異世界に行こう
「「えー!?異世界?」」
「嘘ー!そんな訳ないじゃん!!」
わたし、紅留実。
わたしの幼馴染み、磨梨と二人の親友であり先輩の、美香で公園に来ている。
それで、磨梨が異世界に行こう、とか言いだした。
「そんなの、あるわけないでしょ!?磨梨、夢見すぎよー!」
美香が厳しく言う。
「じゃあ、紅留実~。紅留実はどっちの味方っ?」
…うう、なんでそうなるの。
正直に言えば美香の方だけど…、磨梨はガラスハートだからなぁ…すぐ落ち込んじゃう。
仕方ない…
「ま、磨梨…かな」
「本当に?磨梨に、気遣ってないよね?」
うっ…美香は怖いよ…、鋭すぎる…。
で、磨梨は「本当と言って」と言う様な目で見ている。
…そうか、磨梨の味方になればいい。
「本当の本当に、磨梨の方!」
「そう。で?磨梨、行くにはどうするの?」
「ふふ~、えっとね、マンションに行くの。ただし、磨梨達の誰かの家ね」
「…じゃ、わたしの家でいい?ここから一番近いと思うし」
と、わたしが言うと磨梨がうなずいて、
「オッケー。じゃあ、紅留実の家に…」
「ちょっとまって、磨梨。今から紅留実の家に行ったら、10時すぎちゃうわよ?」
確かに美香の言う通り、9:30を過ぎたところだった。
異世界へ行くとかいう、変な儀式でもしてたら、10時過ぎる…。
「じゃあ…明日、公園に集合ね~。2時までに集まろ~!」
……わたしは、この時…磨梨を信じなかったせいで…。