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34話

 「アデイン、失礼だぞ!ユキ殿がいなければ、瘴気を治せないとわからないのか!?」


 先に声を張り上げたのは魔王だった。そして謝罪をしてくれた。


 「我が配下が失礼をした、許してほしいエデンの王よ」


 「いえ、こちらこそ部下が失礼を」


 しかし、よくできた魔王だ、冷静に対処してる。

 すでに僕は軽くパニック状態になりかけてました。


 「ユキ殿とは友好的に付き合って頂きたくこちらは思っている。現状では我が魔族の国ではそちらにたよるしか生き残る方法がないようだしな」


 まぁそうだよね、自国で瘴気を治す手段がないのであれば、外部をたよるしかない。

 しかもその外部も基本的に仲が良好とはいえない。

 そんな時に新たな勢力、ここでは僕たちエデンだが、まだどこの国とも友好的な対応はしていない。

 エルフの国では、やらかしてるしね。


 「最初に言っておきたいのですが、我々エデンは他種族が寄り添う国家です」


 「他種族?というこは、我々のような魔族、後ろの獣人、亜人達やそなたのような人間もいるということか?」


 「そうなりますが、中にはあなた達がモンスターとして討伐してきたものいるのです」


 「なに!?モンスターまでもいるのか!?それはテイムしているわけではないのか?」


 ある意味、僕の家畜たちだったからテイムと言われると否定しずらいけど。

 ここは違うと


 「わが国民はすべてエデンの王、ユキ様に恭順している。テイムなどではなく心酔していると言っても過言ではない」


 ポチー!また余計なことをしゃべるなよ!


 「ではモンスターはユキ殿がすべてテイムしているのだな」


 ほら勘違いしてる。

 なかには野良で見つけたら、大変なモンスターばかりですよ。

 危険な国認定されちゃうでしょうが!

 ん?でもそういうことにしておいた方が都合がいいのかな?

 豚人とかエンペラーオーク?だっけか、に、確定ぽいしなぁ。

 みんないい子なんだけどね。


 「テイムとはまた違いますが、みな自分から僕について来てくれていますので、危害はないですよ。みんないい子なので」


 「一度そなたの国に訪れる必要があるな」


 うんまあ、そうなるよね。

 敵国認定されないようにみんなに大人しくしてもらおう。

 特にポチとか、そろそろ駄犬っていっちゃうよ。

 見た目イケメンなのに。

 

 「いずれ訪れてください。でもその前に瘴気をなんとかしましょう」


 僕は城にいる重症な瘴気患者から順に治していく事に決まり、他の者は僕、特性の清浄の苗を植えて回る。

 苗だけではなく、軽症の者の部屋にはエコプラントの観葉植物にもなる種を植木鉢に植えて成長を促進させてやる。

 それだけやるのに三日はかかった。


 後は城下町だが、流石に僕一人で患者を全員を見るのは無理なので、申し訳ないが、清浄の苗を植えて成長を促進させることを優先させてもらう事になった。

 これは城の兵士を動員しておこなったので、僕は植えた先にいどうしては、成長を促進させる簡単なお仕事と思いきや、結構街は広く歩き回るだけで一苦労も二苦労もした。

 

 それだけでも大分、王都の空気はよくなるはずだ。

 僕の苦労も無駄じゃないよ。

 でも王様が一番はたらいてるよね。

 一応は僕はエデンの王だよね。

 僕しかできないからがんばるけれども。

 それにポチ、クロ、シロも後ろからちゃんと護衛としてついて来てくれているし、魔王のブレニンが護衛としてつけてくれた騎士さんもいるから身の危険はない。

 むしろ、魔王ブレニンがつけた騎士達は監視の役目もあるのだろうけど。

 街の人たちも何事かと見物人が清浄の苗を植えて成長を促進させていると「おおっ」と歓声が上がって、まるで見世物のようだ。

 そこのおばあちゃん僕に拝んでもご利益はないよ。

 世界樹パワーはあるけどね。

 

 「よっと、これで最後かな」


 最後の清浄の苗を植えて成長を促進をさせて終える。

 大分、よどんでいた空気もキレイにどんどんなっていく事だろう。

 後は、魔王に報告して、妖精を解放して、国交を開こうじゃないか。

 交易品は鉱物に食物と色々あるからなぁ、逆に何を輸入すべきなんだろうか?

 工芸品とか?魔族領にしかないものってなんだろうか?

 嗜好品とかが、エデンにはないかもしれない。

 でもお酒もエデンで作れるしなぁ。

 そうだ、この土地由来の植物とかでいいかも。

 あっでも原因の悪魔探しが残ってる。

 でもこれは約束してないし、ほんとにいるかもわからん。

 すでに、内の山羊人とか羊人とか悪魔っぽいけど。

 魔族の人も悪魔っぽいです。

 人よりだけど。

 ゲーム内では悪魔と言えばつるっとした紫色の肌で翼があって、額から2本の角に手にはピッチホークみたいな槍、尖った尻尾があるやつだからなぁ。

 取り敢えずは、魔王と会談してから、決めればいいか?

 考え事をしながら僕たちは魔王が待つ城へと帰ったのだった。


 「よくやってくれた、ユキ殿、これで我々も助かるわけだ」

 

 「しかし、原因の究明もひつようです、陛下」


 おっと、辺境伯にはそういえば話していたんだ。

 流石に探すまでは無理だよ。


 「ふむ、原因か。なにか心当たりでもある者はいるか?」


 しょうがない、試しに聞いてみるか。


 「最近になって大嵐が起きた地域はありませんか?、もしくは最初に植物が枯れた報告などはありませんでしたか?」


 「ガンズレー、そのような地域はあったか?」


 「たしかに、2、3年前に西の直轄の領地で作物が育たず、減税した領がございましたな」


 多分そこだな、悪魔がいるとしたら、しかし、瘴気もでも僕たちの転移と同じく連れてきたのでは、僕たちにも責任が………あるかな?

 ないといいな。

 どうか、僕が見たこと無い悪魔かたまたま別の要因での瘴気でありますように。


 「そこに原因あるとユキ殿は思うわけか?」


 「我々の土地にも数百年前にあったと言われています」


 僕が眠って300年たってるらしいから嘘ではないよ。

 体験したことはあるけど。

 ゲーム内ではね。


 「ここは、ユキ殿の言う通り一度、兵を送り込んで調査すべきではないでしょか?」


 辺境伯の言う通り事前の下調べは重要だよね。

 ほんとにいたら戦闘になるかもだから、兵士さん達も必要になる。


 「それにユキ殿が言うには、伝説上の悪魔が関わっている可能性もありえます」


 辺境伯ー!確かに言いましたけど、ここで言っちゃうと僕まで行く事になりかねないですけど。

 そろそろ帰ってアウラに会いたい。


 「悪魔か、たしかに此度の瘴気の一件では前代未聞の事態にまで発展してしまった。悪魔でもありえるかもしれんな。アデイン!一応軍も動かせる用意だけはしておけ」


 「はっ!畏まりました。」


 「それと、ユキ殿にはできれば調査隊に加わって欲しいのだが、お願いできないだろうか?」


 はい、やっぱり来たよ。


 「もし、悪魔がいた場合はこの清めの水を使えば追い払うことはできます。私は恥ずかしながら戦闘には不向きでして」

 

 だから調査とか行かせないで、もう返して下さい。


 「そういわずに、頼む。この件に関してはユキ殿が一番詳しそうだしな」


 「??前はユキ様が追い払って作物を守ってませんでしたっけ?」


 シロー!お前まで余計な事いうな!ほらみろ、魔王の目がこっちにぎらついてるじゃないか!


 「ほほう、ユキ殿は経験がおありのようでだな、それでは、余計にお願いしたい。なに、国交が始まれば、そちらが有利になるように計らおうじゃないか」


 国交って言ってもほとんど、エデンは自前で大概の物は生産できるから特に思いついてないのに、一度そちらの目録をみて、持ち帰ってから決めたいのに。

 くそ、こうなったら、先に妖精さんだけでも先に解放してもらおう。

 

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