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妹可愛さに家を出た  作者: 赤雪トナ
帰郷
18/19

行動のつけ

 アンゼとルフを連れて屋敷に戻ったら、玄関にシャイネが立っていた。

 どこかへ出るところだったのかなと思ったら、違うらしい。


「レアが呼んでる?」

「はい。アンゼお嬢様は私がマウナ様のところへお連れします」

「お願い。シャイネはなんで呼んでいるのか知っている?」

「いえ、ただ真剣な表情でした」


 真剣か、いい感じはしないな。仕事でミスしたことが庇いきれないほどの事態を引き起こしたか?

 なんだろうと考えつつ、執務室に入る。部屋の中にはレアとガーウェンがいて、重い雰囲気だった。


「兄上、ソファーへ」


 頷き、ソファーに座る。

 それを確認するとレアは口を開こうとして止めと繰り返す。どれだけ言いづらいことなんだ。


「当主様、言いにくいのならば私から」

「……私が言います」

「一体なんなんだ? 失態が身に余るから家を追い出すとかそういったものか?」

「違います! 追い出すなんてするわけない! っすみません。つい感情的に」

「いやいいんだけど、それ以外だと予想がつかないんだけど」

「兄上が屋敷を出た後、兵が一つの情報を持って駆け込んできました。それはラバという小村が賊に占拠されたというものです」


 それは大変だ。雰囲気が重くなるのもわかる。でも俺を呼び出すようなことじゃないよな?


「その村を占拠した者たちの中心人物はコッソクス」


 ……コッソクス? ここでその名がでるとは思わなかった。動きがわからないからすっかり忘れてたしな。たしか母上の暗殺を目論んだはず。

 今回は占拠か。暗殺に占拠、繋がりがないな。あいつの考えがまったくわからん。

 

「占拠されたというのは、その村から一人伝言として外に出されてわかったようです。近くの町に駆け込んだその村人から話を聞き、遠くから確認した後、ここに知らせてきました。傭兵らしき者たちが二十人近くいたようです。村の規模は五十人ほどと本当に小さな村なようなので、傭兵たちに抵抗する間もなく占拠されてしまったのだと思います」

「素人五十人じゃ、傭兵に勝つのは難しいだろうなぁ」


 五十人全員が戦えるわけでもないだろうしな。多くて二十人くらいか? あとの女子供老人を人質にされたら手も足もでないだろ。


「それで俺に聞かせた理由は? ここまでなら公爵家の兵を動かせばいいだけだ。俺を呼ぶ理由にはならない」


 俺に意見を聞きたかった可能性もあるけど、レアにガーウェン、ほかにゴウロたちもいる。俺から出せる意見はその誰かが出すと思う。


「コッソクからの伝言で、兄上が指名されたのです」

「俺?」


 なんで? 俺とあいつとの繋がりなんてとっくに切れてると思うんだが。


「詳しいことはわかりません。村を解放してほしければ兄上一人を寄越せと」

「私はディノール様が行くことを勧めます」

「ガーウェン!」


 今の表情は当主としてではなく、妹としてガーウェンに抗議したっぽいな。


「理由は? ただ脅しに従うってだけじゃないんだろ?」

「ある意味屈するのかもしれません。ここで村を見捨てると、当家の風評に関わります。領民よりも身内をとったと。見知らぬ者よりも身内をとるのは当たり前なのですが、当主様にはできるだけ後ろ暗い部分を持ってほしくはないのです」


 以前も聞いたな、そこらへん。となるとレアに押し付けた分、俺も働かないといけないか。力になるって言ったしね。正直傭兵二十人に囲まれるのは怖いが。


「わかった。行こう」


 声が震えなくてよかった。ここで震えるとかっこがつかない。


「兄さん!?」


 完全に当主モードじゃなくなってるな。それだけ心配ってことか。


「心配するな。俺は信じている。レアたちが助けてくれることを。俺が死んだり傷ついたりなんて望んでないだろ?」

「当たり前です! わかりました。ガーウェンっ対策を練りますよ!」

「御意」


 公爵の覇気をまとったというのか、命じる言葉には迫力が篭ってた。

 ガーウェンも俺を行かせることは勧めたけど、死なせたり害されたりすることまでは望んでないらしい。力強く返答したな。

 俺も俺自身を守るために助言しようかね。


「偵察はルフに頼むといいよ。姿隠せるから」

「そういえばそうでしたね。村の状況がわかるのは助かります」


 とりあえずは三人でとるべき行動を決めていく。

 話し合いできる時間はそう多くない。伝言でいつまでに俺が行かなければならないか伝えられているからだ。

 ラバという村まで馬を使って二日ほど。その移動時間を考えると、明日の昼すぎには街をでないといけない。

 一時間の話し合いで大雑把に決められたのは、俺と姿を隠したルフが先行し、その後ろを変装した公爵家の兵たちが追跡。村まで一日の距離で、ルフが一人で先に行き、村を偵察。俺が着く前に、兵たちに村の状況を教えて見張りの死角をつく位置を推測。俺が村に入った後、兵たちは村を目指しそのまま移動。見張りにばれてもなにも知らぬ旅人か商人を装い、油断したら奇襲。油断しなければ速攻で倒し、村人を盾にされないよう動く。

 俺は言わなかったが、完成している魔創剣を使って傭兵を吹き飛ばすということも考えた。だがそれだとどこにいるかもわからない村人を巻き込みかねないので、自分で駄目だしした。かわりに根源魔力を使って、普段は使えない中位上位の氣術で傭兵の何人かを無力化できればと考えた。使う魔法はホーネットレインという麻痺毒の針をばら撒く魔法がある。それを使えば、二十人全員に囲まれるという心配はないはずだ。あとは時間を稼いで兵たちの到着を待つといったところか。

 怪我を抑えるためしっかり防御を固めておくということで、急遽公爵家に繋がりのある武具店が呼ばれた。


「どのようなものをご要望ですか?」

「とにかく上質なものを」


 お金はいくらでも出すって感じだな。でもそれはちょっと困る。


「あまりいいものだと気後れするし、雇われている傭兵の神経逆撫でするんじゃないか? あんなことに協力するんだから、傭兵崩れみたいなものだろうし」


 金なくて困ってるイメージだ、傭兵崩れって。いや野盗を兼ねてるなら奪った金でいいもの身につけてる?


「それは一理ありますね。では上質そうに見えないけど、上質なものを」

「上質なものは確定なんだな」

「当然です。きちんとしたものはそれだけ役割を果たしてくれます」

「そちらの方にどのようなものを求めているかお聞きしても?」


 身につけるのは俺だし、聞かないと用意しようがないか。

 軽い鎧がいいな。今来ている奴も胸の部分は金属でほかは革で、ところどころ金属補強しているだけだし。上質な革だったら、下手な金属鎧よりも丈夫なものとかありそうだ。


「革ですか。それだと……ドグスシャークの皮で作られたものとかシルヴァンフォックスの毛皮で作られたものがありますね」


 二つとも聞いたことないな。レアは知っているかと視線を送る。


「私も知りません」

「ドグスシャークは、海に住む魔物の中で五本指に入る強さです。通常のバリスタの矢すら弾く皮を持っていまして、倒すには専用の装備を持った船を動かす必要があります。シルヴァンフォックスは森林国の北部に生息する希少な狐で、魔力を通すことで毛を鉄を超える硬度にすることができます」

「その狐で作った鎧も魔力を通す必要があるのか?」

「はい」


 そりゃ駄目だ。魔力が少ない俺にとってデメリットが大きすぎる。


「用意するなら鮫の方で頼む。俺は人より魔力が少ないんだ」

「そうでしたか。公爵様、用意するのはドグスシャークの革鎧でよろしいですか?」

「ええ、それでよろしく。明日までに必要なのだけど、用意できるかしら?」

「随分と急ぎですね。それでしたらこちらの方に店に来てもらう必要がありますが」

「行こう」


 こっちに持ってこさせるのは時間の無駄だろう。


「では兄上、私は対策をさらに煮詰めています」

「わかった」


 おかかえ商人と一緒に馬車に乗り、店に入る。このクラスの店には一度も入ったことないな。

 店内はいつも行く店のように雑多な感じがしない。宝石店のように武具が一つ一つ飾られている。近くにあったダガーを見てみたら、二十万ゼンって書いてあった。はっはっは、俺が予備に持ってるダガーは五千もしない安物だ。すっごい場違いなところに来たな! 豪華に飾られているあそこの槍とかえっらい額なんだろうな、なんとなく雰囲気が漂ってる気がする。見ないようにしよう。たぶん心臓に悪い。


「どうかされました?」

「いや、なんでもない」


 公爵家関係者がこの金額にびびってるってわかったら、相手も戸惑うだろうし誤魔化した。

 書類上では数百万とか見てるんだけど、自分に関わる金額だとそれ以下でもスルーできない。

 そのまま店の奥に通され、そこで店主はドグスシャーク革の鎧を持ってくるように命じる。

 すぐに三つの鎧が持ってこられた。どれも群青色だ。胴だけではなく、腰周りも覆う鎧だ。これなら材質不明で、傭兵たちの神経を逆撫ですることはないはず。触ってみると表面はつるりとしている。鮫の皮ってざらりとしてるんじゃなかったっけ? こういう皮膚の魔物なのか? 扉をノックするように叩くと、こんこんと軽い音が返ってくる。


「とりあえず、これを着てみてください。サイズが合わなければ別の鎧を着てみましょう」


 出された鎧は軽かった。これなら動きが鈍ることはないだろうな。

 手伝ってもらい身につけると、少し隙間が開いていた。


「もう一つ下のサイズですね。ではこちらを」


 次に渡された鎧は先ほどよりもピタリと体に密着し、少し動きづらい。


「こちらを微調整しましょう。一度脱いでもらえますか」

「わかった」

「窮屈な以外になにか不都合はありましたか? 腕が動かしづらいとか、胴を捻りづらいとか」

「そうだな……肩が少し擦れてたか」


 肩当の動きが固く、何度も動かすと擦り傷ができるかもしれない。

 それを伝えるとそちらも調整しましょうと職人に指示を出す。

 二人がかりで調整したため、それほど時間はかからない。調整の終わった鎧をもう一度着て、軽く動いてみる。


「うん、不都合はなさげだ」

「それはようございました。こちらをお買い上げということでよろしいですか」

「ああ、よいものを勧めてもらった。感謝する」


 鎧を脱いで、木箱に詰めて馬車に乗せる。もう一度礼を言って屋敷に戻った。

 執務室に入ると、レアが呼んだのかルフがテーブルの上にいた。


「あ、お帰りノル。面倒なことになってるみたいね」

「ほんとにな。偵察の話は聞いたか?」

「うん、偵察くらいなら任せておいて」


 ぽんっと自信満々に胸を叩く。何度か頼んでるし、安心できるな。


「頼んだ」

「兄上、鎧の方はどうなりましたか?」

「いいものを出してもらえたよ。部屋に置いてきた」

「そうですか。こちらは他にも情報がないか、兵たちを動かしたところです。期待はできませんが、少しでもなにかわかればと」


 小さい村ってことだし、寄る人も少ないんだろう。そんな状態で情報収集は望み薄か。


「俺の後に出発する兵は選んだのか?」

「ラドンウルフ討伐に行った者たちを動かします。あの者たちは兄上との親交があり、手助けにも気合が入るでしょうし」


 あの人たちか、確かにほかの兵よりは心強いし、頼れるな。ということはルドも出るってことか。無茶しないといいけど。無茶するかもしれない俺に言われなくないか。

 この後は、明日に備えて俺とレアは休むようガーウェンに言われた。

 レアも兵たちに同行するらしい。それは俺が心配ってのもあるが、ルフが知らない兵に話しかけたくはないと言ったからだ。ルフと親しく荒事にも平気なのはレアくらいで、ちょうどよいと出陣を決めたのだ。

 ガーウェンは渋ったが、偵察の重要性はわかっているので渋々認めた。レアに戦わないようにと念を押してはいた。傭兵崩れに後れをとることはないだろうが、万が一ということもありえるため戦わないというのはいいことだと思う。

 レアと二人で執務室を出て、母上とアンゼの下へ向かう。明日の行動を知らせておく必要があるだろうし。


「そういうわけで、明日明後日くらい私たち家を空けることになります」

「ディノール」

「はい」

「無事に帰ってきて。レアやアンゼやシャイネを泣かせるようなことは駄目ですよ」


 もちろん泣かせるつもりはない。レアやアンゼのウェディング姿を見るまでは死ぬ気はないからな。そういやこの世界にウェディングドレスってあったか? ドレス自体はあるから、多分あるんだろう。二人のその姿はきっとこれまで見たどんな姿よりも綺麗なんだろう。いやきっと綺麗だ! うん、想像しただけで結婚相手を殴りたくなってきた! この憤りは傭兵にぶつけよう。


「母上も心配してくれますか?」

「当たり前です。無事に帰ることをアンゼと一緒に祈っています」

「綺麗どころが無事を祈ってくれてますから神様も願いを聞き入れてくれて、きっと帰って来れますね」

「あら、綺麗といってくれるの?」

「ええ、母上もレアもアンゼもルフもシャイネも皆、綺麗とか可愛いと思ってますよ」

「パパもかっこいいよ!」

「ありがとう」


 アンゼが褒めてくれた。母上とシャイネは嬉しげに笑みを浮かべているし、レアとルフは照れたか顔が赤い。さすがに怒って顔を赤くしてるわけじゃないだろう。

 このまま話は雑談へと移っていき、夕食となる。

 和やかに時間を過ごし、夜が明ける。

 新品の剣と鎧に、旅をしていた時の荷物を持ち、以前乗った馬に再び騎乗し街を出る。

 鎧を着た姿をレアに見せたら、ホルクトーケの紋章を刻みましょうとか言われた。今後この鎧は、公式の場に出る時に着ることになりそうだな。まあ、普段から使うつもりはないから、それでいいけど。高価な剣と同じように、この鎧も俺にはまだ早すぎる。


「ルフと二人旅は久しぶりだな」

「そうね。以前一度か二度あったくらいだっけ」

「たしかそんくらいだ」


 赤馬隊に入って、アンゼの面倒をナィチたちが見てくれて、二人旅ってことになったんだよな。

 あの時は届け物の依頼で一人でもよかったのに、たまには俺と二人旅をしてみようかって気分になったとか言ってたっけ。

 今回はあんなのんびりとした気分でいられないのが残念だ。


「もっと落ち着いた旅だったらよかったのにな」

「まあ、仕方ないわよ。いつかそんな機会があるでしょ」

「だな。楽しみにしておくか」

「……私も楽しみにしておくわ」


 この口調は照れてるか? 今の会話に照れる要素はなかったと思うんだが。なんでだろうなぁ。

 二人旅は一日続き、翌朝ルフは空高く飛び、先行した。

 二人旅も久しぶりだけど、一人旅はもっと久しぶりだ。アンゼと出会ってから誰かと一緒に行動してきたからなぁ。ちょっと寂しさとか不安な感じが湧いてくる。


「うーん、このまま行きたくないな。気分上げないと」


 楽しいこと、楽しいこと。帰ったら好きなものを食べさせてもらうとか? 子供か俺は!

 気分を上げられることを考えつつ、馬をゆっくりと走らせる。翌日の十時過ぎくらいか? そのくらいに村が見えてきた。方向を間違えてなければあれが目的地のはず。

 呼び出しておいていきなり殺されることはないだろうし、このまま村に入るか。


「見えないよな。当たり前か」


 振り返りレアたちがいるか確認したが、見えなかった。見える位置にいたら意味ないしな。

 そのまま村に近づくと、見張りらしい男に気づかれた。鎧姿に腰には剣を帯びて、背には弓を背負っている。村を占拠した一人なんだろう。うん、見るからに悪い顔つきだ。


「止まれ。ここには入れさせん、帰るんだな」


 帰っていいなら帰るんだけどな!


「呼ばれてきたんだ。帰るわけにはいかないな」

「呼ばれたということは……お前が公爵の長男か。本当に一人でくるとは」


 馬鹿だろうって目で見られた。こいつら的には村人なんか見捨てて当然ってことなんだろうな。それができたらどんなに楽か。公爵という立場的にも人情的にもできないからなぁ。


「来たら案内しろと言われている。ついてこい。ああ、その前に武器は取り上げておかないとな」


 当然だわな。ついでに荷物も渡しとこう。いざって時に動きにくいだろうし。


「公爵っていうわりには、安物の剣を使ってんだな。これじゃ売りものならねえ。鎧の方も金属製じゃあないし、剣がこれじゃ鎧も期待できないか」


 うしっ。勘違いしてくれた。剣から判断されるってのは予想してなかったけど。目利きできない奴で助かった。

 特に拘束されないのは、大人数で囲めば大丈夫って思ってるからか?

 村の中心部に行く頃には男の仲間も何人か集まり、その中の一人がコッソクスを呼びに行った。ほんとにコッソクスの仕業だったんだな。

 四人の傭兵たちと一緒にコッソクスが姿を見せる。これでこの場に集まった傭兵は二十四人。それらが俺を囲んでいる。どいつもこいつも悪い顔していて怖いなぁ。


「ようこそ、ディノール様」

「ああ、来たぞ」

「こうして会える日を楽しみにしていましたよ」

「俺はこんなふうに招待されるとは夢にも思っていなかった。というよりはお前のことを忘れていたが」


 コッソクスの表情が怒りに赤くなった。俺なんかに忘れられていたのが、そんなに怒ることか?


「やはりあなたは私をいらつかせる」

「そうはいっても俺に自覚はない。なにがそんなにいらつかせるんだ?」


 そこに俺を呼び出した理由もあるのかね。時間稼ぎとかじゃなくて、まじで理由を知りたい。


「あなたと私の出会いはいつか覚えていますか?」

「たしか……十三くらいだったか」

「ええ、そのくらいですよ。そして私は自分の孫ほどの子供に手玉に取られたのです。あなたが消えて、あなたに近づいていた者たちは次々と降格させられたり左遷させられました。あれはあなたが先代に情報を流したのでしょう?」

「まあな」


 俺側の人間が次々と処罰されれば、さすがにばれるだろうな。


「あなたは最初からそういった目的で動いていた……幼い頃から。あの流れを考えるにそうとしか思えない」


 小さい頃からってとこまでばれるのはちょいと予想外だな。普通は子供がそんなことを考えないって思うもんだろうし。

 言い方から確信しているみたいだから、その考えに自信があるんだろう。


「父さんが俺に指示を出していたと思わないのか?」

「あの時のあなたは誰かの指示で動いているとは思えませんでした。何度も当時のことを思い出して、これには確信を持っています」


 強い視線が俺を射抜く。どれほど強く俺のことを思ってきたのか。妄執にも似た色が目の中に見える。


「騙し騙されは交渉事の常でしょう。私も騙したことはありますし、騙されたことはあります。ですが一方的に騙されたことはありませんし、まして大人にもなっていない子供に最初から最後まで利用されたことなど皆無! あなたが消えてそれを悟った時、私はその恥辱に自身を消し去りたいとさえ思いましたよ! 子供の考えを見抜けなかったことで、それまで築いていた自信と誇りはずたずただ!」


 コッソクスはプライドが高かったんだろうか、そこまで怒りを感じさせるとは予想外だ。


「ここに呼び出したのは腹いせってことでいいのか?」


 声をかけると、心を落ち着かせるように深呼吸してから頷く。


「ええ、そうなりますね。いくつか策は巡らせましたが、結局はこういった力技となりましたよ。私の財力は今回のことでゼロですから、あなたを呼び出せてほっとしていますよ」

「策? 母上を狙ったやつか?」

「ほかには先代を殺し、あなたを呼び出すものとかですね。なにもできず潰されたものも二つあります」


 本家をのっとるためじゃなくて、俺を呼び出すためだけに父さんは死んだってのか!?

 じゃあ、父さんを殺したのは俺も一端を担っているってことになる? 俺がレアを当主にしようと動いて、コッソクスを欺いたんだからら。俺が動かなければ父さんは……。


「そうだ! その顔が見たかった!」


 歪んだ愉悦を浮かべて、後悔を表情に浮かべた俺を見ている。むかつく笑みだ。


「……母上を狙ったのも、俺に関連しているのか?」

「ええ、その通りです。父親に続き、血の繋がらないとはいえ母親を殺された顔は是非見たかった! ついでにホルクトーケ家宝のホークブレイドを盗み出し、レアミス様の評判を落そうともしましたがね」


 怒りで血が沸騰しそうだっ。ホークブレイドが家宝ということに疑問を抱くことすらできなかった。

 自業自得だとしても父さんを殺したことを喜ばれて、さらに母上も殺されかけて怒りを感じない子供などいるものか!


「おっと、この人数を相手に無手で暴れるつもりですか? 集めた情報によれば剣術を習ってはいたもの、才はないとのことでしたよ。それさえも演技だとしても勝てる人数ではないですよ。ここであなたを生かしたまま捕らえ、レアミス様を呼び出し、あなたの前でレアミス様を陵辱させましょうか? 本当は仲が良いと聞いています。その光景を見たあなたの表情はきっと素晴らしいものでしょうね」


 周りの傭兵たちが、レアを犯せるかもしれないとわかると欲に塗れた笑みを浮かべた。今あいつらの頭の中で、レアが陵辱されているんだろう。


「お前ら全員死ね」


 言葉の刃にたっぷりと殺意をのせて、コッソクスと傭兵たちに贈る。

 殺意の数分の一も伝わらなかったのか、強がりだと思っているんだろう、彼らの表情は余裕から変わっていない。今すぐその顔を驚愕に染めてやるっ。

 根源魔力を使い、上級氣術を使用! 使う術は予定通りホーネットレインっ。効果は前方百八十度へ痺れ毒を含んだ針の放出だ!


「喰らえ!」


 術式を書く速度はこれまでで一番だった。

 幾千の針が傭兵たちを襲い、防御は間に合わずコッソクスと傭兵の半数が一度に倒れていった。

 魔法が普通に使えるものでも、上級氣術を使えるものはそう多くはない。そんな術がここで披露され、狙い通り驚愕を浮かべた傭兵たちを見て気分が幾分晴れる。コッソクスが俺の後悔の表情を見てスカッとしたのと似たようなものと思うと、心中に少し複雑なものがあるけど。

 傭兵たちが驚いている間に、倒れている傭兵から剣を奪い、根源魔力を使った虚脱感を我慢してこの場から離れる。数が減ったとはいえ、それでも十人以上残ってる。勝つことは無理だろうが、隠れて一人ずつ倒していくつもりだ。上級氣術を使えると示したし、それが脅しになれば戦いやすくなる。

 欠点があるのはわかってる。村人を人質に取られたら見捨てられない。それにあいつらが気づかないことを祈るのみだ。


「追え! 相手は一人だ。なんとかなる!」

「おうっ」

「馬に乗って逃げられないように、誰か馬を押さえておけ!」


 これはなんとかなるか? まずは物陰で息を整えよう。

 誰か近づいてきた。足音は二つ? これはやりすごすか。静かに戸の開いている小屋の中に入り、息を殺して通り過ぎるのを待つ。


「行ったか」


 小さく安堵の溜息を吐く。このまま時間を稼げて、レアたちが来るのが一番なんだけど。そうはいかないだろうなぁ。

 あいつら金で雇われたんだし、より大金を積めばこっちにつくか? 今現金持ってないから信じないか。それに小さいとは村の占拠とかやらかしたんだ。自分たちが犯罪者だってわかってるだろうし、曖昧な交渉にはのらないだろうな。

 息が整い、隠れることを重視して足音を消せる氣術を使って移動していく。

 周囲を見渡している傭兵が見えた。近づくことなく隠れ、近づいてくることを期待する。


「上手いことこっちにくるかどうか」


 よし、願いが通じたかこっちにきた!

 狙うは喉っ。物陰からいっきに出て、声を出しかけた傭兵の首に剣を突き立てた。血が降り注ぐ。買ったばかりの鎧に、赤い斑点がいくつもついた。

 同じ奇襲でもう一人は殺せた。髪も鎧もさらに血で汚れた。そこでタイムアウトだった。俺が捕まらないこと痺れをきらし、傭兵の一人が大声で伝えてくる。


「村人の命が惜しかったら、出て来い!」


 やっぱりこうなったかぁ。仕方ない出て行こう。見捨てるとレアの名に傷がつく。ここから先は耐久時間だな。

 広間に出ると、傭兵の一人が村人の首に剣を添えていた。村人は震え目には涙を浮かべている。傭兵はついている血を見て、目つきを鋭くする。仲間を殺されたことへの怒りも見える。


「剣を捨てろ」


 命令に従い剣を誰もいない方向へ投げ捨てる。


「その場に跪け」


 ついでに手も後ろに回しといてやろう。

 跪いた俺を傭兵たちが囲む。


「死なせるなと雇い主からの命令だ。だが怪我についてはなにも言われてねえ。仲間を殺され、やられっぱなしは我慢ならんっ」


 抵抗できなくなる程度に殴る蹴るか。レアたち早く来てほしいなぁ。

 そう願いつつ、迫ってくる拳を見る。

 

「うがっ!?」


 これを皮切りに体中を蹴る殴ると続く。

 痛みで浮かんだ滲んだ目で傭兵たちを見る。どいつもこいつも歪んだ笑みが浮かんでいる。

 公爵家縁の者なんて会うことも難しい存在をいたぶることができて嬉しいのか?

 なんてことを考えてる自分に余裕があるなと思ってたら、気が遠く。血を多く流すような怪我はないから、ここで倒れても死ぬことはない。けどここで倒れるのは早すぎる。もう少し時間を稼ぐために、耐えるべきだろ。それにレアが来た時に、倒れ伏したかっこ悪いところを見せたくないという意地もある。


「粘るじゃねえか」

「あ、兄としての意地だ」


 口の中が切れていて喋るだけで痛い。


「意味のわからないことをっ」


 だろうな。笑ってやろうとしたら、傭兵の顔に矢が突き刺さった。なにが起こったのかわからないという顔で傭兵が倒れた。

 それを合図に、あらゆる方向から傭兵目掛けて矢が飛ぶ。俺や村人に当たらないように気遣っているのがわかる。きちんと位置取りができているんだろう。

 俺を囲んでいた傭兵が倒れ、飛んでいた矢も収まる。


「ディノール様!」

「よう、ルド」

「大丈夫ですか!?」


 なんとかな。気を抜くと気絶しそうだけど。


「助けてくれてありがとうな」


 ルドとルドの隣に立つ男に礼を言う。


「いえ、静かに村人を助けるのに手間取り、ディノール様の救助が遅れました。申し訳ありません」


 男が頭を下げてくる。この男はたしかヤザックだっけか。ルドの上司だったはず。


「気にしなくていい。はじめからある程度の怪我は予想していたから」

「ですが公爵様から、できるだけ無傷で助けるよう命じられていまして」


 心配のあまり、妹としての面がでたか? 俺が怪我したからといって、兵たちを罰することはないだろう。


「皆の落ち度ではないと言っておく。皆は十分な働きをした」

「そう言っていただけると助かります。すぐに怪我の手当てをしましょう。ルディネーシャ、手当てを」

「わかりました」


 ルドの肩を借りベンチまで移動している時に、どこからか傭兵の悲鳴が聞こえて、その後に村人の歓声が聞こえてきた。解放されたと兵から知らされたんだろう。

 治療中、ルドにえらく心配されたが、放浪していたり赤馬隊に入った時も怪我はしてたし、気絶しそうな怪我は初めてじゃあない。まあその時は治癒陣を使ってたから早く治ったけど。

 治療が終わった頃に、馬に乗ったレアが村に入って来た。レアの肩にはルフが座っている。


「レア、無事に終わったよ」

「兄さん!? 怪我してるけど大丈夫なの!?」


 レアはうろたえてるし涙目だ。見た目ひどいし心配するよな。

 んでやっぱり妹モードか。いや心配してくれるのはすごく嬉しい。でも兵たち驚いてるからな? いつも公爵モードばかり見てるし、もしかすると初めてかもしれないな妹としてのレアを見るのは。


「大丈夫。あちこちと殴られたりはしたけど、大怪我とかはない。一番ひどくて歯が二本抜けたくらいだ。この鎧がすごく役立ってくれた」


 骨に少しひび入っている可能性もあるけど、そっちは安静にしていれば問題ないだろう。


「兵たちのおかげで大怪我を負うことはなかった。こっちは大丈夫だから、兵に指示を出して、村人の安全を確保したことを言ってくるといい」

「本当に大丈夫?」

「気を抜くと気絶しそうだけど、それはダメージが大きいからで、死ぬようなことじゃないよ」


 なおも心配そうなレアに、笑って見せて大丈夫と示す。


「ルフさん、ルディネーシャ、兄上を頼みます」

「わかった。ノルのことは任せて、仕事をしてらっしゃい」

「承りました」


 ルフがレアの肩から俺の肩に移ってくる。

 レアは名残惜しそうにしたが、一度目を閉じ気を切り替えたか村の中心へ馬を歩かせる。

 レアが行ったしもう耐える必要はないな。


「あんな公爵様初めて見ました。いつも毅然としているし」

「ノルの前だと珍しくもないけどね」

「家族ということですね」

「ノルがレアを大事にしているように、レアもノルを大事にしてるからね。仲の良すぎる兄妹よ」

「二人とも、もう限界だから気絶する。あとは頼んだ」


 返事を聞かずに気を抜いて、意識を手放した。

 その後はルドに支えられ、物資を積んでいる馬車に乗せられ寝かされていたらしい。気絶している間に鎧も脱がされた。剣はルドが回収してくれた。無手なのを見て、どこかに落ちていると思ったらしく、記憶を探って見覚えのある鞘を見つけてきてくれた。

 仕事を素早く終わらせたレアが戻ってきて、膝枕でミッツァまで戻ることになり、兵たちに羨ましがられたんだとか。それはルドに後日聞いた。

 意識を失って五時間ほどで起きた時、目の前にレアの顔が会って少し驚いた。起きようとした俺を止めて、ミッツァまでほぼそのままだった。ルフはそんな俺の腹の上に座っていた。

 その状態のままコッソクスの処分などを聞いていく。死罪は免れない。公爵夫人殺害未遂に村の占拠だ。やったことを考えると、殺すという選択肢以外は取りにくいだろう。コッソクスの実家は庇うかどうか怪しい。縁を切ったような感じだったはずだし、今回のことに巻き込まれたくないだろうから縁は完全に切るだろう。

 そういうことを聞きながら、ずっと膝枕は辛いんじゃないかと思ったが、レアは上機嫌そうだった。柔らかい膝枕を堪能できた俺が上機嫌になるのはわかるが、レアまで上機嫌なのはなんでだろうな?

 

「コッソクスは死罪か。仇をとったことになるのか?」


 ああ、そういえば帰ったらレアと母上に謝らないといけない。父さんの死が俺に発端があるんだ。謝って許してもらえるかどうかはわからないが、きちんと伝えなければならないだろう。気が重いな。

 そんな俺の心境に気づいたか、レアが声をかけてくる。


「どうかした?」

「帰ったら母上を交えて話がある」

「今言えないこと?」

「母上にも聞いてもらわないといけないことだから」

「わかった」


 俺の真剣な表情に、レアも表情を真剣なものに変え頷く。

 ミッツァに入り屋敷に戻ってようやくレアは俺を押さえるのを止める。ダメージは抜けたが、痛みはまだあるし、傷が熱をもっている。それでも歩くのには問題はない。

 一緒に屋敷に戻り、アンゼたちの元へ向かう。帰還を知り出迎えにきたのか、シャイネが廊下の向こうから歩いてきた。


「ディノール様!?」


 怪我を見て慌てたように近寄り、手を伸ばしそっと頬に触れてくる。

 表情は心配という感情でいっぱいで、わずかに瞳も潤んでいる。


「大丈夫なのですか?」

「大丈夫。命に関わるような怪我はしてないよ」

「念のために医者に見せましょう。マルクルさんに知らせてきます」


 小走りで去っていった。


「シャイネ、私に反応しませんでしたね。仕方ないことだとは思いますが」

「慌てさせちゃったからなぁ。後で治癒陣を敷いて自分で治療するつもりだったんだけど」

「魂術も使えるのでしたね。きちんと医者に見てもらうというのは私も賛成です。なにかあっては一大事ですから」

「そこまで大げさにすることでもないんだけどな」


 小さい頃は虚弱だったことが、シャイネを余計に心配させたのかもしれないなぁ。

 皆の心配を解くためにもきちんとマルクルに診断してもらうか。まあ、謝った後だけど。

 母上の部屋に到着した。扉を開ける手が重い。緊張してきた。


「ノル? 開けないの?」

「いや開けるよ」


 小さく気合を入れて、ドアノブを回す。開いた扉の間をすり抜けて、ルフが部屋に入っていく。

 アンゼの肩に座り、ただいまおかえりと言葉を交し合っている。


「二人ともお帰りなさい」

『ただいま帰りました』


 レアを声を合わせて母上に頭を下げる。

 母上もアンゼも俺の怪我を見て、心配そうな表情になる。たいしたことないと笑って伝え、この後医者に見てもらうことも伝えて、不安を払う。

 心配度数はアンゼよりも母上やシャイネの方が高い。アンゼは俺が怪我をするのを見慣れているからな。

 近づいてきたアンゼを抱き上げて椅子に座る。死ぬ気はなかったけど、またこの温かさを感じられて良かった。


「村の方はどうなりました?」

「無事解放してきました。怪我人はいましたが、死者はゼロです。兵を数人残して落ち着くまで警備に当たらせています。私たちは仕事もあるので帰ってきました。コッソクスは捕らえ、牢屋へ入れました。」

「それはよかった」


 報告が終わったので、俺的本番だ。何度か深呼吸して母上をしっかりと見る。


「どうかしたの?」

「なにか話があるって言ってたけど」

「ごめんなさい」


 深々と頭を下げた。いきなり謝ってもわけわからないだろうけど、まずは謝った方がいいと思った。


「えっと、どうして謝るのです?」

「今から説明するよ」


 レアと母上の顔を見ながら話すのは怖いけど、誠意を示すには顔はそらせない。


「父さんが死んだ原因は俺にもあるんだ」


 どういうことなのかと顔を強張らせる二人に、コッソクスが父さんを殺すそうと思った経緯を話していく。

 二人の表情は強張ったままで、俺に対しても怒っているんだろうと思う。怒らせるだけのことをしたと思う。

 レアの目には怒りが、母上の目には悲しみの色がはっきりと浮かんでいる。正直、目を逸らしたい。でも逸らしちゃいけないんだろう。


「俺が勝手に動いたせいで父さんは殺されたんだ」


 そう言って締めくくる。二人は無言のまま俺を見ている。アンゼとルフは場の雰囲気に押され、不安げな顔で俺たちを見ている。


「……そういった理由だったのですね。殺された理由がわかり、また少し死を受け入れることができました」

 

 視線を下げて母上が言った。


「ありがとう。教えてくれて」

「なんで礼を言うのかわからないよ。責めて当たり前で、叱責を受ける覚悟も持っていたのに」

「兄さん」

「なに?」

「私は兄さんに思うところがないわけではないよ。でもコッソクスに対する怒りの方が大きい。実際にお父様を殺そうと計画し実行したのはコッソクスだから。兄さんに対して思うのは、謝って責められることで罪の意識から逃げようとしてるんだってこと。安易に楽な道を選んでる、それはずるい」


 ……逃げようとしてたのかな。たしかに自分が原因で父さんが殺されたってのは認めづらい。


「でも謝る以外にどうすればいいか」

「お父様に誇れるように生きていけばいいと思う。あれは自慢の息子だって思えるように生きてみせるのが、お父様が喜ぶことだと思う」

「私もそう思いますよ。死者の声を聞くことはできません。話すことも同様です。ならば生き方で示すのが唯一の方法ではないかと思います。落ち込んだままだと逆に心配をかけます。あの人のことを忘れず、立派に生き抜いていく。それが大事なのではないのでしょうか」


 正直なところ、それが正しい方法なのかわからない。でも自分じゃどうすればいいかわからない。大事な家族のアドバイスだ。受け入れて実践するのがいいのかもしれない。

 立ち尽くす俺にレアと母上が近寄ってきて、そっと抱きしめてきた。

 なんか目の奥がじんとする。レアやアンゼに泣き顔を見せるのはかっこ悪いけど、我慢できそうにない。声を上げることだけは我慢して、涙を流したまま二人に抱かれ続ける。

 父さんの死に加担したとわかり冷えた心が、二人の体温で温められていく。すごくありがたくほっとしていた。が同時に二人から夫と父を奪ったという罪悪感から氷のような罪悪感は心に残ったままだ。

 これがいつかとけてなくなるのか、ずっとこのままなのか。まったく予想もつかない。

感想ありがとうございます

待っている人がいるのはわかっていたんですが、感想などで予想よりも多くの人に待ってもらっていたんだなと、少し驚きました

今後ものんびりペースで書いていくと思います

次は一ヶ月後くらい? 世界樹の迷宮が出たり、ためしに書いてる神無後日談が上手く形になったあとに書くので

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