11.オカルト図鑑
▽ ボス初撃破報酬があります。
≪オカルト図鑑≫
今までであったオカルト達が記録されている図鑑です。撃破すると詳しい記述が書き込まれます。
図鑑完成を目指して頑張ってください!
▽ ボスを初撃破したことで解放されるスキルがあります。
〈帰還〉
登録拠点に瞬時に移動できるスキルです。クールタイムはありません。
▽ 棒術の武器スキルのレベルが上がったことで技を覚えました。
〈回転連撃〉
武器を回転させることで連撃が可能になる。最高4回。
食人木を撃破したと同時に沢山の報酬が貰えた。帰還スキルは便利だし、回転連撃はボス戦の前に欲しかったし、オカルト図鑑は中を見てみたいし、で思うところが沢山あるけど、食人木のドロップもあるし確認はあとで。
食人木がいたところに複数のドロップ品が落ちている。
≪甘すぎる樹液≫
食人木が獲物をおびき寄せるために分泌している樹液。舐めると歯が溶けるくらい甘いので注意。
≪食人木の蔓≫
しなやかなで丈夫な蔓。ちょっとした力では千切れない。
≪人食いの球根≫
食人木の貯蔵器官。ここに動くための栄養を蓄えていた。
この三つがそれぞれ一つづつだ。
他にも幹を殴った時にやっつけた虫のドロップもひろう。
「さて、そろそろ帰りましょうか。」
「そうね、村長も私もそわそわしてると思うわ。私が先に伝えておくから、消してもらっていいかしら。」
「わかりました。じゃあ、またあとで。」
カラクルさんの分身を消して、私も帰還で村に戻ることにする。
「メエー、メエエ」 「ただいまー。」
羊達への挨拶もそこそこに返しそのまま小屋をでる。
羊達と戯れたい気持ちもあるが、それは用事が終わってから。偶には一日中羊飼いに戻るのも息抜きになっていいかも。
村長の家に真っ直ぐ向かい、扉を開ける。
「ただいま!」
「お帰りなさい。食人木撃破、おめでとうございます。」
「村長とカラクルさんがいなかったら勝てませんでしたよ。ありがとうございました!」
それから村長が消えた後に起こったことを報告していく。それと今まで心配をかけていたことを本当の意味で分かってなかったことも謝罪し、改めて感謝を伝えた。
途中でカラクルさんも来て、お祝いの料理を沢山作ってくれてたので三人でお祝いした。
「これからも沢山二人に頼らせてもらいますね、よろしくお願いします。」
「私の方こそよろしくね。貴女と会ってから楽しいことばかりで本当に嬉しいわ。」
「私もこんな風に人間と仲良くなるとは思いませんでしたよ。存分に私の力を頼ってください。」
この村でスタートきれてよかったな。
◇◇◇
小屋に帰ってきてから、≪オカルト図鑑≫をひらく。
これが今まで会ってきたオカルト達を記録しているなら、ランダムスタートの時に会ったオカルト達も記録しているのではないかと思ったのだ。
記録している数は十。思った通りに記録されているらしい、見てみると。
▽ メガロドン
巨大な鮫。
出現場所:ブルーホール
だけ。
…………会ったの一瞬だもんね、全然詳しいこと書いてない。説明文一言って……。
でも出現場所は書いてある。
ブルーホール。
かつての洞窟や鍾乳洞が海中へ水没し、浅瀬に穴が空いたように見える地形のことである。
現実の海にもあるもので有名なものは、ベリーズにあるグレートブルーホールだ。別名「カリブ海の宝石」「怪物の寝床」とも呼ばれている。
美しさと同時に恐ろしさも感じる場所で海に関する怪物がいるのではないかとささやかれている場所でもあるそうだ。
中は鮫や巨大魚が多く泳いでいるらしいので、鮫であり怪物でもあるメガロドンの居場所に設定されたのだろう。
昔はダイバーとか調査とかで人間も行けたらしいが、今は人間立ち入り禁止保護区になっているので、現実では絶対に行けない場所の一つでもある。
ゲーム内で行けるなら絶対に行ってみたい。メガロドンもう一回見たいし。
まあ、いついけるかはわからないけど……。船に海中での呼吸、戦闘になったら……、考えることが多すぎる。
他のページを見てみると、メガロドンと同じで名前と場所だけしか書いていないのばかり。
お、敵じゃないけど羊男も記録されてる。ペラペラとページをめくり次は、倒した食人木のページを開く。
▽ 食人木
人や大型動物を捕食する植物。獲物をおびき寄せる甘い匂いを発し、近づいてきたら枝や蔓で絡めとる。木に擬態しているので、その存在を知らなければ簡単に捕まってしまう。捕食に使う球根は栄養を蓄えておく貯蔵器官でもあり、弱点。
長く柔らかい枝や蔓を伸ばして獲物を捕らえる姿がタコのような、残酷な悪魔のような姿をしていることから、別名「デビルツリー」「タコの木」などとも呼ぶが、一番有名な名称はマダガスカルのとある部族がこの木を神聖な木と崇めて、甘い樹液をもらう代わりに人間を生贄にしていた話から呼ばれる「マダガスカルの木」という名前だろう。
出現場所:秘密の森
体長 :3メートル(根を含め)
ドロップ:甘すぎる樹液 食人木の蔓 人食いの球根
特性 :誘う樹液 匂いを嗅いだものは思考力が低下しまんまとおびき寄せられるが匂いを食人木のものと認識していると効きづらい。
擬態 周りにただの木であると認識させ、その脅威に気づかれなくする。
おお、詳しく記入されている。
現実での話も載せてくれるのいいなー、これは集めたくなる。
あと気になるのは特性だ。
今見るとなるほどなと納得してしまう。誘う樹液とかまんまだよ。虫ボーナスの木とか思ってたのは思考力低下していたのか。で、リベンジの時は食人木だってわかってたから引っかからなかったと。
擬態も同じだ。思い返してみると、食人木にはボス接近BGMも赤い点滅もなかったから油断していたのもあったんだろう。
完全に初見殺しのボスだ。こういうのがいるとわかった以上、今度からは気を付けないと。
……ん? じゃあ、森の中で接近BGM鳴った時にあった奴って何だったんだろう。
図鑑に記録されているか確認するが、見たことのないオカルトはいなかった。姿を見ないと記録されないようだ。
探してもいいけど、食人木の件で何回も森に入っているのに会わなかったということは、出会いにくい奴なんだろう。どうするかな。
とりあえずはここは〈帰還〉でいつでも戻ってこれる場所になったし、拠点を増やすために人間の街に行きたい。
たしかメリノさんが偶に人間の街に商売に行くって言ってたな。