28話
とりあえずの会議?が終わったので、僕はアウラ達の居る部屋に向かう。
廊下には分けの分からないオブジェクトが所狭しと並んでいる。
景観を気にしていたら、全てのオブジェクトをコンプできなかったからだ。
こうやって見るとカオスな感じで、刀の横に西洋でいうランスが飾りつけてあったり、使えるのかわからない猟銃があったりしているし、絵画、謎のツボ、西洋の剣、ドラゴンの置物等々。
現実にみると『これはないわ』と、思える。
配置に拘るべきだったのか、景観をきにすると置けないものがあるし、宝物庫でもいっその事建てようかな。
そんなことを考えていたら1階のリビングについて、アウラ達が楽しそうに話しながらミントが作った軽食を食べながらいた。
その様子を眺めながら近づいていいくと、アウラがこちらに気づいた。
「パパだ!お話終わったの?」
僕に会えてうれしいのか眩しぐらいの笑顔でこちらに走って抱き着いて来た。
お口の周りにたくさんのアップルパイの残骸をつけたままの突進!でもそれぐらいでは、僕は怒らない、これが他の奴だったら怒ってると思うけど。
「一応はね、でもまた後で話し合わないといけないから今は休憩かな」
そういつつ、そそくさとミントが持ってきてくれたハンカチでアウラの口の周りをふいてあげる。
何も言わず動けるミントさんはやはり有能ですね。
残念美人のシロも突撃しそうになってたけど軽くミントに捕まってた…ミントさん恐るべし。
「ご主人さまの分もすぐに用意いたしますので、お待ちください」
ミントはそう言って、すぐに僕の分のアップルパイをもってきてくれた。
パイはサクサクでリンゴの甘味が引き出されていておいしく、食後のハーブティーも飲んで落ち着いたひと時をすごせた。
この後に本格的にクロとシロも混ぜて会議にでなければ、先に進めない。
何よりこの世界ってみんな争いばっかしてるみたいで、しっかりと状況を見極めないと、うちの妖精さんが危ないし、ここもいつ発見されるかわからないからなんとかしないといけない。
今は各洞窟のカモフラージュに警戒としてミノタウロスとかした元牛さんたちに僕が鍛冶で作った斧と言っても木こりさんが使うような物だけどないよりましと思い装備してもらって門番をしてもらっている。
その後の会議でもやはり、潜入してもらってる山羊さんと羊さんがもどって来るのを待つことになった。
それから1週間したら戻ってきた、数人が瘴気に毒されいた。
彼らは呼吸が酷いものもいて『ヒューヒュー』とまるで肺から空気が抜き出ているみたいな様子、僕はすぐに世界樹の力で何とかできないか手をかざしてみるが力がうまく発動できなかった。
彼らには、薬草茶を飲ませて一先ず休ませることになった。
薬草も僕の力で大分効能が上がっているはずだから、延命処置にはなるだろう。
世界樹の力が何故に働かなかったのかを考えてみる。
世界樹とは世界をキレイにできる力があると思っていた。
それこそ現代に例えるなら環境破壊も何のそので、空気汚染だって、水質汚染だって清められのだと思っていたのに、ただ僕が存在してるだけでいいと思っていた。
この世界には魔法が存在してるはずだから、世界樹の魔法を考えてみると、やはり清める事、生命を育むことに特化していると考えるのが妥当だと思える。
でなければ、アウラは何故助けられたのだろうか?植物系のモンスターだからだけではないように思える。
アウラウネは通常下半身が花びらで覆われおり、その下の根っこで移動するものだがアウラに関しては、人間と同じ二本の足がある。これはもうすでに進化していると言っても言いだろう。
僕はあの時どんなイメージでアウラを助けようと思って行動したのかを改めて考えなおしてみると、生れたばかりの少女を助けたいと強く願った、そうまるで人間の少女のように。
実際にはアウラは、まだ少女というよりまだまだ幼女感があるけれど。
世界樹のもう一つの特性なのかもしれない、清め、育み、新たな命を誕生させることが世界樹にはできるのかもしれない。
だとすれば、今回帰って来た、潜入組は清めが必要だ。
きっと僕のイメージがたりないのかもしれない、植物は二酸化炭素から酸素を生み出すのだから、世界樹のちからなら瘴気からでも清めていけるかもしれない。
思い立った僕はすぐに行動に移すべく、瘴気にやられている山羊さん羊さんの所に向かった。
其処には潜入に参加していなかった、山羊さんと羊さんが瘴気に侵されている者を看病している人でいっぱいだった。みんなやはり心配そうな表情でいた。
「主様この様なところに来て、主様のお体に何かあっては大変です、ここは我々、山羊人、羊人だけで看病しておりますので、お任せください。主様から頂いた薬草茶も効果あるようですので」
一人の山羊さんが言ってきたが、その表情はすぐれないで悲しそうな顔をしていた。
「大丈夫、僕に考えがあってここに来たんだ。だから心配ないよ」
できるだけ優しく語りかけた。
僕は一人の重症な者の胸に手を置いてイメージする、まずは、瘴気を僕の体内に吸収して清めて吐き出すイメージで集中した。
手に集中してるいと何か違和感を感じる物がある。
それを掌から吸い取りだして…
「って、マズイ!!」
思わず叫んでしまうほど、なんか想像してたの違う、空気が不味い、しかもにがい。
なにこの変な空気の不味さは‼でもこのまま吐き出したらそのまま瘴気が出そうだから我慢しなくちゃ。
空気って匂うものでは?臭いとかじゃなくてほんと不味いよ。空気食べる感じって、僕だけじゃないかな。
この不味いのをなんとかきれいに浄化、浄化っと。
すると、僕の中での空気の不味さがなくなっていく。
僕自身もゆっくりと呼吸をすると、患者の寝息も息苦しさが取れているみたいに見えた。
てか、治ったのでは??
それを見ていたみんなが騒ぎ出したが僕はそれどころではない、これでみんなを治せると確信したからだ。
そう、僕がこの不味い瘴気を我慢して食べて浄化できることが分かったのだから、僕は急いで次々に不味さを我慢しながら全員を治していった。
しかしながら、これで瘴気を清浄にすることは分かったが僕一人では限界がある、なにか手がないかと考えていると、エコプラントという考えが浮かんだ、たしか、観葉植物などで空気の清浄効果が高い植物を部屋に置くというやつだ。
その種子や苗木に僕の力を注ぎこめば、瘴気を清浄してくれる植物ができるのでは?
確か庭園にも何種類か植えていたはず、とりあえず軟膏としても使える、アロエにするか?それともドラセナ?サンスベリアがいいかな?まずは苗をゲットしてから試してみよう。
これが成功すればもう不味い空気を食べなくて済むし、他にも色々と応用ができる。
☆★☆
「と、言うことがあったんだよ」
「なにを勝手に動いてんだよ‼」
とはグランの言。
いつも知的な感じなのに何故に激オコなの?ホァイ?
「あなたは、ここの主ですよ、もし何かあってからでは遅いのですよ!」
眼鏡があったらクイっと持ち上げそうな雰囲気でいわれてもなぁ。
「結果的にはうまくいったんだから大丈夫だって」
「結果ではなくなんの相談もなく動いたのが問題だぞ」
と、ドーガはやっぱり僕に厳しいようです。
「まあまあみなさん、そんなに御屋形様をせめないでください。これで魔族の国にも使者を送って前に進めるかもしれません」
おお、ナイスフォローだよポチ。
瘴気を清浄する植物の苗の実験は無事に成功しているし、僕の世界樹の力は本物だと実証されたも当然と言える。これで食糧問題、も解決できるから、ドワーフの国とも交渉できるかも。
ドワーフの国は鉱山が多いみたいで、作物があまり育ちにくい土地っぽいみたいだし。
温厚そうなイメージエルフさんたちは怖かったけど。そのうち仲直りできればいいなと思いますです。
あとは、獣人の国がどうなっているかわからないからそこも調査してもらわないといけないけど。
「とりあえずは、魔族の国と接触してみようと思おうんだ、瘴気に苦しんでるならこちらの話は聞いてくれるはずだから」
「でも、あるじぃー、こちらもなんか要求しとかないと変に勘繰られて警戒されるかもよ。ただほど怖いものはないっていうじゃん」
クロの言うことももっともだけど、そこはほら、同盟組むとか交易しましょうとか…交易しなくても自分たちの庭園だけで充分まかなえているけどもね。
「同盟が一番手堅いのはないですか?でもこちらの戦力と向こうの戦力差がいまだにわかりませんし、それに同盟と言っても他の国と戦争状態ですとこちらが逆に損をしますし」
む、確かにシロが言うとおり、なんかこの世界の人たち仲がよろしく無い感じみたいだから気を付けないとこちらが巻き込まれるの嫌だなぁ。
「同盟というより国交だけでもつなげて、貿易で取引してから考えたほうがいいかもしれません。我々は完全な中立な立場に今現在はあるのですから」
ミントさんの意見に賛成かな。
「よし、とりあえずはこの場所自体はばれてないだろうから、偽造で外に村なり砦なりを作っておこう。この場所をいいように利用されるのは僕も嫌だしね。魔族の困っている人たちには悪いけどまずは、自分たちの安全確保が優先だね、その後に使者を送ってその贈り物に瘴気清浄の苗を最初はプレゼントしよう」




