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32話

 「なんで、ひゆようなのかな?」


 フラグ回収しようとするポチに思わず噛んじゃったじゃないか。


 「はい、なんでもオークキングと言われる種がいるそうで、一度見てみたいとのこと、またできれば腕試しをしたいそうです」


 えっ、うちのオークは脳筋なの?なんで厄介な事をしたがるかなぁ。


 「勝算はあるの、それ」


 「大丈夫かと思います、うちのオーク達より野良のほうが弱かったですし、キングといえでも大したことは、ないとおもいます。一応、クロとシロも連れていく予定ですので御屋形様の安全も大丈夫です。」


 予定って、もう組み込んでるのね。

 しかも僕も行く事になってるし。

 うちの子達は好奇心旺盛なのかな、いいや、基本脳筋な気がしてきたよ。


 「わかった。一応辺境伯にも少し外す旨を伝えておくよ」


☆★☆


 それから、夜にポチ達についてオークの巣を探すことになったけど、ポチの鼻がいいのか、すぐに見つかった。

 其処には、オークの集落が見つかった。どのオークも内のオークに見劣りするけど、一体だけ内のオークと見た目が近いものがいた。てか、うちの豚人オークとあんまりかわらない。

 もっと言えば少しだけ、内の豚人オークの方が体格がいい気がする。


 「どうするの、この数相手に挑む気なの」


 ざっとみただけでも50匹ほどはいるけども。


 「このぐらいならすぐに片が付きますので御屋形様はみていてください」


 そういうやいなや、ポチ、クロ、シロの蹂躙が始まった。あっという間にキングさんだけになってしまった。

 ほんとこの三人強すぎないない?僕が来る必要あったの?


 「グルル、なぜワレだけを殺さない?」


 オークキングと思わしきオークも不思議に思っているようだ?

 ポチが近づきかたりかける。


 「貴様がオークキングか?」


 「我こそがキングだ、貴様らは冒険者か?」


 「違う、わが庭園の豚人オークとの違いを確かめに来ただけだ。が、どうもはずれのようだ、我々の豚人オーク達のほうが強いからな」


 「まさか、オークエンペラーがいるのか?」


 エンペラー?キングの上にまだ、上位種がいるのかぁ、そっかぁ、内の豚人(オーク)さん達はみんなエンペラーなの?よくまとまっているね。

 意味わかんない。


 「そうだ、そしてわれわれの配下にある。その主こそがここにいる御屋形様だ」


 「エンペラーを配下にしているのか!?それならば、その強さもなっとくがいく。我をどうするつもりだ」


 「主、とりあえずこいつ連れて帰っていい?」


 クロよ、拾った犬みたいに言うんじゃないよ。

 てか、こいつ以外ほぼ全滅じゃないか。

 ちょっとかわいそうになってきたから、うちで面倒を見るのはいいけど、辺境伯になんて言おう。


 「僕たちがまた、訪れるまで人を襲わないと誓うなら、こちらで保護?まぁ家の庭園に連れて行ってもいいけど」


 「それでしたら、私がこの者達を連れて帰ります」


 と山羊ゴートニュートさん。

 確かに、今から魔王に会うのにオークを連れて行くのはよろしくない。


 「任せてもいいかな」


 「はい、お任せください」


 こうして、野良のオークキング君と生き残りのオーク達は僕の庭園のドナドナが決定した。

 てか、内の存在が完全にばれたら、僕のほうが魔王とか邪神扱いされないかな?結構な数の一般てきに言うモンスターがいるけど。

 大丈夫だろうか?


☆★☆


 野営地に戻り僕は辺境伯にと少し話をしてみた。


 「つかの事を伺いますが、モンスターを手懐ける人もいるのですか?」


 「一応は、いるな。モンスターテイマーと言われている。ユキ殿もそうではないのか?あの黒いユニコーンなど、よくユキ殿になついているではないか」


 おっと、そういえば、アオはモンスター扱いの騎獣だった。


 「そ、そうなんですけど、例えば、オークキングとかをテイムしたりできるのかって思いまして」


 「それは、聞いたことがないな。キングなどの上位種はプライドも高く最後まで人間の言うことは聞かんからな」


 あれ?結構あっさり、したがったけど?これはあまり口外しない方がよさそうだ。


 「そうなんですね。もし、仮にできとしたら、どうなるんでしょうね?」


 「脅威に思われて討伐対象になるかもしれないな、そのテイマー共々。オークキングは、それより下位種のオークを配下にできるからな、それこそほおっておけば、軍団単位でのオークキングもいる。噂によるとキングよりもさらに上位種もいると言われている。まぁ、これは、おとぎ話ではあるとおもうがな。」


 マジか!?うちにはモンスターだらけになってますけど、危険認定確実じゃないですか。

 しかもたぶんおとぎ話でなくて、実際にエンペラーが居る事がほぼ確定してるんだけど、それも何十人も。

 ヤダ、マジで気を付けよう。


 それからは、順調に王都までたどり着いた。

 取り敢えずは、王都に辺境伯の屋敷に着いて、辺境伯は魔王との取次に出て行った。

 魔王との謁見には次の日にと急遽決まった。

 それだけ、魔王サイドも瘴気に悩まされているのだろう。

 さてどうやって、交渉しよう?僕には、そんな高度な話術なんてできない。

 辺境伯みたいに人を見てから決める?

 いや、辺境伯が前触れとして、すでに魔王にあっているから、ある程度は話を聞いているはずだ。

 変に交渉するより、ここは正直に言っておこう。

 後は、僕たちの住む大森林に来ないでねって伝えておけばいいかな?

 モンスターだらけだしね。


 一応、辺境伯にも相談してみようかな。

 僕は辺境伯の執務室まできてドアをノックした。


 「入れ」


 「失礼しまーす」


 「これは、ユキ殿どうなされた?」


 「明日の事でちょっと伺いたいんですが、魔王様に話してみてどうでしたか?」


 「最初は未だ、半信半疑なよようだが実際に私もこの目で見てないと疑わしいものだからな。妻がああでなければ、ユキ殿と会う事もなかったかもしれん。実は魔王様自身も瘴気に侵されている。とはいえ、そこまでまだ、重症ではないので、政務に支障はきたされていないが、配下の者がすでに瘴気で亡くなっている。そのことからも、わしの話も信じてくれたのだろう」


 「じゃあ、特に心配事はありませんかね?」


 「ああ、大丈夫なはずだ。魔王様も私と同じで藁にも縋るおもいのはずだからな。ユキ殿のおかげ瘴気を取り除くが無事にできたなら、魔王様もユキ殿の要求を飲まれるはずだ」


 うーん、じゃあ心配せずにいいのかな?


 「ああ、それと明日は謁見室ではなく魔王様と数名の者だけが会う予定になっている、いきなりの訪問立ったためもああるが事が事だけに慎重に運ばれなければならないからな。」


 翌日、僕はついに魔王とご対面の時を迎えようとしていたが、そこでふと、気づいてしまった。

 ヤバイ、礼儀作法とかしらないや。

 日本方式で許してもらえるかな?今回は非公式の会談みたいなものだよね?だったら別に軽くでだいじょぶかな?

 こっちも僕は自分のファームの村長?いや、精霊達は王だと言ってくれたのだから、堂々としておこう。

 ただ、僕の堂々は威厳なんかないけど。

 まぁ何とかなるようになるでしょ。


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