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37話

 魔族の国の瘴気問題は無事に解決。

 瘴気の玉は僕が預かっている。

 瘴気が漏れ出さないように、しっかりと、清浄の木で作った箱で管理。

 悪魔に関しては、瘴気の玉を取り出したとたんに力が失われたのか、気を失っている内に魔王に引き渡している。

 一応、清めの水と清浄の木で作った武器?木剣を渡してあるし、後は何とかしてほしいところだ。


 そして今の僕はエデンに帰って輸出できる物の目録に目を通している。

 作物は十分に輸出できるし鉱石だってある。

 輸入したいのは家畜だ。

 以前のゲーム内の家畜は皆、進化していて家畜とは言えない。

 魔王ブレニンにもそのあたりは話しているので多分目録に入れてくれるだろう。

 後は、お互いのすり合わせの数がありすぎて、困っているとこ。

 困っているといえば、長い間エデンを留守にしていたからアウラが僕から離れなくなっている。

 現に今も僕のお膝に上で首がお舟こいでる。

 不思議なもので、寝かせようと、ベットに置くと起きるのだ。

 小さい子って寝てると思っていても起きるのはなぜなんだろうか?

 まぁ、アウラが『パパのそばに居るの!』と言われたときはデレてしまったのはいうまでもない。

 少し、休憩するかな。


 「旦那様、紅茶の用意ができております」


 相変わらず、ナイスなタイミングでミントが飲み物とお茶請けを持ってきてくれる。

 その声を聴いてアウラも眠そうな目をあける。


 「アウラもパパと一緒に休憩する」


 アウラは終始僕の膝で休憩していたと思うんだけど、アウラ自身も仕事を手伝ってくれているつもりだったのかな?かわいらし限りだ。


 「よし、アウラも一緒にお茶にしようね」


 「ミントも座って一緒に休憩しよう」


 「しかし私は、シルキーのメイドですので」


 「アウラはミントお姉ちゃんともお茶飲みたい」


 アウラの一言にミントも観念したのか3人でお茶をすることにした。


 「そういえば、留守中に変わった事はなかった?」


 「そうですね、少し人間の国に勇者が誕生したとかの噂レベルですが情報が入ってきてます」


 勇者か、魔王の国が治める国と仲が悪そうなイメージしかないな。

 その魔族の国と国交を持つようになる予定だからこちらも敵視されないか心配だ。

 特にうちはモンスターだらけの王国だから余計に心配だ。


 「獣人の国や、ドワーフの国のほうは?」


 「獣人たちはかなりの実力主義の国らしいのでこちらの戦力をがわかれば、そうそう問題はないかとおもいますが、ドワーフたちは近年、鉱山の採掘が減少しているようで、この大森林に目をつけてる可能性もあります」


 じゃあ、ドワーフの国とも国交を開いて、こちらは鉱山資源を輸出して、代わりに武具などを輸入すれば、いいかもしれないな。

 ドワーフというからには鍛冶も得意そうだし。

 ある程度の鍛冶なら僕にもできるが量産となるといくらヘルファー妖精を使っても大変だろうし。

 できれば、エルフの国とも仲直りして、ちゃんと国交を繋ぎたいが、今のままではむりだろうし、後回しでいいかな。

 しかし、人間の国の勇者かぁ、やっぱり男の子としては憧れるよねぇ、勇者。

 モンスター内とも仲良くして欲しいけど、やっぱり魔族の国とも仲が悪いのかな?今度ブレニンに聞いてみよう。

 

 「今度はどこの国に行こうかな?」


 「パパまた、どこか行っちゃうの?」


 アウラが潤んだ瞳で僕を見上げてくる。

 反則的に可愛い。


 「うっ。そ、そうだね。パパも仕事していかないといけないからね。でもしばらくはアウラと一緒に過ごすよ」


 「やったー、パパ大好き!」


 飛びついてくるアウラに僕は優しく頭をなぜる。

 もう、別に魔族の国との国交だけでもいいかも。

 それにブレニンも招待しないといけないしね。

 他の国にわざわざ行く事もないかなぁ。

 でも、ドワーフも妖精を勧誘してるって聞くからきになる。

 エルフの国みたいに嘘をついて捕らえてなければいいけど。


☆★☆


 それから、みんなで会議をしたり、魔王達を受け入れる準備を整えて1ヵ月が過ぎたころに魔王達、使節団がやって来た。

 まずは、ダミーの村から見せる。

 ダミーの村はまだ建設途中でちゃんとした砦ができていないので、街とは言えず、未だに村のまま。

 それでもかなり工事は進んでおり、機能的に十分だ。


 「ようこそ、ブレニン」


 「こちらこそ、お招きに感謝する。しかし思ったほど、大きくはないのだな」


 「まだまだ拡張中だからね」


 「しかし、本当にモンスターが一緒に生活しているとは、それにあれはオークキングなのか、それもあんなに大量にいるとは、あっちはミノタウルス!どれも通常種とは違うように見えるが、もしかして全てが上位種なのか?」


 「そうだね、でもここにいるのは、みんなわがエデンの国民でもある。間違っても手を出さないでくれよ」


 「手などだせるものか!逆にこちらが返り討ちに合うわ!ユキ殿と友誼を結べたことを感謝するほかないなこれは。敵対していたら、わが国は滅んでいたかもしれん」


 「そんな言い過ぎだよ。みんないい子だから安心してくれ」


 そうはいうが、エデン本体にはもっといるんだけどね。本当のエデンを見せたら卒倒しちゃうかな?


 「とりあえず、会議室へいこうか。そこで今回のお互いの国の為に有意義な話し合いをしよう」


 「この戦力を見せられたあとでは、少し怖いがな」


 確かに、向こうからすると1体でも厄介なモンスターがこちらには大勢いるのだ、外交で脅されているにも等しいのかも。


 「エデンは戦争を望んでいないから安心してほしい。常に中立の立場をとるつもりだよ。だから僕たちの戦力をあてにして、他国との争いに巻き込まないでね」


 これは、簡単に戦争を起こすなよって一種の脅しになるかな?

 でも釘は刺しておかないとね。

 アウラとかみんなに危険な目には合わせたくないのも事実だし。


 会議では、魔族の国ではやはり瘴気の影響で不作が続いていたらしく、やはり作物を輸入したいようだ。

 こちらはそれで問題ない。

 エデンとしては魔族の国から衣服を特注で作ってもらうことにした。

 今はエデンでも衣服を作ってはいるが、デザインが同じような物しかないからだ。いくらモンスターとて知性があり、このエデンで進化した者たちにはそれなりに個性がある。

 そこらの野良のモンスターとは違う。

 あとは、魔族の国の家畜やら特産品などをもろもろにお互いに詰めて話し合った。

 ほとんど、ミントが仕切ってくれたいたけど。


 その後は、現在も拡張中の村をブレニンが見たいというので案内することになった。

 鳥小屋にはコカトリス、果樹園の木はすべてトレントなど、ブレニン率いる使節団は唖然としっぱなしだった。


 視察も終わり、この日は泊まって行ってもらうことになった。

 夕食の席にてブレニンと歓談している時にふと思い出した。


 「そういえば、捕らえた悪魔はどうなった?」


 「ああ、悪魔なら今は大人しくしているよ、どうもユキ殿が取った瘴気の玉がなければ力がでないようだな、今は、牢屋に閉じ込めている。取り調べによると悪魔は嵐の日にたまたま空いた穴からこちらの世界に来たと言っていたな。まるで別の次元からきたみたいな言い方だったそうだ」


 「じゃあ、嵐の度に悪魔が現れる可能性もまだ残っているわけか」


 「その通りだが、ユキ殿清浄の木のおかげで大分瘴気は抑える事が可能だし、ユキ殿から頂いた清めの水もまだあるがこれは定期的に輸入さしてもらいたい」


 「それは良かった、清めの水も大丈夫だよ」


 しかし、嵐の度に悪魔がこちらに来るようになると厄介だな。

 悪魔はたまたま空いた穴って言ってたらしが、毎回来れるわけではないことを祈ろう。


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