4話
次の日の朝、ミントに起こされ、食堂で食事を取りながらミントと会話をしていた。
「そういえば、ミントってどこで寝てるの?」
「私は妖精ですのでとくに眠りませんよ、ご主人様」
笑顔で答えてくれるミントは今日もカワイイな。そういえば、現実になった今ならミントにも部屋が必要だよね。昨日はそこまで頭が回らなかった。
「えっ、じゃあどこで休んでんの?」
「特に用事がないときは、他の妖精や精霊、のところに行ったり、ご主人様の土地を見て回っております」
仕事しすぎだよ、ミントさん。
頭が上がらなくなる。
取り合えすミントの部屋を用意しなくちゃいけないな、と考えていたら、他にも気が付いた。
「じゃあ、ポチとかは?」
「皆様は、ご主人様が以前お作りになった、小屋で寝ているかと」
マジか!すごい罪悪感を感じる。
そら、多少狭くてもベッド寝たくもなるわな。
だってゲームのときは、もっとみんな小さかったもん。
作った、小屋なんかほんとに犬小屋だし。
あんな狭いとこで、丸くなって寝てるところを想像したら、罪悪感が半端ない。
俺だけふかふかのベッドで、寝ていたなんて。
これは、早急にみんなの部屋を増築するか、新しい、家をそれぞれに建ててあげないといけない。
ということは、ほかの家畜や、精霊や妖精たちにも何らかの住処となるところを作らねば。
それに、なんか外の世界は、やばそうな雰囲気みたいだし、できるだけ改善して行こう。
僕は、手早く食事を済ませ、出かける準備をする。
準備といっても服を着替えるだけだから、早い。
ちなみに昨日の服は、ミントが洗濯してくれている。
僕の屋敷は、地上2階、地下1階で、2階には、寝室、書斎、勉強部屋[一度も使った事ない]、空き部屋が4つにリラックスルームと名付けた部屋がある。
まぁ家のことは、おいおい説明していこうと思う。
僕は寝室から出て、1回の玄関ホールに向かい、家から出る。
家から出ると、すぐ横においてあった、3つのペット用の小屋から、ポチ、クロ、シロがすぐに出てきて、近寄ってきた。
「おはよ。ごめんな、みんな。窮屈な思いさして」
「???」
三人ともなんで僕が謝っているかわかないって顔してる。
あれ?とりあえず、聞いてみよう。
「三人とも、さすがにペット小屋じゃ嫌だっただろ?ちゃんとした家を作るかね」
「とんでもないです!お館様が作ってくれた犬小屋に不満なんてないすよ!」
「俺も!主様が作ってくれた小屋好きだよ、扉もついてないし、すぐに外に出れるし」
「旦那様が作ってくれた、ウサギ小屋だって、今は大きくなって潜れなくなりましたが、下に空いてる穴、大好きすよ」
順にポチ、クロ、シロが話してくれたが、悪気はないんだよね、きっと。
さっきから心にグサグサと刺さってますよ。
ちゃんと改善するから、もう言わないで。
「うん、僕が改善したいから、するから。とりあえずは他にも見て改善したいし、とりあえずは、他のみんながいるとこに行こう」
何とか自分の気持ちを持ち直して、自分の土地を見て回る。
全部見て回るのに一日かかった。
現実になるとこんなに広いとは思ってなかった。
今度ちゃんとどれぐらい広いか確認しないといけない。
全部とは言ったものの、正確には全部ではない。
基本放置していた土地もあったから、隅々まで確認できなかった。
見た限りでは、やっぱりというか、案の定というか、僕の所有する土地は人外魔境となっていた。
最初にまず家畜を見て回ったんだ。
家畜は家畜でなくなってた。
牛は、2mを超す身長のミノタウルスになってた。
一応繁殖もかねて、オスとメスを飼ってたんだけど、女性型のミノタウルスに「しぼりたて飲みますか?」って聞かれたけど、遠慮した。
さすがに無理だよ。
豚はオークになってた。顔なんか、豚というより、イノシシになってる。
「ユキ様のためならいつでも我らを食b」
「ストップ!それ以上言うな!」
なんて場面もあった。
食べれません。
今更なんだけど、僕のキャラ名は『ユキ』で登録してある。
羊とヤギはなんか人型というか、背中に羽はなかったが肌が浅黒くなり、頭には角が伸び、見た目が悪魔のようになってた。
羊は進化してから毛が取れなくなったようで申し訳なそうに何度も頭を下げられたので、別の仕事を考えて、頼むことで、落ち着いた。
ヤギのメスには「しぼりたてn「今は遠慮しておくよ!」」さっきもあったから!
鶏は人型ではなく、なんか巨大化していた。
これ知ってる。
コカトリスだ。
尻尾の蛇がシャーシャーとなんか、笑顔?なのか嬉しそうに鳴いてた。
蛇も表情があるんだなと気が付いた時間だった。
ミントは卵が大きくなって、栄養も豊富だから、今度料理しますねと言ってたけど、これは食べても大丈夫かな?
乗馬用に飼っていた馬は、なぜか2種類に進化してた。
1つはケンタウルス。
もう一つは黒いユニコーン。
毛並は黒く、鬣も黒いし、一角獣たる、角もやはり黒。
でも瞳だけは、まるで宝石のような、蒼だった。
「もしかして、アオ?」
アオと呼ばれた黒いユニコーンは、鼻を1度鳴らして、僕に近づき、顔を摺り寄せてきた。
ゲームの時に購入した馬で、1頭だけ、瞳が青かった。
僕はレアな馬でも引いたのかとその時は喜んで、かってに名前を付けたのを覚えてる。
それにしても、一向にしゃべらない事を考えると、アオはしゃべれないのかな?でも、反応はがあるから、ゲームと違いちょっとうれしいな。
「そっか、お前は進化がうまくいかなかったのか?まあ、喋れなくても会えて喜んでくれているのがわかるから、俺も嬉しいよ」
そういうとアオは、また鼻を一つ鳴らして応えてくれた。
「ユキ様、アオ様はs「ブルルル!」」
ケンタウロスの一人が喋ろうとしてたのに、アオが突然、すごい鼻を鳴らした。
ちょっとびっくりしたけど、なんか言おうとしていた、ケンタウロスを見たがなんか顔を逸らされた。
「???」
まぁ、よくわからんが、いっか。
それからの移動は、僕はアオに乗って移動した。
さて、次は、4代精霊と妖精たちに会いに行こうかな。