2/11
クラル
私は誰なんだろう。
「君は愛莉緒。苗字は無いよ。理由なんてもんは面倒だから説明しない。そして君は・・・・・・・言霊使い」
謎だらけだ。
まあ、話さないということは、別に必要の無いことなんだろう。
『何故、私はここにいて、どうして鳴子は私を知っている?』
鳴子は声をあげて、笑う。
私には、その理由が分からない。
「君は想像以上に順応性が高い!素晴らしいことだ。私なら受け入れられない。質問に答えよう。君は私が作ったからここにいて、君を知っている」
これは、納得していいことなのか?
「もうすぐ、彼が来る」
私が彼とはだれなのか聞こうとした時だった。
扉が開く音。
「浜井、用件はなんだ!・・・・・・・お前、誰だ?」
私はペンを走らせる。
『私は、愛莉緒。キミは?』
「お、俺は」
「よくきたな、玖羅瑠。そろそろ来ると思っていた」
私と同い年くらいの少年とは、鳴子に自己紹介を遮られる。
「俺は、海崎 玖羅瑠だ」
「無視するな」
鳴子が口をとがらせる。




