旅立ち
目を覚ますと、ヴァルキリアは横にいなかった。
夢だったのだろうかと思いつつ、僕は伸びをする。
すると、ジャガイモの匂いが漂ってくる。いつもより軽い身体を起こして、僕はキッチンの方へとむかった。
「おはようございます」
ヴァルキリアはニッコリと微笑んだ。
思えば、昨日からずっとニコニコしている。本当に笑顔の絶えない人だ。僕の方も幸せな気分になるようだ。僕には、彼女の笑顔にはそんな力があるように思えた。
「おはよう」
まだ少し眠気が残っていた僕は、椅子に座った。
少しの間ボンヤリとヴァルキリアの方を眺めている。
すると、女性に仕事をさせて自分はなにもしないというのはどうなのか。という思いが湧いて来たので僕は外で薪を割ることにした。
まだ春の初めの少し肌寒い空気が頬を刺す。外の空気を吸うと僕の眠気も冷める。斧で薪を割っていく。これは僕がいつもやっていることだった。ある程度の量を割ってから、僕は家の中に戻ることにした。
家の中では、ちょうど料理ができていたようだ。定番のジャガイモ、ライ麦パンと共に見たことがないものがあった。
「これは…?」
僕は呻くような声を出していた。
それは干し肉のようであるがそれにしては赤みがかっていて、まるで生肉のようだ。
生肉を食べる習慣がヴァルキリアにはあったのか?などという疑問を浮かべていると、
「それは、生ハムです。あなたの好物だったんですよ」
ヴァルキリアが僕の方を見て答えた。
「生ハム…」
僕はそれを手でつまんで口へと運ぶ。口に含むと、塩のしょっぱさが一瞬にして口全体に広まる。それを追うようにして、肉の風味が舌に広がってゆく。くせになる味だ。
「おいしい…」
僕がそう言うと、ヴァルキリアも生ハムをナイフとフォークで器用に丸め、口へと運ぶ。その動作はまるで貴族のようであった。
僕がその姿に見とれていると、
「食べなのですか?」
彼女は不思議そうに問いかけてきた。
「た、食べます!」
何故か恥ずかしさを感じた僕は、マナーも忘れ、無心に料理を頬張っていった。
ジャガイモのふかし加減も完璧だった。朝はパン一つの日も珍しくはなかった僕にとって、この日の食事は豪華なものだった。
もしかしたら食事の量も計算済みなのだろうか?僕が食べ終わると同時に満腹感が襲ってくる。
食事が終わると、食器を片付けると言うので、次は僕も手伝うと告げた。
「ありがとうございます」
彼女の笑顔に、なんだか僕は照れてしまった。
片付けも終わり、椅子に座っているとあることを思い出した。
魔法学園についてである。何度も忘れかけていたが、僕は魔法学園から入学許可をもらっている。ちなみに今日は4月2日である。入学するならば4月9日までにヴェルダルの街まで行かなくてはならない。まあ、入学しないという選択肢が僕にあるのかすら怪しいのだが。知らない方法で手紙を送り込んでくるような所から、逃げられる気はしなかった。
ちなみに、ここからヴェルダルの街までは徒歩で5日、雨などで足場が悪ければ7日ほどを要する。出発するならば、今日の内にでも旅立たなくてはならない。
僕は心の中で考えていたことをヴァルキリアに尋ねた。
「ねえ、ヴァルキリア」
「はい?どうかしましたか?」
ヴァルキリアの返答を聞いてしばらくしてから僕は重い口を開いた。
「僕は魔法学園に入学するべきなのかな?」
ヴァルキリアは少しの間黙ってから言った。
「そうですね。魔法学園に居た方が残り5人を見つけやすいと思いますよ」
今の発言から、どうやら残り5人の僕の妻だという人たちを探すのは確定しているらしい。
まあ、僕自身、その話は気になるので探したいとは思っていたのだが。
それと共に僕の頭にはある疑問が浮かび上がる。
ヴァルキリアはどうして僕の居場所がわかったのだろうか?
「ヴァルキリアはどうして僕の居場所がわかったの?」
「なんとなく、です」
彼女はニコニコしながら即答した。
うん。全くわからない。
ヴァルキリアの言葉に僕の方まで笑顔になってしまいそうだ。それに、ヴァルキリアは続けた。
「私は元々、アーラント帝国まで飛ばされていました。しばらくは森の中で過ごしていたのですが、ある時、あなたの声が聞こえたような気がして、ここまで導かれてきたのです」
彼女は誇らしげに語った。ここまで来るのに10年以上かかったそうだ。
ちなみに、僕のいるのはミランド公国という所で、アーラント帝国とは反対の位置にある。僕は、彼女の話に胸が熱くなった。
いるかもわからない人のためにずっと探し歩くなんて…。健気過ぎではないか?
「こうしてまた巡り会えたので私は良かったと思っていますよ」
僕の心境を察してか、彼女は微笑みながら言うのだった。
彼女の言葉に僕は言葉を詰まらせてしまった。
というのも僕自身、彼女の探していた人なのか、まだ少しわからないことがあるからだ。
どこかに、そうでありたい、と思う自分もいる。夢の話を信じるというのならば、僕が彼女の探していたマルクスなのだろう。それは僕にもなんとなくわかっていた。
今に記憶も少しずつ思い出してくるだろうか?
「ありがとう」
なぜだか、僕の口からはその言葉が出た。彼女の一途な心に感動していたのかもしれない。
「当然のことです」
彼女はまた微笑んだ。
そこで、本来の目的を思い出した僕は、ヴァルキリアに告げる。
「それでね、ヴァルキリア。話を戻すけど、僕は今日中にでもここを旅立たなくてはならないんだ」
「はい」
「ヴァルキリアも一緒について来てくれるの?」
「はい」
ヴァルキリアは即答した。
「じゃあ、今日にでもここを出ようか」
「それがいいですね。荷作りなら、私も手伝います」
「うん。ありがとう」
僕の言葉に、ヴァルキリアはまた微笑むのだった。
僕たちはそうして、荷作りを始めた。
と、言っても僕はほとんど物を持っていない。お爺さんが僕にくれた本、少ないお金、着替えが3着くらいなものだった。用意はすぐに終わってしまった。
家も綺麗にしていたので、何も片付ける所はなかった。
しばらくあちらこちら狭い家の中を見て回り、僕たちは外に出た。時間はすっかり昼時だ。
僕は家をマジマジと眺めた。
小さいころからずっと住んでいた家。僕が小さい時から面倒を見てくれていたお爺さん。マナーや読み書き、色々なことを教えてくれた。剣や弓までも。
お爺さんは言った。
「マルクス…。お前さんはお前さんの信じた道を進むんだぞ…。そして、お前さんを大切に思ってくれる人を、絶対に失ってはだめだ」
思い出すその言葉に、僕の胸は熱くなる。
お爺さん。僕は、僕の信じた道を進むよ。最後まで、泣いてばっかりだったけど、守りたい人を守れるような強い男になるからね。だから…
だから今だけは…泣いても許してくれるよね?
僕はその場で涙を流した。今までの自分でもわからない何かが溢れてくる。
住み慣れた場所を離れてしまうのは、こんなにもさみしいことなのか。僕には想像すら出来なかったことだ。
家を出る前までは、なんとも思ってなかったのに。
いつもは見ててもなにも思わないこの家が、今だけは特別なように感じた。
それは、暖かい思い出も、怖い思い出も。すべてはここであったことだからかもしれない。
ヴァルキリアが僕のことを抱きしめた。今日は甲冑をつけていない。魔法の甲冑らしく、小さく収納できるそうだ。いつもは、人の目を避けるために着ていたそうだ。
ヴァルキリアの暖かい胸の中で、僕はすべてが流れ出るてくるように泣いた。
「大丈夫ですよ。これからは私がそばにいますから」
ヴァルキリアは優しく声をかけてくれた。
僕は赤くなった目を擦りならが頷いた。
お爺さん、もう行くね。また、戻ってくるからね。僕のこと、見守っていてね。
僕はお爺さんに、心の中で別れを告げた。
そうして僕とヴァルキリアは家を後にした。
後には古びた木の家が森の片隅にポツリと建っていた。そこは時間が止まったように、静かであった。
歩きながら、僕は何度も涙をこぼしていた。かっこ悪いとは思っていても、どうしてもこぼれてしまった。だが、僕は振り返ったりはしなかった。先に進めなくなってしまうような気がしたからだった。
自分のするべきことが見つかった時、家に戻ってこよう。そう、固く心に誓った。
日没まで歩くと、村が見えてきた。ここの村は僕も何回も来たことがある。よく狩りの獲物を売りに来ていたからだ。
あまり大きくはない村だが、旅人のために宿がある。僕とヴァルキリアはそこに入った。
受付の女将らしき人が現れる。
「お二人かい?」
「はい」
「一泊、銀貨1枚ね」
僕は銀貨を1枚差し出す。
ちなみに、通貨は安い順から、銅貨、銀貨、小金貨、大金貨、となっていて、それぞれ100枚ずつで次の貨幣に変換できる。一般家庭は月に小金貨1枚ほどで生活できるそうだ。
僕は、小金貨1枚、銀貨4枚、銅貨18枚を持っている。すべて、狩りで得た獲物を売って得たものだ。
「ありがとよ」
女将は僕に部屋の鍵を渡した。
「食事は後で部屋まで持って行くよ。食べ終わったら外に出しといてくれ」
「わかりました」
僕たちは部屋へと向かった。
部屋の中は、椅子が二つにテーブルが一つ、ベットが大きいものが一つ、そして魔法のランプが置いてあった。この魔法のランプは1度火を付けると火が消えないという優れもので、民間でもよく使われている。ただ、僕は持っていなかったのだが。まあ、早く寝るから使わなかったのだけれど。
「よっこいしょっと」
ベッドは僕の家のものよりもフカフカで気持ちよかった。
ヴァルキリアも隣に座る。
手と手が触れた。
僕は、ビクリと反応し、手を退かそうかと思ったが、彼女は手を僕の手の上に重ねて来た。ほのかな暖かさが伝わってくる。それは、僕の心を安心させてくれた。少し感傷的になっていた僕の心を癒してくれるようだった。
しばらくすると、食事が運ばれて来た。
魚を焼いたものにジャガイモに羊肉のシチューとライ麦パンというものだ。
「いただきましょう」
ヴァルキリアが言うと、僕も頷いた。
食事を外に出すと、特にすることも無くなってしまった。
なんとなく僕はヴァルキリアに尋ねた。
「明日からどうしようか?」
ヴァルキリアは僕の目を見る。
「そうですね。馬を一頭買えば、大きな街までは1日で行けるかもしれません」
ヴァルキリアの言葉に、僕はハッとした。
馬か。考えてもいなかった。
僕は一応馬に乗れる。お爺さんに教えてもらったからだ。お爺さんは乗馬がとても上手かった。
なので僕は馬を買うことに異論はない。ただ、一つの障害を除けばだが。
「お金がな…」
そう、馬は高い。農作業から交通手段、趣味や食料など幅広く用途がある。少なくとも小金貨1枚はするだろう。ヴェルダルの街まで、少しでもお金は浮かしておきたかった。
「私も持ってますよ?」
ヴァルキリアはキョトンとした顔で言う。
彼女はポーチから、小袋を取り出した。中からは、大金貨が10枚ほど出てきた。
「これは…?」
僕は大金貨なんて見たことがない。
だってお金少ないもんね。
その金の輝きに言葉を失ってしまう。
しばらくその輝きを眺めてから僕は正気に戻った。
「なんで?」
「えっとですね。あなたを探している時に、旅のお金を稼ぐために魔獣を仕留めて、商人に売っていたのです」
彼女の言葉に、僕は耳を疑う。
そんなことまでしてくれていたのか。
僕は感動した。本当に一途な人だと思う。
僕は恐る恐るヴァルキリアに尋ねた。
「使っても、大丈夫なの?」
「はい。あなたも見つかりましたから」
ニコニコと笑顔でヴァルキリアは言う。
いい人だ。悪い虫がつかないようにしよう。僕は心の中でそう誓った。
大金貨があれば、良い馬を買えることだろう。
馬はヴァルキリアの気に入ったものにしよう。
無事に交通手段も見つかり、予想よりも早くヴァンダルの街に着きそうなので、僕は少し気が楽になった。
ベッドに倒れ込んで伸びをする。ヴァルキリアは僕の隣に腰をかけた。
ここまで、少し感傷的になっていたが、僕は明日からのことが楽しみになって来た。
僕は、窓から差し込む日差しで目を覚ました。昨日は特にすることもなく、しばらくヴァルキリアと話した後に眠りについた。もちろん、ヴァルキリアも隣にいる。
彼女はスヤスヤと寝息を立てている。ドキリ、と僕の心臓の音が大きく鳴る。彼女はとても無防備だ。その寝顔に僕は吸い寄せられそうになってしまった。思えば、女性の寝顔を見たのは初めてだ。村にいた4歳の女の子を除けばだが。ヴァルキリアの寝顔は、とても可愛いものだった。彼女は可愛さと美しさを兼ね揃えたような人だ。いつもは、その紅い目のせいもあってか、大人びているように感じる。だが、今の彼女はどこか幼さを残しているような汚れのない表情だった。
ヴァルキリアは幸せそうで、口角が少しだけ上向いている。僕といるのが楽しいのだろうか?僕は嬉しかった。誰かに必要とされていることに。
僕はなぜか最初からヴァルキリアの顔を見て話すことが出来た。なぜなのかはわからない。最初は、男女関係なく人の顔を見て話すのはあまり人と関わりのなかった僕にとっては辛いものだったはずだ。やはり、なにか特別なものがあるのだろうか?僕が、彼女の探している人なのだろうか。そうだと願いたい。彼女といるうちにそう強く思うようになった。まだ、出会ってから2日ほどしかたっていないのだが。
ヴァルキリアが目を覚ました。僕の腕を、ぎゅっと抱きしめてから、
「おはようございます」
彼女は微笑みながら言った。
食堂で朝食を取り、部屋に戻ってくる。
少しベッドに座りながらくつろいでいると、
「あなた。馬は買わないのですか?」
ヴァルキリアが聞いてきた。交通手段のことだろう。出来れば、僕だって馬を買いたい。お爺さんに教えてもらったので乗ることも可能なのだ。だが…
「お金がねぇ…」
そう、馬は高い。用途がたくさんあるからだ。農作業から交通手段、食用から趣味。そうなると、値段も自然に高くなる。小金貨10枚はするはずだ。僕の所持金では手が届かない。
「お金でしたら…」
ヴァルキリアは小さなポーチから小袋を取り出した。そのポーチのなかに甲冑も入っているというのだから驚きだ。ちなみに、甲冑は僕の魔法で小さくできるようにしたらしい。信じられない。僕はどうしてそういうことは夢に見ないのだろうか。まあ、魔法を使っているところを見ても、やり方はわからないのだが。
小袋の中からはなんと、大金貨が出てきた。しかも10枚以上だ。それだけあれば、なにもしなくても暮らせる。ちなみに、僕は大金貨を見たことがなかった。初めて見る大金貨は、とても大きく、眩しく光り輝いているように感じられる。
「こ、これは…?」
「これはですね。あなたを探す時の旅の足しにと思って、森で魔獣を狩って、高い部分を商人に売ったのです」
「はあ…」
魔獣を狩る?普通はそんなこと出来ない。魔獣は恐ろしく強いからだ。騎士団や魔術師で立ち向かうほどだと聞く。それを、魔法の使えないというヴァルキリアが倒すのは、相当な剣の使い手ということだろうか?
「これを使ってください」
「でも…」
「あなたと私は夫婦。当たり前じゃないですか」
そう言って微笑むヴァルキリアに、僕はなにも言うことが出来なかった。
そうして、僕らは馬を買いに商会に向かった。こういう小さな村では、商会が仲介をして物の売買をしている。馬も手に入るだろう。
「馬を買いに来たのだけれど」
僕が言うと、受付の女性は、かしこまりました、と言い一旦奥へ下がった。
「こちらへ」
僕とヴァルキリアは女性に案内されて、外に出る。しばらく歩くと、牧場に着いた。
「あんたが馬を欲しいのかい?」
牧場主と思われる中年の男性が聞いてくる。
「はい」
「ちょうど、いい馬がいてね。王都で競売にかけようかと思ってたんだが、あんたに譲ってやってもいいぜ?」
「どの馬ですか?」
「あれさ」
男の指差す先には、白く大きな馬がいる。多分、軍で使われるような立派で丈夫な馬だ。多分、高いのだろう。僕が憂鬱になっていると、
「小金貨5枚でいいぜ」
「え?」
予想外の値段が飛び出した。ありえない。普通、立派な馬なら大金貨1枚は余裕で超えるはずだ。
「あの馬はな、俺のお気に入りなんだ。だけどよ、ここではもう育てることが出来ねえ。数が多いんだ。だが、赤の他人に渡るのはなんだか忍びなくてな。それだったら、心優しそうな、あんたが貰ってくれた方がいいなって」
「そうだったんですか」
「な!買うだろう?」
男は嬉しそうに言った。
僕はヴァルキリアを見る。ヴァルキリアも頷いた。
「では、大金貨1枚で」
「え?そんなにいいのかよ?」
男は驚いてか声を大きくした。
「立派な馬ですし。あなたの想いに感動したので」
僕がそう言うと、ありがとな、と男は恥ずかしそうに頭をかいた。
僕の言うことを聞いたヴァルキリアはなぜだかニコニコしている。彼女のお金を勝手に使っているのに、なぜだろう。後で一応謝っておこうと思った。
僕は男に大金貨1枚を渡す。後で、商会には仲介料として1割程度渡るそうだ。心なしか、女性の方も嬉しそうだ。
男が馬を連れてくる。身体は大きく、白い毛は光を反射するように輝いている。筋肉の付きもよく、これなら2人で乗れそうだ。なぜ一頭なのかというと、ヴァルキリアがそう望んだからだ。真意はわからない。
男は鞍や鐙、手綱などの馬具を付けてくれる。
「ありがとよ。こいつは、クーってんだ。メスだよ」
男にもう1度お礼を言われ、僕たちは牧場を後にした。その後、1度商会に戻り、書類にサインをし、僕たちは村を離れることにした。
さて、ここで問題となるのはどちらが手綱を持つか、ということだ。当然、男の僕が持つべきだろう。僕は、先にヴァルキリアをクーに乗せてから、自分もクーに乗った。手綱を掴む。ヴァルキリアは僕の胸に寄りかかっている。ニコニコとして幸せそうだ。どうやら、これが狙いだったらしい。そんなことを考えていたとは、とても可愛いと思う。
僕とヴァルキリアはこうして、村を後にする。クーは颯爽と駆ける。とても速い。これなら、次の目的地、ニンヒまでは早いかもしれない。