きたい」


 「しつこいよ、ライガー。次はもしかしたらエデンが助けを必要とするかもしれない。その時に助けてくれればいい」


 「そこまで言うなら、わかった。エデンの危機が訪れた時には一番に駆けつけるとしよう」


 こうして、獣人の新連合国ができ、エデンとも和平を結んでこれからは、国交も開くことになった。


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