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48話

 勇者君から聞いてた通り、魔王の国を敵視してるんだ。

 結構いい国だよ。

 差別的でもないし、向こうもそこまで人間の国グラバドニアを敵視してないから。

 人間の国の方が差別的じゃないかな?


 「し、失礼した」


 王子は今にも怒り出しそうな顔で席に着いた。


 「かの国は悪しき魔王が治める国です、ユキ殿。ひどい取引をなさってるのではないか?」


 「いえいえ、そんなことはありませんよ、適正に交易もしておりますから。人間の国との確執も知っているつもりです」


 そこまで言うと王子も黙り込んでしまった。


 「今回の事は、私一人では決めかねる案件になってきたようだ。一度王都に持ち帰り連絡したい。なにかエデンと連絡を取る方法を決めねばなりませんな」


 「それには及びません、すでに連絡手段ならありますから、この鳥をお使いください」


 僕は伝書鳥の使いかたを王子に教え、伝書鳥を預けた。


 「このような、連絡手段までお持ちとはエデンはやはりすばらしい」


 一旦これで会談は終わったけど、戦争とかに走らないようにそれとなく勇者君に伝えておいた。


☆★☆


 ユキ達が会議室を出てからしばらく、沈黙が続いていた。


 「くそっ!どう考えても魔族との争いを避けねばエデンが敵にまわる事になる未来しか思い浮かばぬ。そうなれば、我らの国は滅びてしまう。コウキ殿奴らの軍勢を相手に戦えるか?」


 「ある程度は、戦えるでしょう。しかし最終的には負けるかもしれません。なにせ、エデンの民はほとんどが戦えるモンスターの集団です。」


 「騎士団長はどう思う?」


 「私もコウキ殿と同じ意見ですが、騎士団は壊滅するでしょうな」


 「殿下、ここはユキさんが治める国エデンへ一度和平か中立を保ってもらう為にも一度エデンへ赴いた方がよいかもしれません。その時は勇者である私もお供いたします。」


 「そうだな、コウキ殿とユキ殿は仲が良好のようだ。しかし一度は本国にもどり父上にご報告せねば、戦争どころではない。ところで、アンデッド討伐のさいの負傷者や死者はどれくらいでたのだ?」


 「はっ。騎士団から12名、冒険者からも数十名がでていると聞いております、そのうち負傷者はゼロ、全て即死以外の者はユキ殿のお力で治していただきましたので。それと、エデンの負傷者、また戦死者はゼロとのことです」


 「まて、ユキ殿はけが人でさえ治す力があるのか?それにアンデッドは大群だと聞いていたが、エデンの負傷者どころか戦死者までがゼロだというのか?」


 「実際ユキ殿がいなければこちらの戦死者はこの程度はすまなかったでしょう。それにあのエデンの軍隊は通常種のモンスターではなく、全てが上位種です一番下のオークですらハイオークに進化していたものでした。そのうえ、オークキング、見た事のないモンスターまでもいました。」


 「やはり、魔族と争っいる場合ではないな。至急王都へ帰還する。コウキ殿も着いて来てくれ。勇者の言葉であれば、父上、いや陛下も納得せざるをえまい。あとはあの野心家の馬鹿な弟が何もしなければよいが」


☆★☆


 第1王子との会談も無事に終わり、後はエデンへ帰還するだけとなった。

 約10日に渡って拘束されていたようなもんだ。

 僕たちは、エデンへと帰路についた。


 帰ってきてからは事の顛末をまずは4大精霊達にも報告。

 今は、アウラとのティータイムを久々に外で楽しんでいるところだ。


 「そうだ、パパに見てもらいものがあるの!」


 そう言って、アウラがおもむろに花壇のまだ蕾になっている花に手を向けた。


 「んん~」


 何やら力込めているようすだ。

 すると、蕾になっていた花が咲き始めた。

 アウラウネの特性だろうか、それとも僕が進化させた影響か見事に花を咲かせてみせる。


 「できたぁ、どうすごいでしょ」


 「すごいじゃないか!アウラ、流石パパの娘だね」


 子供ができたらまずは褒めてやらねば。


 「パパがいない間にパパの役にたちたくていっぱい練習したんだよ。他にもね、作物も少しだけなら成長を早めることができるよ。まだまだパパみたいにはできないけど」


 「それでもすごいじゃないか。アウラのできることが増えればパパもすごい助かるよ」


 「本当?じゃあこれからも頑張るから期待しててね」


 「ああ、焦らないでいいからゆっくりやりなさい、それと無理はしないようにね」


 「は~い」


 この何気ないやり取りに幸せを感じる、またアウラの成長を見守ることにも。

 アウラとの歓談中に伝書鳥がやってきた。

 この伝書鳥は王子に預けたものだ、なになに、


 『馬鹿な弟が軍の私兵を率いてそちらに独断で向かっている、気を付けて欲しい。我が王国の意図ではないことを知ってもらいたく伝書鳥を使わせてもらった。馬鹿な弟だが、どうか命だけは助けてもらいたい。こちらも弟を止めるために軍を編成しているが、間に合わない可能性が高い。迷惑をかけているとは思うがなにとぞご慈悲を頼み申す』


 っておい、そこは兄としてちゃんと止めてよ。

 ホント迷惑だよ。

 てか、場所を教えてないのにどうやって来るの?

 尾行もされてなかったと思ったけど。


 僕は、風精霊のフィーネの所にむかった。


 「て、ことで、多分この大森林に向かってきているとおもうんだよね、なんとか探してくれないかな」


 「別にいいけど、一応他のみんなにも言っときなよ、後でしられたらドーガ当たりがうるさいよ」


 「そうするよ、悪いんだけど頼むね」


 結果彼らは、確かに馬鹿だった。

 やっぱり、場所を知らないみたいで見当違いの場所をぐるぐると回って探している。


 「このまま、あきらめるまで待った方がよくない?」


 「放っておいても心配ないじゃろうが、次に会ったときにどうするのだ?ああいう馬鹿は痛い目をみないと、今度は何をしでかすかわからんぞ」


 と、ドーガ。


 「たしかにやけくそになって森に火でも放たれたら困りますね」


 と、グラン。

 確かに火を放たれると困るな、せっかくの美しい大自然なのに。


 「手紙にも馬鹿な弟と書いてあったのだろう?一度こちらの戦力を見せるしかあるまい多少の犠牲は向こうも覚悟の上であろう」


 ドーガさんが戦えとおっしゃるけど。


 「人死には避けたい所なんだけどな。」


 せっかくだから僕の実験に付き合ってもらおうかな。

 ビビらせるにはちょどういいかもしれない。


 「おぬしのその顔は何か案でもあるのか」


 「いや、帰って来てから、みんなにも見せたあれでなんとか帰ってもらえないかなと思ってさ」


 「あれか、確かに使えるかもしれん。けが人は出ることになると思うが、ちゃんとコントロールできるようになってきたのか?」


 「大分、マシになってきたから後は実戦でどうなるかなんだけどね。もちろん軍も編成しておくつもりだけど、最悪こけおどしにはなるでしょ」


 「確かに脅しては十分だな」


 と、僕とドーガは話し合う。


 「みんなはどう思う?」


 「御屋形様の意見に賛成です、一度あれをみれば奴らも引き返すでしょう」


 「俺も主に賛成」


 「ユキ様に逆らうなら血祭でもいいとおもいます、王子だけ無事なら文句はないんですよね?」


 順にポチ、クロ、シロ。

 シロが過激な事を言ってるけどスルーしておこう。

 初めに人死には出したくないって言ったんだけどね。

 グラン、フィーネ、フェルミナも賛成みたいだから、この案でいこう。

 第2王子をビビらせますか。

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