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第三十八話「決闘禁止命令」


ここは喫茶ポワレの控室。

そこには落ち込み下を向いている詩音と

冷ややかな目でそれを見つめているレオナがいた。


「あなた、私に無断でアリス様に決闘を挑んだそうね」


「はい・・・申し訳ありません」


「アリス様が手加減してくれたからよかったものの、本気を出されていたら大怪我していたのよ?」


「……」


無言を貫く詩音。

レオナの言う通り、自分の実力はアリスの足元にも及んでいなかった。

例の魔術書を使えば勝てたかもしれないが、あの状況ではまた暴走し、双方甚大な被害が出たであろう。


「まあ、大した怪我がなくてよかったわ。ところでシオン・・・」


「は、はい」


まさか姉妹解散だなんて言い出されないよね、と詩音の心臓はバクバクしていた。

レオナの口からは予想外の言葉が発せられる。


「あなたは当分決闘禁止よ。修行もね」


「え!?」


姉妹解散と言われなくて安心した半面、

詩音が強くなる為に欠かせない決闘や修行を禁止されるのは痛手だった。

これでは最強の魔女への道が遠のいてしまう。

しかし姉であるレオナの命令だ、詩音は従うしかない。


「その代わり喫茶ポワレで頑張りなさい。淑女の嗜みを覚えられるわ」


「はい・・・」


淑女の嗜みなら当に極めているのだが、百合喫茶の百合営業を極めてなんの得があるのだろうと疑問に思う詩音であった。


―喫茶ポワレ


「あらあなた、タイが曲がっていてよ」


「ありがとうございます、お姉様」


「わざと」曲げておいた詩音のタイを直すレオナ。

その度に歓声が上がる。


「紅茶になります、お嬢様」


詩音がお客に紅茶を机の上に置く。


「あああありがとうございます!」


緊張してるのか慌てているお客。

最近では詩音目当てに来るお客も少なくない。

こんな事をしていていつアリスを倒せるようになるのかと焦る詩音であった。

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