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言霊少女  作者: 奈魅弧
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預かって

玖羅瑠は、美少年だった。

漆黒の髪に紅い瞳がよく映える。

表情は殆ど無いが、かっこいい。

ちなみに鳴子も美人だ。

あの性格さえよければ、完璧だっただろう。

「あ、そうそう。愛ちゃん玖羅瑠ん家で預かって」

愛ちゃんとは私のことなんだろう。

それはいい。

問題は後半の台詞(セリフ)だ。

「はぁ!?何で素性も分かんねー奴と暮らすんだよ」

ど、同感だ。

「ああ、彼女は私が作った」

それは、私だって半信半疑だ。

信じる訳が無い。

「へぇ、こいつが」

案外簡単に信じた。

何故!?

だが、この疑問は口に出さない。

みたところ、この二人は互いをよく知っている。

私のことも説明されていたのだろう。

まぁ、さっきの反応を見るに預かることまでは聞いていなかったらしい。

「いやぁ〜私、愛ちゃん育てるお金無いんだわ」

だからって男女が一つ屋根の下で暮らすってヤバイでしょ。

『本気?』

「もちろん。私が嘘をつくとでも?」

まさしくそうだよ。

玖羅瑠は、私を見て言った。

「俺、童貞だけど人工天才(ジニオン)に手出すほど飢えて無いから」

いや、ちょっと待て。

さすがに今のは失礼じゃないか?

「嘘だぁ〜。健全な男子のくせに。こんな可愛い子を放っておくなんて」

「確かに愛莉緒はか、可愛い・・・けど」

可愛いの部分の声が小さくなっていた。

それに、真っ赤だ。

説得力皆無。

「手、出してもいいよぉ〜」

おい、煽るな鳴子。

玖羅瑠の頭が爆発寸前まで茹だってるぞ。

「だ、誰が出すか!」

「んじゃ、証明して。持って帰って」

「ああ、預かってやるよ!」

鳴子はニヤリと笑い、玖羅瑠はしまった、と顔をしかめる。

え、本当に暮らすの?

「男に二言は無い!仲良くしてね〜。くれぐれも肉体関係にならないように」

鳴子がドアに手を掛ける。

「止まれ、鳴子!」

私は頭痛も忘れて叫んだ。

途端、鳴子がピタリと止まる(、、、)。

少しも動かない。

ああ、これが言霊か。

「あ、う、動いていい」

私は額をおさえて言う。

すると鳴子はさっきのが嘘のように動きだす。

「おいおい、勘弁してくれ」

それだけ言い残して鳴子はドアの向こうへ消えていった。

「・・・来い」

玖羅瑠が私の手を引いて行く。

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