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殺し屋or?
「愛ちゃんは、殺し屋になるべきだと思う」
ハルは、そう断言した。
「いいや、これ以上殺しをさせる訳にはいかない」
クラルも負けじと反論する。
ちなみに鳴子はどうでもいいと言っているらしい。
全く、困ったものだ。
「お前はどうなんだ、リオ!?」
いきなり、2人の視線がこちらに集まる。
『殺し屋がいい』
殺しは愉しい。殺しを嗜好する私にとって、殺し屋になることはいい話だ。
「けってー」
ハルは表情のないままに、そういった。
クラルは、納得していない様子。
だが、引き下がる。
私の意見を優先すると約束したから、だろう。
本気で私を心配するようなクラルの表情に、罪悪感を覚える。
でも、こっちも引き下がれないんだ。
あの、殺人の快楽をもう一度味わいたい。
この時、私は知らなかった。
鳴子の掌の上で踊らされていることを。




