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彼女は何があっても家に帰る ~ズル、ダメ、絶対!~

作者: 朝霧おもち
掲載日:2025/02/11

彼女の名前はエン・クライア。

『帰宅コンテスト』のプロ選手だ。

『帰宅コンテスト』の概要とルールを説明しよう。

このスポーツはゴールまで行く速さと優雅さを競うスポーツである。

ゴール(通称 家)までのコースには障害物がある。

大岩であったり、トラップであったり・・・様々だ。


「1番、エン・クライア」

ナレーションがエンの名前を読み上げると、観客席が熱くなる。

彼女は第26回の世界選手権の時に最年少で優勝を果たしたため、今絶大な注目を浴びている。


「2番、ケン・ベルギーア」

ちなみに彼は第22回から25回まで連続優勝した、いわば帰宅コンテストの界の英雄だ。

だが、26回で最後の最後にエンに逆転されたためエンに強いライバル意識を抱いている。


「3番、マイン・レクテ」

「4番、ミーテ・クリサン」

「5番、傷口爆発」

一人だけすごい名前のやつがいるが!

主催者が前に出て言う。


「今回はナイアガラの滝を100m以上通ってゴールしてもらう。スタートはここ、東京都。ゴールはエリー湖からオンタリオ湖に流れるナイアガラ川にある滝。カナダ(オンタリオ州)とアメリカ合衆国(ニューヨーク州)とを分ける国境になっている」

観客席がざわめく。

「10000キロメートル近くあるぞ・・・」

「参加者たちを殺す気なのか?」

主催者がピストルを上に構える。

「それでは、初め!」


エンは驚いた。

10000㎞って走れるもんなの?しかも太平洋どうやってわたるの?


参加者全員が戸惑う中、解説員らがいる席で微笑む奴らがいた。

ケンの手下である。

ケンは元ヤンだ。


桜棘組19代総長にして、炎爆組を1時間で壊滅させた偉業を持つケン。

今でも慕っている奴らはいる。

ケンはそれを利用して、主催者に多額の賄賂を渡し、無理難題を挑戦者に押し付けさせたのだ。


ケンは別ルートに進み、こっそりとバスに乗りこっそりとチャーター船で海を渡る・・・計画だった。


エンが迷いを振り切り走り出す。

とんでもないスピード。

ケンはあっという間に追い抜かれる。


追い返せそうもない。

(次の交差点を右に行くか・・・)

ケンが指をパチンと鳴らすと後ろからバスが走ってくる。

バスと一緒に右折するケン。


マイン・レクテ、ミーテ・クリサン、傷口爆発は、ケンにはついていかない。チャンピオンの背中しか見ていない。


右折したケンは、バスに乗ろうと近づく。


タッタッタッ

足音がする。

ケンが振り返ると、誰もいない。

建物の壁を見ると・・・

(な、なにぃ!?)


壁を悠々と走るエン。


ケンが海をクルーザーで渡ると、それを追い抜くスピードで走るエン。

ケンが滝を安全地帯から目指すと、それより速く走るエン。


完敗したケン。



みんなもこの話に出てくるケンのゆようにずるはするなよ!

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