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第二十二話「姉妹の契り」


「なんであんたがここに?」


「おやおや、現代完璧生徒会長さんがすっかり可愛い妹になりさがっちゃって」


「なっ!?」


突然の暴言にカチンときた詩音。

確かにこの神の言う通り現代最強の称号からは遠のいてしまったが、

レオナの妹である事に多少なりとも誇りが芽生えて来た詩音に、

この一言は逆鱗に触れるものだった。

しかしレオナの手前我慢する詩音は会話を続ける。


「・・・導きの魔女様、鉱石を頂きたいのですが」


しかし神の返答は予想外の物であった。


「君の希望であれば元の世界に戻してあげれるけれど?」


「え!?」


少し前の詩音であれば答えはYESだったであろう。

しかし今は愛おしいレオナがいる。

まだLikeなのかLoveなのかは分からないが今のレオナとの関係を考えたら答えは決まっていた。


「冗談じゃないわ。今更元の世界になんて戻れないわよ。こちらの世界でかけがえのない存在を得たんだからね」


「うぷぷぷ、随分と恥ずかしい台詞を言うようになったんだね、現代最強生徒会長さん」



「・・・冗談はいいから鉱石を頂戴」


「はいはい、鉱石ね」


この世界の神こと導きの魔女はあっさりと鉱石を渡してくれた。

あまりにも拍子抜けだったが、レオナはそれを笑顔で迎え入れてくれた。

その後は王都の宝飾店に注文を依頼して終わりである。

そして・・・


「はい、これが姉妹の絆の証よ」


「ありがとうございます、お姉様!」


それは首にかける鎖の付いた銀色の十字架の付いたネックレスだった。

詩音の首にネックレスを掛けるレオナ。

その顔は女神の様に慈愛に満ちていた。


「最初はお姉様にせっつかれて誰でもよかったのだけれど、今はあなたを妹として大事に認めているわ」


「お姉様・・・」


今の詩音にとって感慨深いお言葉である。

これまでの片思いの関係以上に、両想いになれたのだから。

こうして姉妹の契りは終幕を迎えたのであった。


「ところでお姉様のお姉様って誰なんですか?」


「あら、言って無かったかしら?アリス様よ」


「ええええええええええええええ!?」


いつか決闘を申し込もうと思っていた少女がお姉様のお姉様だなんて!

これは決闘申し込みにくくなったなぁと思う詩音であった。

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