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第6節 嵐を呼ぶダミー恋人と、向けられる毒針  絶対王者・御影尊の恋人役に指名された結衣。学園中に衝撃が走り、令嬢たちの嫌がらせは激化する。

第2章 無自覚に救う図書委員


第6節 嵐を呼ぶダミー恋人と、向けられる毒針  絶対王者・御影尊の恋人役に指名された結衣。学園中に衝撃が走り、令嬢たちの嫌がらせは激化する。


 そのニュースは、瞬く間に御影学園を駆け巡った。

 

「生徒会長の御影様に、恋人ができたらしい」

「相手は誰? 西園寺様? それとも他校の令嬢?」

「……まさか、あの『寄生虫』の特待生だなんて、冗談でしょう?」


 食堂でも、廊下でも、生徒たちの視線は一点に集中していた。

 学園の王・御影尊の隣を歩く、地味な制服姿の少女——白瀬結衣。


「あの、御影様……」

「なんだ」

「皆さんの視線が、物理的に刺さりそうなのですが」


 結衣は少しだけ困ったように眉を下げた。

 尊は前を見据えたまま、平然と答える。


「気にするな。契約の一部だ。私を狙う有象無象の盾になってもらうと言っただろう」

「それは承知しておりますが……あ、あちらの方、フォークを曲げていらっしゃいますよ」


 視線の先には、怒りに震える西園寺麗華の姿があった。

 麗華は取り巻きを引き連れ、優雅さをかなぐり捨てた足取りで二人の前に立ちふさがった。


「御影様! 一体どういうおつもりですの? こんな、どこの馬の骨ともしれない女を隣に置くなんて!」

「西園寺か。誰を隣に置くかは私の自由だ。彼女は、私が認めた唯一の女性だ」


 尊の言葉に、周囲から悲鳴のような溜息が漏れる。

 麗華は結衣を蛇のような目で見据えた。


「……認められた? この雑用係が? いいでしょう。それなら、この学園の相応しい能力があることを証明していただきますわ。ちょうど今、来月開催される『学園創立記念晩餐会』の企画が難航しているのです」

「それは、生徒会の仕事だろう」

「いいえ、伝統的に女子生徒の代表が取り仕切るものですわ。白瀬さん、あなたに運営の全権を委譲します。失敗すれば、あなたが御影様に相応しくないと、全校生徒の前で証明されますわね?」


 それは、プロのイベント業者でも頭を抱えるような、あまりにも過酷な押し付けだった。

 だが、結衣は「答えを決めない」まま、穏やかに微笑んだ。


「分かりました。本で読んだ知識でよろしければ、お手伝いさせていただきます」

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