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未来の息子シリーズ

断罪の場に未来息子が乱入して眉毛が消えた件

作者: *ほたる*
掲載日:2026/03/27

※未来息子シリーズ最新作!

各話パラレル構成のため、単独でも楽しめます。

 王宮の大広間。


「侯爵令嬢シェルフィーラ! 貴様との婚約を破棄する!」


 金髪の王太子アルベルトの声が響いた。


「……私、シェルフィーラ様に毒を盛られましたの」


 ピンク髪のロザリーアが、よろりとアルベルトに縋りつく。


「……毒?」


 シェルフィーラはパチリと瞬いた。

 亜麻色の髪が揺れ、琥珀の瞳がまっすぐ前を向いている。


 ざわ、ざわ、と空気が揺れる。

 次の瞬間。


 ――バンッ!!!


 大広間の扉が開く。


「ちょこまかと逃げるな兄上!」

「お前が遅いんだろ!」


 場違いな声。


 双子だろうか。

 七歳前後の、よく似た亜麻色の髪と茶髪の少年たちが剣を手に駆け込んできた。


「どこだここ!?」

「どこでもいいよ!」


「いくぞー!父上直伝――蒼嵐断!!」


 ざわっ、と会場が揺らぐ。


「……あれ」

「副長の……」


 騎士団副団長アークスの眉が、ぴくりと動いた。


「お、おい。なんだお前ら?!」


 アルベルトが叫ぶ。

 だが、双子は完全に聞いてない。


 風が走る。

 次の瞬間。


「いけ! アクアボール!」


 茶髪の少年が手を掲げた。


「甘い!」


 もう一人の少年がひらりと身をかわす。

 そのまま、後ろにいたロザリーアの顔面へ――


「きゃあああ!!」


 バシャーン!!

 水が弾けた。


 巻き髪が崩れ、化粧が一瞬で流れ落ちる。

 ――眉毛が、ない。


 アルベルトが呆然と呟く。


「……お前、誰だ」


「ロザリーアですわ!!」


「兄上、あの令嬢、水耐性ゼロだな!」

「鍛錬不足だな」


 双子は真顔だった。

 そのまま広間のあちこちを走り回る。


 シェルフィーラは呆然と立ち尽くした。


「――そこだ!」


 亜麻色の髪の少年が叫ぶ。


 ザンッ!!

 アルベルトの上着が裂けた。


「なっ――!?」


 体勢を崩し、そのまま隣のロザリーアにぶつかる。


「きゃあっ!」


 ポトン。


 小瓶が床に転がった。

 くるりと回る。

 ラベルが見える。


『シェルフィーラ用♡無味無臭 三滴で失神(毒)』


「なんだあれは!?」

「毒って書いてあるぞ!?」

「まさか……!」


 群衆が一斉にざわめく。

 ロザリーアの顔色が、さっと青ざめた。


 キィン!!

 双子の剣がぶつかる。


「きゃ……!」


 押されて、シェルフィーラがよろめく。

 茶髪の少年が振り返った。


「母上……!?」


 一瞬、目を見開く。


「なんでここに――」


『こらあああああ!!』


 怒声が響いた。

 茶髪の少年の通信機からだ。


『どこで遊んでいる?! 早く帰ってきなさーい!!』


「やべ! 父上だ!」

「怒られる!」


 双子が青ざめる。

 そのまま、身体が淡く光り始めた。

 次の瞬間、二人の姿がすっと消えた。


 一瞬の静寂。


「……副長。今の……」


「俺にも分からん」


 アークスは短く言い切る。

 ――声が、自分とよく似ていた。


 アルベルトの視線が、眉の消えたロザリーアに向く。


「……お前、誰だっけ?」


「だから!ロザリーアですわ!!」


 シェルフィーラは、首を傾げた。


(……結局、断罪ってどうなったの?)


 広間の混乱は、まだ続いていた。




最後までお読みいただき、ありがとうございました。


次回は、別のお話を来週金曜投稿予定です。


気に入っていただけたら、

ブクマや感想をいただけると嬉しいです ☘️

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