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Occult-Life-Online  作者: シンヤ
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45.クエストの終わり

 「いやぁ、本当にありがとうございました。」


 「私からもお礼を言わせてください。貴女がいなかったら、ずっと怯えて暮らしていたと思います。」


 侯爵は生きてた。

 あの後、ピクリとも動かない侯爵に滅茶苦茶慌てたが、気絶しているだけのようであった。NPC殺しにならなくて良かった。


 バネ足が取り憑いていたとはいえ、侯爵の体をボコボコにして、立派な客間もボコボコにしてしまったので、お咎めがあるかと思ったが、イヤリングを取り返して、侯爵に取り憑いていたバネ足を除霊してくれた事のほうが、侯爵夫妻的には大きかったらしく、お咎めはなかった。


 良かった。壁に穴開けちゃったし、床にヒビ入ってるし、シャンデリアは欠けてるし、テーブルはヒビが入り、ソファはボロボロ、花瓶は粉々に割れていたから、これ弁償しろって言われたら、クエスト破棄して一生王都に入らない覚悟だった。弁償できる金なんてないのである。


 「いえ、解決できて良かったです。」


 「では、クエストクリアの報酬をお支払いしますね。」


 ▽ クエストクリアしました! 報酬を受け取ってください!

 報酬一〇〇〇〇ゴルド


 やった! クエストクリア! これで所持金も三万ゴルド以上。皆の装備品は買えるかな?


 「あんぱんさん、私からも。本当にありがとうございました!」


 何と夫人からもお礼を貰ってしまった。

 バネ足戦で、夫人の存在に助けられたのはこっちもだ。

 夫人が声をかけると、バネ足の動きが一瞬止まる仕様だったんだろう。あそこで麻痺瓶を当てられたから、大ダメージを与えるチャンスができた。


 「これは……?」


 それは長方形の紙だった。紙には船の絵が描かれている。

 コレは、もしかして……。


 「それ、船の無料チケットなんです。王都の東にある港町で船が出ているんですけど、それに乗れるんです!」


 やっぱり船! ラッキーだ! 船に乗れば東の島国にもいける。

 そういえば、海といえば、メガロドン。まだ水中戦の目処も立っていないし、勝てるとは思っていないけど、ブルーホールに行くなら船になるだろう。

 貰ったチケットの船は定期船だろうし、流石に自分の船じゃないと無理だろう。というかブルーホールの場所がわからない。


 ▽ 定期船のチケット

 定期船に一回だけ無料で乗れる


 説明書きを見ると一回だけと書かれていた。

 流石に毎回タダはないか…。いや、いくらになるか分からないんだ、一回だけでも嬉しい。


 「ありがとうございます! 助かります!」


 「喜んでくれて嬉しいわ。星の探検家さんだから、役に立つと思ったのよ。それに、この船は装甲がしっかりしていてね。」


 ん? 装甲?


 「ほら、海は化け物が多いらしいから、船の装甲がしっかりしていないと不安でしょう? 安く乗れる船もあるみたいだけど……、やっぱり不安だから。是非このチケットを使ってくださいね。」


 なるほど、下手すりゃ海のオカルト達が船に襲いかかってくるのか。装甲がしっかりしている船なら、ちょっとオカルトが当たってもへっちゃらと言うことだろうか?


 メガロドンの大きさを思い出す。

 あんなんに攻撃されたら、どんな船も木っ端微塵だよ…。流石にアレレベルはいないと信じて乗るしかないかな。


 とにかく船のチケットは有難い。思わぬ報酬にお礼を言って、屋敷を後にする事にする。

 また来てください。と笑顔で言われたが、屋敷の中が高級すぎて落ち着かないので、出来れば遠慮したいものである。


 因みにバネ足ジャックは清姫の時と同じく、今後はクエストを受けたら遭遇できるみたいだ。



 屋敷をでると、職人街の方に向かうことにする。皆の分身につける装備品を見に行くためだ。


 村長は前衛だから防具は絶対。武器は普段の攻撃がパンチだから手甲とか? これ以上攻撃が上がったら凶悪なことになりそうだな……。

 カラクルさんは武器は状態異常の瓶とナイフはそのままで、防具だけにして、アリエスは……防具? でもあの毛が防具みたいなもんだし、いるのかな? 角と頭に兜? 額当て? 見たいのをつけてもいいかも。マルスは……攻撃は熱線だし防具だけかな。


 商人ギルドで相談すると、顔見知りのジェラさんがすぐに出てきてくれた。


 「こんにちは、あんぱんさん。今日は装備品の強化に?」


 「あ、いえ、違います。今日は仲間たちの装備品を揃えたくって。」


 出来れば強化もしたいが、装備を整えてどれだけお金が残るだろうか……。


 そう伝えると別室に案内されて、色んな装備品を見せて貰えた。オーダーメイドもあると言われたが、絶対にお金が足りなくなると思うので遠慮した。


 「そうですか…、オーダーメイドできるのはこの王都だけ! と言われていますから、余裕があれば是非!」


 「は、はい。」


 じゃあ、他の街や村は既製品の物しかないって事だ。

 オーダーメイドは高いけど、攻撃力や防御が上がるだけじゃなくて、プラスで別のステータスがUPしたり、特殊な効果を客が望むものにできたりするそうだ。

 オーダーメイドは一万ゴルドから、だそうだ。一万ゴルドから、から! 高い防御力や攻撃力が欲しいなら、素材だって珍しい物やボス級のドロップを使わないといけない、だから絶対一万じゃ済まないでしょ。

 

 というわけで、既製品の物を見せてもらった。

 村長は防御力の高い鎧にしようかと思っていたが、着た時にガチャガチャして動き辛いとのことで、軽い服を選び、落ち着いた紺色のチャイナ服風の防具と、肘から拳まで覆っている黒色のナックルにした。


 カラクルさんは可愛い女性用の鎧にした。上半身は鎧で腰から下はスカートになっているやつだ。

 防御力もだけど、可愛さで決めたのもある。


 二人ともファンタジーの村人みたいな格好をしていたのが、一気に戦士っぽくなった。


 アリエスは、馬の頭に着ける一本角の兜武器を買った。馬に着けるとユニコーンみたいになるやつだ。

 アリエスには自前の角が二本あるから、これで三本角になって強そうだ。防具はモフ毛の上に何かを着けるのは嫌がったのでなし。


 マルスはあんまり選ぶ物がなかった、小さすぎてつけれる防具が限られていたのだ。

 たまにウサギとかネズミを仲間にしている人もいるので、それ用の防具を見せてもらったが、大体マントで、防御力も見た目もそんなに変わりはなかった。

 本人に決めてもらったところ、ファー付きのモコモコした白マントを選んでいた。


 合計で一四五〇〇ゴルド、残金一六五〇〇ゴルド。

 イベントに向けて回復薬とカラクルさん用の状態異常薬を補充して……。

 お金っていくらあっても足りないんだなぁ……。

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