66話
突然1対7で稽古する羽目になった僕は、最初から全力で行く事にした。
まずは全ての蔦を伸ばして全体攻撃にでる。以外にガーグや、ベラ、アーロン、ラジャには攻撃が当たっている。
ポチも本気なのか獣化状態で爪で蔦を切りまくっている。
まさに狼男のようだ。
クロも獣化して爪で切り裂きながらまえにでてくる。
クロはさながら黒豹のようだ。
シロも獣化しているのだろう、あまり見た目は変わらないが、今日は専用の鞭をもって攻撃を凌いでいる。
なんだか今日は調子がいいかも、まずはポチ捕えようと意識を向けた瞬間、ベラから蜘蛛の糸が飛んできて、蔦の攻撃が一瞬ずらされた、そのすきを見逃すはずもなく、ポチは前に出てきた。
やはり連携されると厄介だ。
ポチ、クロ、シロの三人に気を取られ過ぎて、気が付けばガーグ達4人も近づいて来ていた。
僕は風のエレメンタルを召喚。
昨日と同じ手だが、少しでも連携を崩すために葉っぱ乱舞を起こす。
そして足元に根を張り、根っこパンチをを蔦攻撃に混ぜて攻撃する。
ここで、初めて
ポチに根っこパンチが直撃吹っ飛ぶ、、ポチ。
あれ、力を入れすぎたかな?
一時中断しようかと思った矢先にクロが僕に攻撃を仕掛けてきた。
こうげきは何とか防御するも腕太さの半分ぐらいまでクロの爪はめり込んだ。
すぐに回復させクロをつかまえようとすると、ガーグとラジャの巧みな連携でクロを脱出させる。
ここは全体攻撃で根っこパンチをそこら中に出現させる、だが、またしてベラの蜘蛛のネットで攻撃をずらされた。
これで、また距離を取られた、仕切り直しか。
「はぁっ!」
と後ろから聞こえたのアーロンの声だった。
いつのまにか後ろに回りこまれていて攻撃を受けてしまった。
そんなに大したダメージではないが、驚愕に値する。
「このっ」
僕はすぐに反撃をに移りアーロンを吹き飛ばす。
もちろん重症にならないように手加減をしてしているが、ケガは覚悟してもらおう。
僕も切られたからね。
確かに訓練としてはこれ以上ないけども、如何せんポチ、クロ、シロの3人をどうにかしないと勝利できない。
ここは、敢えて接近戦に持ちこんんでみよう。
どうせ訓練なんだ。
いろいろと試させてもらおうか。
僕はウッドゴーレムから木竜に姿を変えて突進する、まずはシロから攻撃だ。
これには、みんな驚いた様子で身構えている。
途中でスピードを付けるために風のエレメンタルを召喚しスピード上げて体当たりをあてる。
これで、一人脱落。
するとみんな一斉に攻撃をしかけてきた。
さながら僕は、ラスボス気分で咆哮をあげる。
「グオオオオオォ」
尻尾でガーグ、ラジャを吹き飛ばし、蔦でベラを拘束。
口でクロを攻撃する。
クロは何とか僕の攻撃を避けて、ポチと連携を取りながら、攻撃してくる。
獣化した二人はなかなか動きが早く捕えらえらられない。
それでも蔦をくししてなんとか捕らえた。二人とも体力の限界を迎えていたようだ。
初めての勝利に僕は雄たけびあげた
「グガアアアアァ」
☆★☆
これを見ていた軍部の部隊は震え上がる。
我々の主人は化け物だと。
いままで、直接の戦闘を見たものはいなかったからだ。
いつもは召喚した木竜などに戦闘を任していたからそれほど、主人のちからはないと思っていた。
だが、各種族の長達が圧倒された姿を見て、興奮さえしていた。
「あれが、我らが王の力なのか」
「完全に族長たちより強いぞ」
「しかも1対7での対決で勝ったのだ」
☆★☆
それからの訓練は毎日軍の演習場で行うようになった。
1回目は勝てたのに2回目からはなかなか勝てなくなってきた。
7人の連携が上手くなってきていたからだ。
それからは、一般兵も交じりだして、最終的に1対50とかになってた。
もちろん兵士たちは警備の仕事もあるので、ローテーションだが。
僕の気分は本当にレイド戦のボス気分だ。
木竜の姿になって、ようやく互角といったところかな。
もちろん、最初は、必ずウッドゴーレムで戦うけども、そのうち兵士達も木竜の姿になると
「第2形態来るぞ、陣形準備!」
とか言い出すしまつ。
僕の目標はウッドゴーレム状態だけで勝利するのを目指している。
中々上手くいかないけども。
兵士達との訓練ではいかに、僕が早く木竜の姿にするかを真剣に考えているみたいだ。
最初は、僕の稽古のはずが、いつの間にか兵士たちの訓練にも使われている気がする。
そんな訓練もしいている内に、各国からの大使もやって来て、一時訓練はお預けになっている。
大使達の受け入れが始まり、内からも大使が出向いている。
各国の大使と顔合わせを済ませて、僕も通常通りに過ごす。
エデン各所の見回りだ。
アウラとの散歩ともいうけど。
各国共に早速エデンの見回りをしている。
エルフ達も軽くエデンを見回り近くの森を探索する予定らしい。
一応立ち入り禁止エリアは伝えているので大丈夫だろう。
さて、大使達も着いた事だし、こっちは本格的に獣人の国にケンカを売る準備をしないといけない。
確か、獅子族と白虎族ががほとんどの種族を平定していて、決戦が近いという話だった。
そして、獅子族の方が、優勢と聞いてる。
ここは、白虎族から崩していった方がいいかな。
誰を連れて行こうか、ポチ、クロ、シロの3人は着いてくるだろうし、他の部族を連れて行くとなるとなかなかの大所帯になる。
ここは4人だけで一度接触してみるのもいいかもしれない。
旅支度を終わらせ、僕たちは、白虎族が居るはずの街へとむかう。
風精霊が教えてくれた最初の街に着いたが、活気があって、とても戦争状態に突入しているとは思えなかった。
まずは宿を取り、情報収集。
宿屋の人がいうには、ここら辺はすでに白虎族のテリトリー、で旅人は珍しいらしい。
「こんな時期に来るなんて、よそ者だね。どこから来たんだい」
「僕たちは大森林のエデンの国から旅をしてきました」
「あの大森林から?あそこは、今やモンスターの集まる国で危険なところだって聞いてるよ。さては逃げてきたのかい」
「いえいえ、白虎族の長と会うために派遣され来たんだ。どうしたら、長と会えるかな」
「そりゃ簡単さ、強さをアピールできれば、すぐにでも会えるよ。ここから三日歩いた街に白虎族の本拠地があるから腕に自信があるなら、行ってみな」
と案外あっさりと教えてくれた。流れの傭兵とでも思われたんだろうか?
「でもあんた人間だろ?獣人相手に勝てるのかい?」
「こう見えても腕には自信があるので、大丈夫ですよ」
しかも正確には人間辞めちゃってるしね。
しかし、強さをアピールってどうすんだろ?
まぁ今日はこの街に泊まって、明日から向かいますか。
次の日朝から、僕たちは出発した。
歩いて三日の距離なら僕の愛馬のアオにかかればもっと早く着く。
僕たちは急いで、道を駆けて行った。
途中でモンスターのゴブリンにもであったが、アオがそのまま蹴散らして僕の出番はない。
本当に優秀だなアオは。
白虎族の本拠地に着いたのはすでに夕暮れ時だった。
物凄いスピードでの移動だったので捕まってるだけで精一杯だったの秘密だ。
門に並び街にはいると、流石に本拠地だけあり、決戦まじかというだけあって、屈強な戦士たちがいっぱいいる。
すでに門番にどこに行けば長に会える可能性があるのかは、聞いているので、今日は宿を取って休む。
さて、明日が本番だ。




