27話
めっちゃ短いです
僕が平和的解決方法を考えたのになぜか会議に参加する、ドーガ、グラン、ポチの3人にため息をつかれた。
なぜ?
「いいですか、エルドラードに行かれる時も言ったと思いますが、ユキ様はエデンの王です。危険とわかっている所へ、王を行かせる訳には行かないのです」
「でも、王って言ったって、城に住んでるわけでもないし、エデンのみんなは家族みたいもんじゃん」
王様イコールお城の玉座で、ふんぞり返るみたいなイメージですよ。
民からの税金で好きなものを食べて、中年太りして、鼻の下には立派なおひげ。
お腹の出っ張りを隠すために、白いファーが付いた赤いマントを羽織る。
そして、勇者に『旅の資金にするとよい』とか言って、100Gぐらいあげるんだ。
勇者はそれで、心の中で王様を罵倒する。
ケチか!ここの王様はケチだ!と思われるんだよ。
そんな王様になれというのか!
「ユキ様の王様像っていったい……」
「そんな王がいるものか!」
「お館様は王でなく、やはりお館様のままでいいのでしょう!」
順にグラン、ドーガ、ポチ。
2人呆れているが、ポチは僕の味方につけそうだね。
ここはポチを僕陣営に引き込んで、2対2の状況に持ち込んで、なんとか僕も魔族の国に旅行……いや、視察?
えっと…潜入!
アンド平和的解決!
アンド魔族の女王を見てみたい!
サキュバスなら、チラ見して隙あらばガン見する!
いや、紳士だからガン見は良くないな。
でも相手に不快な思いをさせなければ、紳士としては、セーフ……かな。
よし!ポチを味方につけて交渉といこうじゃないか!
「王様になると、エデンのみんなと触れ合う時間も無くなるのは寂しいよ。だから、僕は僕のままで、みんなと居たいんだ。それにこの世界の住人なら魔族だろうと手を取り合えるはずだよ!ポチなら僕の気持ちわかるよね?」
「お館様の優しさに感動しました。ポチはいつでもお館様の味方です!任せてください!お館様が悲しまなくていいように、全てポチが片付けてまいりましょう!魔族の事でお館様がお悩みになるのなら、原因の魔族など、この世から存在の痕跡すら残さず、元からいなかったようにして見せましょう!」
あれ?味方にするはずが、狂信者を生み出してしまったかな。
味方の見方が変わりました。
やっぱりいらないです。
ポチよ、チョロイを通り過ぎてもはや、厄介だよアンタ。
「ポチ君ってユキ様に関してはチョロイよね」
「グラン殿、チョロイのではない。これは忠誠というのです!」
「忠誠は何でもかんでもユキに対して同意する事ではない。甘やかしてはユキの為にもならんぞ」
グランはわかってないなぁ、ポチはチョロくないよ。
厄介な人です。
さっき確定しましたので。
後、ドーガは僕に対してはいつも厳しいな。
「それに、いいですかユキ様。変わらない事がいい事とは限りません。我々はこの世界にいるのですから変わらなければいけない事の方が多いのです。ユキ様の優しさは時に毒にもなるのです。厳しいようですがユキ様にはエデンの王として変わっていかなければなりません」
グランのいう事は正論だと思うけど、正論ばっかり言う奴は嫌われるよ。
たまには横道にそれて人生という名所を観光していきたい。
走りすぎては景観を楽しめないじゃないか。
「生き急ぐ必要はないが、ユキは本分からすぐ離れるからな。安心しろ、すぐに我らが引き戻してやる」
ドーガさん、すぐに引き戻さないでください。
どうせ引き戻すなら穏やかに引き戻してください。
ドーガは乱暴そうだから、丁寧にお願いします。
安心できません。
痛いの嫌なの。
僕はできるだけ、穏やかに生き、たまにドキドキするような冒険を少し、かじればいいのです。
TVゲームでさえ、のほほーんと出来るゲームしかほとんどやってこなかったのに。
後、心の中を読んだな?
「ユキ自身の能力もしっかり把握できていない今、危険な事は、なるべく避けるべきでしょうね」
確かに自分が何ができるのかわからないけど、僕自身が世界樹なら癒しの効果はかなり高いはず、瘴気も気にならないかもしれないし、浄化できるかもしれない。てか、僕って自然界のいや、植物界の王みたいなもの?葉っぱで死者もよみがえるかな?生えてないけど。あとは雫とかで全回復!でも乙女の涙ならわかるけど僕の涙はちょっと嫌かな?
「今日は、ここまでにしよう。女性陣がいないし、勝手に決めすぎるのもよくないしね」
グランのその一言で会議やっと終了になった。
確かに今は、僕たち4人しかいないしね。
僕もアウラとアップルパイ食べたい。
残ってるかな?




