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プロローグ
あなたには、どんな記憶がありますか?
どれだけの記憶がありますか?
あなたの記憶の中には、辛い記憶、悲しい記憶、幸せな記憶、嬉しい記憶、
思い出したくない記憶
家族と過ごした時間
大好きな人と過ごした時間
友達と過ごした時間
ふざけすぎて、先生に怒られた
あの時
あの日見た夕日
あの日そっと吹いたそよ風の香り
あの日聞こえた春の歌
初めて友達ができた
あの日
いつもの駄菓子屋
いつもの帰り道
いつもの教室
いつものあなたの声
あなたの記憶ひとつひとつがあなたの、
かけがえのない宝物
でも、もしあなたのすべての記憶が
今あなたが見ている夢だったら
どうしますか?
今、わたしの小説を読んでいることも、
もしかすると、
あなたが今見ている夢かもしれません