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第21節 消滅したマウント合戦と、新しい学園の風  麗華失脚後、学園の空気は一変。「地位よりも好きなもの」を大切にする新しい風が吹き始める。

第5章 真実の溺愛とオアシス


第21節 消滅したマウント合戦と、新しい学園の風  麗華失脚後、学園の空気は一変。「地位よりも好きなもの」を大切にする新しい風が吹き始める。


 星霜祭での大騒動から、数週間が過ぎた。

 御影学園の空気は、以前とは見違えるほど変わっていた。


「ねえ、週末に駅前にできた新しいカフェ、行ってみない?」

「いいわね。あそこのパンケーキ、ずっと気になってたの」


 廊下ですれ違う令嬢たちの会話から、「誰の家柄が上か」「どのブランドの新作を持っているか」といった、トゲのある話題が消えた。

 麗華という絶対的なカーストの頂点が失脚したことで、生徒たちを縛り付けていた「見えない鎖」が断ち切られたのだ。


「自分の地位に執着するあまり、すべてを失った」

 あの日、尊が麗華に放った言葉は、多くの生徒たちの心に深く刺さっていた。

 他人の評価ばかりを気にして、本当に自分が好きなものを押し殺す。そんな生き方がいかに脆く、空しいものかを、彼女たちは痛感したのである。


 そして、その「新しい生き方」の象徴として、全校生徒の尊敬を集めているのが、特待生の白瀬結衣だった。


「白瀬さん、こんにちは!」

「あ、あの、この前貸していただいた本、すごく面白かったです……!」


 図書室に向かう廊下で、結衣は次々と声をかけられる。

 以前のように「寄生虫」と蔑む者は誰もいない。皆、純粋な好意と憧れを持って彼女に接している。


「こんにちは。本、楽しんでいただけて良かったです」


 結衣は誰に対しても、以前と変わらぬ穏やかな微笑みで返す。

 学園の救世主と持て囃されても、彼女の態度は全く変わらなかった。

 ただ、自分の好きな「本の修復」ができれば、それでいい。

 そのブレない姿勢こそが、生徒たちに「心の自由」ヒントを与え続けていた。

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