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29話

今回もみじかい…ort

 砦の建設から約1か月が過ぎた。

 未だに砦とはいえないけれど、まだまだ発展途上中の村って感じかな。

 僕も勿論手伝っているが、たまに頑張りすぎて、木材にする予定の木を仲間のトレントに変えてしまったりして、かわいそうだから伐採できずに村の警備にあたってもらったり、時には僕の庭園に移動してもらっている。

 森の中では部下が作り放題なんだけど、うまく力をコントロールしないと。

 それこそこの森全てがトレントになると大惨事にもなりかねない。

 それでもいいこともある、トレントさん達には森のあちこちに移動してもらい警戒網を敷いてもらっているのでそうやすやすと潜入されることもないだろうし。


 使者については、僕も同行することに決まった。

 これにはひと悶着あったが潜入組から聞いた話では治安悪くないとの事、むしろ病人が多くてそれどころではないようだ。

 魔王城でも広く人材を集めて瘴気を研究しているとかで市井にもそんな噂があるそうだ。

 「パパと一緒にアウラも行く!」

 とか言って留守番を説得するのが一番大変だった。

 それでも僕と一緒に居たいという気持ちがうれしくてつれ行こうかと思ったぐらい可愛いかったのだ。


 使者として代表はもちろん僕。

 後はポチ、クロ、シロの4人に潜入組から地理的なことにも必要なので数名について来てもらうのだ。

 この森からでて馬で3日ほどの距離にまず魔族の村があるらしいのでそこから順に王都まで行く予定。

 乗馬はゲームの中でしかしたことが無かったけど、実際にアオ(黒いユニコーン)に乗るとすんなりと乗ることができたので、ゲーム内でやっていたことは何となくできると感じている。

 いまではゲーム内でできなかったことまでできるようになってるけど。


☆★☆


 「いやー、御屋形様との散歩も久しぶりですね」


 「ホントホント、久しぶりだよね~」


 「確かに後ろからつけて旦那様を見つめるのがひさしぶりです」


 ポチ、クロ、シロの三人が言ってるけど、散歩じゃないからね!今から交渉アンド魔族の人を救ってあげる予定なんだよ。しかも泊りがけの散歩なんてないから、むしろ旅してるからね!

 あと、シロよゲームないでは、後をついて来て散歩に出かけてたけど、後をつけて来てたの!? 

 ストーカーかよ!相変わらず残念さんだ。


 道のりとしては順調よく過ぎ、3日目には最初の村についた。

 が、村の入り口には誰もおらず、人気が感じられずにそのまま入ったが人か出てくる気配がないので、近くの民家をノックしてから、扉越しに語り掛けてみた。


 「こんにちは旅の者ですが、村長さん宅はどこでしょうか?」


 「………」


 反応はないが、確かに人がいるような気配がした。


 「すみませーん、開けますよー。っ!!」


 扉を開けると魔族の人が倒れていた、山羊さんとにた種族なので間違いないだろう、すぐに近づき体調を確認すると、潜入した人達より症状がかなりひどい。

 すぐに胸に手をかざして瘴気を取り込み清浄なものに変換する。

 劇的に息苦しさが取れてはいるが、衰弱がひどい。


 「みんな、すぐに村の広場に患者を集めて、あと清浄の苗も村の周りに配置するんだ!」


 どうも、この村には50人程はいたようだが助けられたのは32人。

 小さな開墾村だったようだ。

 後は、僕が見たときにはすでにこと切れていた。

 でも、生き残った人たちの為に今はやるべき事をしてあげよう。

 まずは炊き出しからみんなで準備を始めた。

 脱水症状もひどいのでスープを作る。もちろん庭園で取れた物で作るから栄養も満点だからきっとすぐに良くなるはず。

 こんな時こそ役に立てよ僕の中の世界樹の謎パワー!!庭園産は僕がいた土地だから他とは違うはず!

 僕も介抱に動く、代表だからと動かないわけにはいかない。

 すでに人の手は足りてないのだから。

 僕は近くにいた小さな男の子の介抱をしていた。


 「大丈夫、ゆっくり飲むんだよ。」


 男の子は何もしゃべらずに僕がスプーンですくったスープを咀嚼するようにゆっくりと飲ませたいたら、途中で眠くなったのか首が船をこぎ始めたので、ゆっくりと寝かしつけてあげた。


 何人かの大人達も意識を取り戻している。

 よかった、少しでも助ける事ができて。


 「この村の村長さんか代表の方はいますか?」


 僕がそう問いかけるとみんなの視線が一人の青年に向けられていた。


 「あなたが村長さん?」


 「いや、違う。俺はこの村の自警団の団長をやっているもので、村長はもうこの村にはいない」


 最悪のパターンかな?村長がいないということは、最終的に意思決定できるものがいないことになる。

 このまま放置するわけにもいかないしどうしよう?僕が悩んでいるのを見て何か不味いと思ったのか青年が口を開く。


 「あなた方のおかげで我々は救われました、本当にありがとうございます。この村には金銭的にも余裕がありません。誰かお気に入り召したものが居たら奴隷として差し上げれるしかありません。できれば私であれば、労働力としても申し分なく働けるはずです。助けて頂いた上に勝手ではありますが、どうか他の者はご容赦をお願いします」


 「いやいや、奴隷とかいらないから!」


 てか、奴隷ってこの世界にはまだ残ってるんかい!地球でもあったけど人権問題ですよそのワードは!

 しかしながら、開墾村から人がさらに減ったら困るだろうにこの青年はきっと優しい人なんだね。


 「しかし、他に返すものがありません。」


 「僕たちは、この国の魔王様と直接交渉して瘴気をどうにかするためにきたので、交渉のいい例がこの村で作れたのはこちらとしても都合がよいのです。ですからお気になさらずに。できれば少しこの村に留まり皆さんの経過観察をさしてほしいのと、その間この村に滞在しますね」


 ここは無理にでもこの流れで押し切ろう!奴隷とかいらないからね!




 滞在から3日目もすると全員の体も回復してきている。

 村の周りに埋めている清浄の苗木も僕の力で成長を促進したのでもう大体は瘴気の影響もなくなりつつある。

 僕の瘴気のエコプラント計画の実験にもなったし、これで実績は作れたと思っていいはずだ。

 もう1週間か2週間したら村の人の体力も回復するだろうし、食料の援助もしてあげたから大丈夫。

 まぁ、僕の食糧援助は今ある畑に作物を実らせることで済んだ。

 畑を実らせているとこを村のみんなが見ていたらしく、実らせたあとに振り返ったらみんな平伏していて、豊穣の神様扱いされているけどort。

 豊穣の女神は聞くけど豊穣の男神ってどうなんだろうか?


 それにしても、この瘴気はどこからきているのだろうか?

 元を絶たねばいつまでもエコプラントを使わないといけいない、まぁエコプラント自体はあって困るものじゃないからいいんだけどね。


 2週間もたつと村の人たちも元気になって畑作業に着手しはじめた。

 一気に村人が減ったけどなんとかやっていけそうだ。


 王城まではいくつかの村や町にも向かう予定をしているけど、この分では当分は王城までたどりつけそうにないなぁ。

 でも早めに行動していかなければならないし、野営する場所にも清浄の木をどんどん植えて行くようにしていこう。

 そうと決まれば、名残り惜しいがこの第一の村ともおさらばだね。

 出立の日には村人のみんなが集まって見送ってくれた。

 なぜか拝まれいたような気もするけど、そこはきっと感謝してくれているに違いない、どうか変な宗教とかになりませんようにと僕も逆に拝んでおいた。


 そうやっていくつかの村を助けて回っている内についに少し大きな町にようやくたどり着いた。

 町になるとしっかりとした城壁があり、門番とし顔色が少し悪い兵士さんがいた。

 ここに着くまでにある程度の薬草茶で緩和しながら生きながらえていた村もあったので、貧困層や開拓村の人達にはなかなか薬草まで手がでないことがわかっている。

 門には数は少ないが行商人風の人もいるので、僕たちも行商に来たことにしておけばすんなり通してもらえそうだ。


文才がある人ってすごいなぁと素人ながら思っております。こんな作品でも読んでくれている方に感謝です!!

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