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Occult-Life-Online  作者: シンヤ
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30.宇宙生物

 「ごめん。もう一回名乗って。」


 「むむ わたしは あるたーごぞ・えるばっきー・むにゅーだ だ」


 ………なにそれ。


 アルターゴゾ・エルバッキー・ムニューダ。

 初めて聞いた名前だ。そんな名前の猫のオカルトいたんだ……。


 私がオカルト好きといえど、全てのオカルトの名前を知っているわけではない。かなりマイナーなオカルトなのかもしれない、目からビームみたいのだしてたし、多分外国の妖怪とか精霊のような存在だろう。


 「ええと、アルターゴゾ・エル、バオッキー? …………、んんと、それを集めて何してるの?」


 名前長いな、言いづらいし噛みそう。

 猫は私を呆れた目で見つめ、ハァッと大きいため息をついた。


 「えるばっきー とよぶことをゆるします われわれは これをあつめて はきしています」


 「破棄……。」


 アレが本当にエイリアンの胎児なら、異星の存在をこの星に置いておきたくないとか?

 白い塊が本当にエイリアンの胎児なのか、エルバッキーに聞こうとすると、カラクルさんに呼ばれる。

 彼女は山になっている塊を見ていた。


 「ねぇ、これ……、動いているわ……。」


 「え」


 見ると、山積みになっている内の一つのにょろっと一本出ている触手が蠢いていた。実に気持ち悪い。

 するとエルバッキーは慌てたように胎児に近づく。


 「はなしはあとです! まずはこれを……、に゛ゃ!」


 エルバッキーは前足を振り上げ、動いているものだけを叩くと白い塊はぶちゅっと音を立てて、どろりとした液体をまき散らし潰れた。


 「うぇ……。」「きゃっ!」


 私とカラクルさんは思わず、液体がかからないように後ろに下がってしまった。

 気持ち悪い気持ち悪い。イカの内臓的な……、腐ってべちゃべちゃになった生ごみ的な……。


 「これは うまれかけのたまごのようなもの…… うまれるまえに かいしゅうしなければならない。」


 「卵……。やっぱりこれってエイリアンの胎児なの?」


 「たいじ…… そうです これは このほしのせいぶつ ではないです これは かせいじんのたまごです」


 「火星人!!」


 私がランダムスタートした時に見た宇宙人はグレイだったけど、今度は火星人か!


 「かせいじんは このまちに たまごをばらまいている ここでふかしたら たいへんなことになります」


 火星人は卵生なのか……、ヒューマノイド型かタコ型どっちだ……? 個人的にはタコ型を押す。

 っていやいや、そうじゃなくて、何で火星人は卵をばら撒いているんだ? 火星人で有名なのはSF小説の『宇宙戦争』だ、その小説がでてから火星人はタコ型の宇宙人という考えが広まったのだっけ?


 「考えられるとしたら、この星の支配……とか?」


 というか宇宙人がでてくる物語は大体地球侵略である。


 「うむ そうかんがえてもらってよいでしょう かせいじんたちは このほしの しげんをねらっています」


 「資源って何かしら? その火星にはない物なの?」


 「ええと、確か火星はこの星と違って、森とか海がないんですよ。そういう物を狙っているんじゃないですかね。」


 火星は現実と同じ設定ならほとんど何もないはずだ。二酸化炭素ばかりで酸素もないから植物は育たず、地面とドライアイスしかない星じゃなかったっけ。

 よりよい生活を求めているなら、地球に来たがるのもわかる気がする。


 「われわれ えるばっきーは うちゅうのへいわをあいするものとして いせいかんでのてきたいこうどうを かんさつし じゃまをしています。」


 つまりエルバッキーは宇宙警察みたいなもんか。戦争を防ぐために潜入捜査みたいなことをしているのか。

 ん? じゃあこいつ宇宙人ならぬ宇宙猫……? 宇宙猫なんていたっけ? 


 ……これは後で調べてみよう。それより、


 「邪魔するってどうするの? この卵を拾うだけ?」


 「……このばらまきをとめたいが げんじょう ばらまきだけで ほかにうごきはない あまりしげきしたくないので いまはこれでよいです」


 「そっか、下手に動いたら胎児のばら撒きだけじゃなくて、火星人が直接来ちゃうのかもしれないからか。」


 「そう そうなると ほかのいせいじんのかんけいも くずれる」


 少なくともグレイはこの星にいるから、火星人ついでにグレイも侵略しに来ました。なんて事になったら大変だ。

 ちなみに他のエルバッキーもいるけど、他の宇宙人の監視をしているから火星人の対応はこのエルバッキーだけでやっているらしい。人手不足だとぼやいていた。会社か。

 だから似たような姿の猫を味方につけて卵を探させているらしいが、孵化する前に回収するのが精一杯だそうだ。


 その時、ピロンと音が鳴り、半透明の画面が目の前に現れた。


 ▽ クエストが発生しました。

 アルターゴゾ・エルバッキー・ムニューダを手伝って火星人の侵略の邪魔をしましょう。

 報酬:水晶の卵


 おお、クエストだ。クエストは勿論受ける。報酬の水晶の瞳はどんな効果を持っているのかもわからないけど、貰えるなら欲しい。


 「てつだうというのか にんげん ありがたいことです ならば このまちにまかれた たまごをさがして もってきてください」


 お使いクエストかな? クエストを受領すると道の先に▽が複数現れる。どうやら誘導アイコンがあるらしい。誘導があるなら楽なクエストかな、と思っていると。


 ピロンと▽の横にそれぞれ時間が表示される。それぞれバラバラで、長いものだと三十分、短いものだと三分とでてる。


 「たまご ふかするまえに もってきてください」


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