43話
都合よくこの街にも勇者様が来てくれるらしい。
来るときは簡単だがパレードもして、この街の冒険者も募って王国軍とともに出立する手はずらしい。
冒険者かぁ、登録面倒だな。
ポチ、クロ、シロの3人も居ることだし、ここは様子見で行くしかないかな?
勇者様一行を待っている間にできる限りアンデッドの情報が欲しいところだね。
僕は、伝書鳩ならぬ伝書鳥を使い、エデンに勇者来訪と大森林に潜むであろうアンデッドの大軍を探すように手紙を送った。
来る途中にもアンデッドはみたけど、大群なんていたかな?
☆★☆
僕は和平光輝
この世界に平和を取り戻すために異世界から召喚された勇者だ。
この世界には、魔王がいて、異種族間の戦争も絶えないそうだ。
それに凶悪なモンスター達も民を脅かす存在だ。
今はアンデッドの大群がこの国を襲っている。
何としても食い止めて国民を守らなければいけない。
そのために厳しい訓練にも耐えて、ダンジョンに潜り修行もしてきた。
今こそこの力をこの世界に使う時だ。
王族の人たちが言うには大森林の向こう側には悪しき魔王がいて、力こそすべてとうたっている乱暴者集団の獣人族もいるそうだ。
残念ながらエルフの国とドワーフの国ともあまり仲良くないそうだ。
でも正義を貫けばきっとわかってくれるはず。
僕は勇者だ。
この世界に真の平和をもたらすもの。
☆★☆
エデンから手紙が帰ってきた。
勇者様かなり偏った教育を受けていらっしゃるご様子です。
しかも異世界からの召喚って名前からして僕と同じ日本人。
しかも手紙の内容からかなり真っすぐな心の持ち主だし、話したら結構仲良くなれないかな?
魔王とか結構いいやつだよ。
国交も開いてるし、交易もしちゃってるぐらいだよ。
これは、いいように国に使われてるのではないだろうか?
ドワーフと獣人の国はまだわからないけど、偏見もたされてるね。
教育とは大事だね。
このままでは、エデンは勇者様に敵国認定されてしまう。
どうやって仲良くなろうか?
夜中に忍び込むか?
余計に怪しいまれるかな?
う~ん、秘密裏にクロとかに密書でも届けてもらう事も可能だけど、来るまで時間はまだある。
「てなわけなんだけど、どうしよっか?」
部屋に集まってポチ、クロ、シロと相談中です。
「その冒険者に登録して、我らは御屋形様の従者か奴隷ということにしてはどうでしょうか?人間の国は奴隷制度があるとききます」
「ポチの言い分もわかるんだけど、勇者は日本人だし、かなり真面目みたいだから多分奴隷は駄目だ度思うし、獣人は乱暴者って教えられてるみたいだから冒険者登録って僕しかできないことになるよ」
「主が言うように秘密裏に会うしかないんじゃない?」
とクロ。
「いっその事、我々エデンだけでアンデッドの大群を退治してこちらの力を見せつけてから勇者にあって言う事を聞かせてはどうでしょうか?」
シロさんや、それは駄目だと思うよ。
思い切り力づくじゃないか?
それだと、向こうの教えの通りの乱暴者になってしまう。
「ここは秘密裏に勇者に会って人となりを確かめるしかないかな?一芝居うちますか」
勇者一行は数日中のやって来た。
この街に二日ほど滞在ののち大森林に向かうようだ。
僕は夜中にクロを伴って密かに宿へ侵入し部屋へ赴く。
もちろん兵士達を欺いて、僕特性のガーデニアの安眠効果を更に高めた薬の匂をかいでもらう。
何事もなく見張りの達を兵士眠らせる。
コンコンっと勇者が居る部屋をノック。
「開いてますよ。」
その勇者の声が聞こえたので扉をあける。
中には黒い髪の黒い瞳の日本人のまだあどけなさが残る青年がいた。
「夜分に失礼します。勇者様」
「っな!どうやってここへ!?下には見張りの兵士がいたはず」
勇者は見知らぬフードを被った怪しい侵入者の僕たちに警戒をして見せた。
「兵士様達なら今は眠っております、後数時間もすれば目を覚ますでしょう」
「アンデッドどもの手先か!?」
勇者が剣に手をかけようとしたので、僕はすかさずフードを取る。
「日本人!?」
僕の顔をみて勇者は驚きの顔をみせた。
「我らは、大森林に住まう者、此度のアンデッド騒動で我々も困っているのです。そこで、勇者様とは共同で対処に当たりたく今夜はまいりました。」
「それなら、夜中にではなく、昼にでも良かったはず」
「少々、事情があるのです。皆、フードを」
そう言ってポチ、クロ、シロと今回急遽来てもらった鬼人族のガーグ達4人がフードをとる。
「っな!獣人に魔族!?」
「あなた達が言う、人間が獣人や魔族、モンスター、妖精といった者達が共同で暮らしている。我々は大森林に住まうエデンの民でごさいます」
「共同で生活しているというのか、他種族どうしが?」
「はい、そうなります。そして私がエデンの長をやっているユキともうします」
「君は日本人なのか?」
「正確には元日本人になります。かれこれこの世界にきて300年になりますので」
正確には眠っていたけどね。
「300年だって!?にわかには信じられない」
僕はもってきていた花の種を手のひらで、成長させ花を咲かせてみせた。
「私は自然と同化し、このように植物を操ることができる。妖精や精霊に近い者とお思い下さい」
勇者は驚いた様子だったが、すぐに冷静のなったみたで、
「一先ずあなた達のことは信用します。それで、何故、僕の前に現れたのか説明をしてくれますか?」
と言ってきた。
「ありがとうございます。先ほども申した通り、アンデッド達の対処についてです。我々も独自の戦力はありますが、突然現れれば勇者様に攻撃されると予想し、失礼ながらこのように接触させていただきました」
「確かにあなた達のようなものが突然に戦場に現れれば、混乱していたことでしょう。ではアンデッドと大森林は関係ないというこですか?」
「はい、そのとおりです。我々の見立てでは今回のアンデッドの大量発生は人為的な可能性も考えています」
「検討はついているのですか?」
「残念ながらそこまでは分かっておりません」
「こちらとしても共闘の申し出はありがたい話ですので、僕から騎士団に話してみましょう」
「ありがとうございます。私と連絡を取られる場合はこの鳥をお使いくださいすぐさま駆けつけますので」
僕はそう言ってスズメほどの小さめな鳥を預ける。
「では、我々はこれで失礼します」
僕たちは、勇者の部屋をでて、自分たちの宿に戻った。
「あれでよかったんですか?だいぶ下手にでてましたが」
ガーグが心配そうにきいてくる。
「あれでよかったと思ってるよ。下手に高圧的にでるよりもああいうタイプはあれでいんだよ」
「後は、勇者様がしっかりと騎士団にうまく説明してくれることを祈るだけさ」
翌日伝書鳥が返って来た。
どうやら騎士団の人達とも話をつけてくれたらしい。
そして、もう一度こちらに来て欲しいとのこと。
僕は、快諾する旨を書いて再び伝書鳥を飛ばす。
フィーネからも情報によると確かに大森林近くにアンデッドの大群が見つかったそうだ。
どうもこの街に向かって来ているみたいだ。
エデンからの軍の編成も終わり、いつでも出せる準備はしているとの事。
生者対アンデッドの対決も近い。
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モチベーションがあがります。




