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58話

 エデン軍はエルフの国エルドラードにむかう。

 まずは難民たちを仮設ではあるが難民キャンプに誘導して、革命軍に参加する。

 前触れとして、牢に入れていた彼と数名の部隊を送り出す。

 エルドラードに近づいたきたあたりで、戦火に巻き込まれないような場所を探して難民キャンプを用意、炊き出しの準備もする。

 しばらくすると、続々と戦いに参加していない者たちが現れる。

 最初は、モンスター集団に驚いていたが、そこはグリセラさんが説得すると落ち着きを取り戻した。

 彼らは戦火がのがれてきた難民、落ち着いたのか順番に炊き出しも食べていく。


 彼らの護衛の部隊を残して僕たちは革命軍に参すべく歩みをすすめる。

 革命軍の本部着くと、そこにはマシウスの娘、エルリア姫がいた。


 「あのような事があったにも関らず、このたびは革命軍へのご助力に感謝いたします」


 「エルフの国がこれでエデンとの和平を結び平和にするなる為だよ。それにしてもよく革命軍を組織したね」


 「はい、じつは、あの後、お城の古い書庫で1冊の本をみつけたのです」


 ようやくすると、その本には、妖精たちは世界樹の森に集まる習性があり、またエルフも世界樹を守護していた物語が書かれていたらしい。

 そこに今のエルドラードが建国した。

 しかし長い年月とともに世界樹がかれ、またその事実も国民から忘れられていったらしい。

 そこに気づき、世界樹が大森林に姿を現したのだと考えたとか。

 目の前の僕が世界樹の化身なんですけどね。

 言わない方がいいかな?

 信じてもらえるか微妙だし。


 「今のエルドラードは間違っています。すぐにでも大森林にいき世界樹とともにあらなければならないというのに、父は自分の権力に固執しすぎて本来のエルフの役割を忘れてしまったのです。」


 だから王を打倒し世界樹を守護するために行動をおこしたのか。

 すでにエデンは十分な戦力を持っているが、エルフ達の協力もあった方がいいのかな?


 「事情はわかった、革命軍に参加しよう。で、今の戦況は?」


 「戦況はこちらが有利です、後は城の城門をやぶり中に入り白兵戦に持ち込めばこちらの勝ちは揺ぎ無いでしょうただその城門がなかなか破れずにいる状態です」


 「わかった、城門はこちらで何とかしよう。あまりこちらが戦果をあげては、後々そちらも困るだろうからな」


 「ありがとうございます。しかしどうやって城門を?」


 「まあみてて」


 僕たちエデン軍は前線へでる。城からは弓矢がとんでくるから、射手外から僕は木竜を生み出す。

 一応僕自身の周りにも危ない無いのでエレメンタルを呼び出しておく。


 「行け、木竜よ城門を破壊しろ」


 「グウオオオオオォ」


 木竜の雄たけび共に革命軍が走り出す、木竜は2度、3度と城門に体当たりを当てる、それだけでも門が軋みだし5度目の体当たりで城門は壊れ、道は開かれた。


 「今だ、革命軍は全軍出撃!」


 「エデン軍は城を包囲しろ。王マシウスを逃すな」


☆★☆


 城内では激しく戦いが繰り広げられていた。

 そんななかエルリア姫は父が居るであろう王の間に護衛を引き連れて向かう。

 案の定マシウスは王の間にいた、ただ一人で。


 「父上、これで終わりです」


 「わかっている、後は、お前の好きにするがいい。城に入られた時点で我の負けだ。まさかエデンを味方につけるとは思わなかったがな」


 「マシウス王を拘束せよ」


 エルリア姫は王拘束し、バルコニーにでて場内で戦いを繰り広げている兵士たちにつげる。


 「王の身柄は抑えた、無駄な抵抗はやめ、武器を下すのだ」


 王国軍は捕えられている王をみて、武器を下した。

 こうして、革命軍の勝利によってエルフの国の戦いは終わった。

 結局エデン軍は難民キャンプと城門を破るしかしていないが、城の外にモンスターの軍団が待ち受けているということだけでも王国軍の士気は下がっていたのだ。

 

 マシウスは牢に入れられ、これからの事について、エルリア姫とユキは話合っていた。


 「これで、エデンとも和平が結ばれるな」


 「はい、こちらこそ和平を望みます。時にユキ様は大森林に国を構えていらっしゃるので、なにか世界樹らしき木を見かけたことはありませんか?」


 「木はいっぱいあるからなぁ、なにか普通の木と違うのかい?」


 「世界樹の雫はどんな病も治し、伝説では死んだものも生き返らせる力があったと文献に載っていました。後は天にも昇る大きな樹としか載っていませんでした」


 「なるほどね、もしそんな樹を見つけたらどうするつもり?」


 「もちろん本来のエルフの使命として世界樹を守護するつもりです。」


 「この国はどうするの?」


 「もし見つかれば移住も考えていますがここもエルフにとっては大切な場所です。その時は、守り人を募集して移住してもらうことになるでしょう。」


 結局は移住するのね。


 「それで、厚かましいとは思いますが、すでに何組かの家族がハイエルフ様達が住むエデンへの移住を申し込んでいまして、こちらとしても世界樹探しに役に立つのでお願いしたいのですが。」


 おおう、すでに移住者が決まっていた。

 まぁ僕が世界樹とはわからないだろうから構わないけどね。


 「わかったよ、別に構わない」


 「ありがとうございます。」


 「一度私もエデンには伺うことになると思いますがその時は、よろしくお願いします。」



 それから数日後にはエルリア姫は移住者達とエデンに訪れてきた。

 

 「ずいぶん早く来たね、まだまだ、エルフの国エルドラードも復興中だろう」


 「そうなんですが、一刻も早くエデンとは和平を結んでおきたくて」


 「それはこちらもかまわないけど、じゃあ先に書類をつくるからサインだけでも簡単にすますかい?」


 「はい、それでお願いします。」


 簡単ではあるが公式にエルフの国エルドラードとエデンは和平を結んだ。


 これでエデンは魔族の国ガルガンティスと人間の国グラバドニア、エルフの国エルドラードとの和平をむすだんことになる。

 もちろんエデンは中立国として。

 どこもまだまだ国力が回復していないから、エデンの復興支援を必要としている。

 エデンにできるのは食糧支援ぐらいしかできなが、食料は民が生きてくうえで必要なもの。

 早くちゃんとした、交易ができるといいんだけど。

 エルフの国エルドラードとの和平を魔族の国ガルガンティスと人間の国グラバドニアニモ知らせる為に伝書鳥を両国に送った。

 もちろんある程度の情報も載せて。

 こうして、少しずつだが平和な大陸にになっていければいいなと思う。

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