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46話

アクセス数が3万を超えました。

読んでいただいた皆様に感謝です!

 僕の攻撃はドラゴンゾンビに効いている。

 今のうちにそのままドラゴンゾンビの体全体を覆いつくす!


 「ニンゲンかと思っていたが、貴様も魔物の類であったか!?今ここで炭にしてくれる!」


 リッチが僕にファイアーボールを撃ってくるが火のエレメンタルがすべて吸収してくる。


 「僕がドラゴンゾンビを止めている間にリッチを倒すんだ!」


 僕は叫んだ。

 最初に動いたのは流石というべき勇者。


 「まかせて、ユキさん」


 「御屋形様の期待に応えてみせます」


 とポチもリッチに向かう。

 

 「クロ、シロは僕の援護を、このままドラゴンゾンビを片付けるぞ!、ガーグはリッチの所へ!鬼人となった力を僕に見せてくれ!」


 「主が言うなら従うまでさっと」


 「ユキ様との共闘、これが愛なのですね」


 順にクロとシロ。

 シロよ戦闘中なのに余裕なのかな?

 僕は余裕ないから早く片付けてね。


 「このガーグ、王の期待に応えてみせます!」


 こうして、ドラゴンゾンビ対僕とクロ、シロの3人。

 向こうはリッチ対勇者、ポチ、ガーグの3人の戦いが始まった。


 僕は相変わらず、ドラゴンゾンビの拘束をし続ける。

 力が強いが僕自身も地面に根を張りなんとか踏ん張る。

 何度も蔦や根を引きちぎられるが、その度に再生、癒しの力を送り込む。

 クロ、シロのコンビも攻撃を加えてもう少しでドラゴンゾンビの体力も無くなるだろう。

 おもえば、このドラゴンも死んでからも酷使されていると思うと不憫に思えてくる。

 どうか安らかに眠って欲しい。

 そんな気持ちを込めて癒しの力を使う。

 その時だった。根を通して僕の中に違う意識が流れ込んできた。


 『世界樹の化身よ、すまぬ。本来なら世界を見守り、安寧もたらすはずのお主にまで迷惑を掛けて。アンデッドになった我にはもうどうすることもできない。我の胸の中心に核がある。それをお主の根で突き刺して欲しい。そうすれば、我も眠ることができる。』


 ドラゴンからの意識が僕に核の場所を教えてくれる。

 やはり無理やり眠っていたところを強制的に起こさせられたようだ。

 かわいそうだが、やるしかない。

 

 「クロ、シロ!胸の中心を全力で攻撃するんだ!」


 「なんかわかんないけど、主を信じて行くよ、シロ!」


 「ユキ様のご命令とあらば是非もありませんわ」


 その一瞬ドラゴンゾンビがわざと攻撃を受けようとしている気がした。

 きっと最後の気力を振り絞ってくれたに違いない。

 これを逃せばまた長期戦になる。

 僕はエレメンタルたちにも総攻撃を命じた。

 胸の中央に赤く光る宝石のようなものが見えた。


 「今だ!」


 僕は自分の手を突き出し、新たに尖らせた根を作り出し核を貫いた。


 『ありがとう、世界樹の化身よ。最後に残れされた我の力も使ってくれ、我はこれで、そなたの中で安らかに眠ることができる』


 僕はドラゴンの言う通りに核をを吸収するように根からすいあげた、水を植物が吸い取るように。

 ドラゴンゾンビはボロボロと崩れ落ちていく。


☆★☆


 勇者、ポチ、ガーグの3人はリッチとの戦いに力を注いでいた。


 「くらえ!ダークボール!」


 リッチが黒い球体を数十個と生み出し3人に殺到する。

 絶え間なく続く攻撃に3人とも回避が間に合わず、いきなり劣勢にたたされていた。

 砂煙が舞いリッチは様子を窺う。

 勇者がこの攻撃くらいで死んでいるとは、思っていなかった。

 砂煙が消えた時、そこに立っていたのやはり勇者1人だけだった。


 「カカカ、やはり勇者と名乗るだけはある。あの程度では死なんか?しかし、他の二人の羽虫は木端微塵になったとみえる。たった一人で儂に勝てるかな?」


 リッチは高笑いをきめる。


 「勝手に殺すな!」


 「羽虫とは言ってくれる」

 

 リッチの後ろから現れたのはポチとガーグだ。

 2人はリッチの攻撃をかいくぐり砂煙があるあいだに後ろへと回り込んでいた。

 いくらリッチとはいえ、魔法使いは接近戦ができるとは思えなかった。


 「なっ!」


 二人の攻撃がクリーンヒットして、勇者の前へと押し出す。

 勇者はそこで聖剣をリッチに向かって振るう。


 「終わりだ悪しきものよ!」


 「そう簡単に行くかっ!」


 リッチはなんとか体をひねり攻撃を躱そうとするが、完全にはかわし切れなかった。


 「グゥオ!」


 勇者の攻撃がリッチの片腕を切り飛ばす。

 すかさず距離を取ろうとするリッチにポチとガーグが追い打ちをかける。


 リッチはすかさず呪文を唱える。

 するとリッチから黒い煙がでてあたりを包みこみ2人の視界をふさぐ。


 「ガーグ着いてこいこっちだ。それで隠れたつもりか!」


 ポチは元々鼻が利く。

 アンデッドの悪臭をかぎ分けにおいの方へと攻撃をしかける。

 しかし攻撃が当たったのは別のアンデッドだった。

 

 「なに!?確かに奴の臭いだったはず」


 リッチは獣人の鼻が利くことを知っていたかのように身代わりを用意していた。


 「くそっ!そこら中に奴の臭いがする。これではどれが本体かわからん」


 「任せてください」


 勇者はそういうと剣に再び力を籠め振り払う。

 黒い煙が晴れ、視界が元に戻る。


 「ぐっ、流石に小手先の技ではそうそう、うまくいかんか」


 リッチは悔しそうに言った。


 3人はすかさず、リッチに肉薄する。

 リッチは再び詠唱し先ほどの倍はある、ダークボールを作り出し3人に向かって放った。


 「ちっ。ガーグ!」


 「任された」


 ガーグは鬼人としの鬼火を作り出す、それも通常の大きさではなかった。

 ガーグは元々オーガ族の族長を立ったため他の者より能力が高かった。

 そこにユキの進化の力で鬼人に生まれ変わったのだ、よって他の鬼人たちより力が強かった。

 

 「大鬼火」


 ガーグから放たれ鬼火はダークボールとぶつかり合い、見事に相殺する。

 そこにポチが真正面からリッチに攻撃を仕掛ける。

 リッチから放たれる闇のオーラがチリチリとポチの肌を焼くのがわかる。

 ポチはそれでも止まらずに殴りつける。

 リッチはこの機会を見逃さず殴られてもなんとかポチの腕をとる。

 

 「捕まえたぞイヌころがぁ!このまま焼き尽くし灰にしてやるわ!」


 リッチから魔力の炎がポチを襲う。


 「っぐわぁ!」


 しかしポチは不敵に笑い、言った。


 「捕まったのお前だ」


 「なに?負け惜しみを!」


 「今だやれ!」


 その掛け声とともに現れたのは聖剣に力を注いで待機していた勇者だった。

 

 「これで終わりだ!」


 リッチは勇者の登場にわずかにポチを握る手が緩んだ、ポチはその場をすぐさま放れ、勇者の聖剣が袈裟切りリッチに直撃する。


 「ば、ばかな。」


 聖剣でまともに切られたリッチは崩れ落ちた。


☆★☆


 どうやら向こうも終わったようだ、駆けつけようした時にはちょうどリッチが勇者君に切り伏せられていた。

 リッチは倒れ、チリとなって消えていく。

 聖剣の力と勇者の力はやはり侮れない。


 しかし、ポチが大分疲弊していた。


 「大丈夫か、ポチ?今治療してやるからな」


 僕は一番けがが酷いポチ癒しの力を使う。

 すぐに状態は良くなり、ガーグと勇者君にも治療を施す。


 「リッチとドラゴンゾンビは打ち取った!」


 勇者君が勝鬨をあげる。


 「「「うぉおおおおお!」」」


 騎士団と冒険者たち、エデンの民からも声が返ってくる。

 あとは、うち漏らしが無いようにアンデッドを倒すだけとなり、リッチが居なくなり統制が取れなくなったアンデッド達を倒すに時間はそう長くは掛からなかった。


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