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45話

 そしてついに5日目がやってきた。

 街の城壁から遠くに見えて来ているのがアンデッドだろう。どのぐらいの数がいるのだろうか、一面を覆いつくさんばかりの数だ。

 下級のアンデッド達は弱いとはいえ、数の力は恐ろしいものがある。

 エデンの軍はまだ見えない、きっとアンデッド達の後方にはいるはずなんだけど、伝書鳥を先ほど飛ばしたばかりで状況がつかめていない。

しかし、ここで待っていてもしかたない。

 僕たちは、前線へと赴いた。

 正直に言えば、前線に行っても僕は役に立つのか心配だが、今は生き残ることだけを考えよう。


 だんだんと近づいてくるアンデッド達。

 亡者の声が聞こえてきて背筋が凍る思いだ。


 「魔法使い達、弓兵隊は遠距離攻撃準備!放て!」


 ドーンと魔法使い達の攻撃がさく裂する。


 僕は少しでも時間かせぐため、植物たちにお願いをする。


 「この地に根を張る植物たちよ、奴らの足止めを!」


 するとアンデッド達の下に生えている草が伸びアンデッド達の足に絡みつき転倒するアンデッド達もいた。

 しかし、仲間の背を踏み場にまだまだ後続がやってくる。

 そこに勇者のコウキ君が攻撃をしかける。

 彼は手に持つ剣に力を注いでいるようで、剣がひかりだす。

 あれは聖剣といわれるものなんだろか?

 

 「うおおおぅ!」


 彼の叫びと共に聖剣の力が解放されたのか、たったひと振りで近くにいたアンデッド達が消滅した。

 なんてすごいんだ、流石は勇者ということか。

 勇者の攻撃をかわきりに接近戦も始まった。


 「御屋形様にちかづけるな!」


 「主は俺が守る!」


 「ユキ様には指1本触れさせません!」


 「今こそ忠義を見せるとき!」


 順にポチ、クロ、シロ、そしてガーグ。


 僕はできるだけ、植物を使って足止めをする。

 近づいてくるアンデッド達をポチ達が準滅していってくれる。


 近くの冒険者たちも奮戦しているようだ。

 そのうちの一人がアンデッドのスケルトンが持つ錆びた剣で背後から切られそうになっていたの見つけて僕は思わず叫び、行動した。


 「危ない!」


 僕は魔除けや厄除けに使われる植物を強化した木刀でスケルトンに切りかかる。

 何とかヒットし、スケルトンは崩れ落ちた。

 

 「すまない、助かった。しかしすごいな木刀でスケルトンを1撃とは」


 僕もびっくりです。

 ここまで効果があるとは思いもしなかった。


 「申し訳ありません。御屋形様の手を煩わしてしまい」


 「ポチ気にしなくていいから。今は、1体でも多く倒すんだ!もうすぐエデンからの増援もくる」


 それにしても数が多すぎる。

 僕は4大精霊達からもら指輪の力をつかう。


 「フォースエレメント召喚!」


 そう言った瞬間に各指輪が光りエレメント達が現れる。

 各属性のエレメントは力その者で僕を守ってくれるいわばゴーレムみたいなものだ。

 火のエレメントはアンデッドを焼き尽くし。

 風のエレメントはアンデッドを切り刻む。

 土のエレメントはアンデッドを粉砕する。

 水のエレメントはアンデッドを溶かしている?

 水精霊のフェルミナがくれたのは清めの水っていってたけど、なんか硫酸をかけられてるみたいで一番えぐいな。


 これは混戦になるなと思っていると、アンデッド達の後ろから砂煙がみえる。

 ついにエデンからの援軍が到着したようだ。


 「エデンからの増援がきたぞ!」


 僕が叫ぶと騎士団も冒険者も一瞬時が止まったかと思うぐらいビックリしていた。

 あらわれたエデンの援軍はまさに人外の部隊。

 オークエンペラーに率いられるハイオーク達、強靭な肉体をもつミノタウロス、颯爽と駆けるケンタウロス、宙に飛んでる妖精たち。

 背後からの挟撃によりアンデッド達は瞬く間にその数を減らしていく。

 ようやく終わりが見えかけた時、アンデッド達の中央に骨と肉片が付いたドラゴンが現れた。

 スケイルドラゴンと呼ぶべきかドラゴンゾンビと呼ぶべきか所どこに肉片がくっついていて気持ち悪い。


 「グゥオオオ!」


 雄たけび共にドラゴンのアンデッドはこちらに攻撃をしかけてきた。

 ブレスを吐くつもりなのか口を大きく開けている。

 勇者が叫ぶ。


 「ブレスが来る!はかせるな!」


 勇者は果敢にもアンデッドドラゴンに挑む、聖剣がまた光を帯びて攻撃を仕掛ける。

 しかし、寸前にブレスは放たれてしまう。

 それでも勇者は攻撃を続行し何とか直撃を免れたようだ。

 彼の腕はただれ紫色になっていた。

 僕は彼に駆け寄る。

 

 「ポチ、クロ、シロ、ガーグ!僕を守れ!」


 叫びながらエレメントも使い、すぐさま勇者の元に駆けつける。

 

 「くっ!ひどい状態だ、すぐに治療する。その間なんとか奴をおさえるんだ」


 僕は指示を出すと勇者に世界樹の癒しの力を使う。

 すると紫色に爛れた肌はみるみるうちに回復していく。


 「ありがとうございます。ユキさん。これでまだ戦える」


 「急にこのドラゴンゾンビが現れたとは考えらない、どこかに操っている奴がいるはずだ」


 「ええ、多分間違いないでしょう」


 勇者と話していると突如として宙に浮く骸骨が現れた。

 たぶんリッチと呼ばれるアンデッドだ。


 「カカカ、勇者も儂が作ったドラゴンゾンビに苦戦しているようだな。このまま叩きつぶしてくれる」


 首謀者が向こうから現れてくれたのは、不幸中の幸いというべきか、奴さえ倒せばこの戦いも終わる。


 「エデンの戦士たちよ、奴をこうげきしろ!」


 「ええい、魔物くせに人間に味方をするのか!」


 「我々はエデン王ののみに従うものだ!王が敵と認めればそれは我らの敵なり!いくぞ皆の者!」


 「オウ!」


 とエデンの民たちが応えくれた。

 徐々に数を減らしていくアンデッド達。


 僕は、勇者とともにドラゴンゾンビに戦いをしかける。

 

 「この地に根を張る植物よドラゴンゾンビの足を止めろ!」


 僕は力を使い、草原の植物たちがドラゴンゾンビの足に絡まるが一瞬だけしか拘束できず、ブチブチっと簡単にや引きちぎられてしまう。

 それでもその一瞬を見逃さず勇者とポチ、クロ、シロにガーグ、エレメント達が攻撃を仕掛ける。

 しかし、それを黙って見ているはずがなく、リッチが攻撃を仕掛けてくるので、なかなか決着がつかない。

 

 「邪魔ばかりしおって煩わしい!」


 そういうとリッチはさらにアンデッドを召喚して数の優位を覆す。

 このままでは、らちがあかない。

 再びエレメント達に僕の護衛を任せ、勇者とポチ達にはドラゴンゾンビとリッチの攻撃に専念してもらう。

 アンデッドに有効な手段を考える。

 アンデッドは聖水や回復薬でもダメージを与えられるのがゲームの定番。

 ここは一度試してみよう。

 身近なアンデッドに癒しの力を使ってみる。


 「グッ!」


 と短い悲鳴とともにアンデッドは消滅した。

 これならいけると僕は確信した。

 魔除けの木刀でスケルトン1撃で倒せたのだ、癒しの力ならもっとダメージを与えらえる。

 しかしもう少し、僕自身がドラゴンゾンビに近づく必要がある。

 動き回るドラゴンゾンビに近づくとかみんなの邪魔になる。

 僕自身の戦闘力は皆無だし。

 僕は一応持って来ていた清浄の苗を成長させ、その過程で厄除けの効果のサンスベリアの苗と掛け合わせる。

 サンスベリは元々、空気の清浄にする効果と風水では厄除けの効果がある植物だ。

 それを僕の世界樹の力でさらに改良したものを僕の鎧兼武器として使う。

 まるで、奇怪な植物のモンスターのような姿をしているに違いない。

 鏡がないので想像でしかないけど。

 今の僕は戦闘に突っ込むという意識から震えている、怖い。

 違う、これは武者震いだと自分に言い聞かせてエレメント達と突っ込む。

 まずは、ドラゴンゾンビの足を止めなければ、僕は纏わりついた植物の根を奴の足元かた出現させ絡めとる。

 ジュウっと奴のあしから煙が上がった、やはり聖水などと同じ効果があるようだ。

 これならなんとかいけるか?


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