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第二十一話「導きの魔女」


「姉妹の絆の証」の材料を求め導きの洞窟と呼ばれるダンジョンに入った詩音とレオナ。

この最深部にはあらゆる物事を予知し導いてくれる魔女がいるという。

そしてその魔女が管理する鉱石が今回の目的と言う訳だ。

その鉱石には不思議な力があり、縁結びの効力もあるとか。

今の詩音には願っても無い効能である。


「何を立ち止まっているの?行くわよ」


「は、はい!」


姉妹の絆の完成品とその送られる瞬間を妄想・・・もとい想像していた詩音は意識を切り替えると、レオナの所へ駆け足で急いだ。


―30分後


「お姉様、大丈夫ですか?」


「問題・・・無いわ」


体育の成績も優秀な詩音は運動も得意で体力お化けである。

こんな洞窟等造作もない。

一方で箱庭育ちでお嬢様のレオナにはこのような洞窟探検は厳しいのだ。

詩音はあのレオナにも可愛い所があるのだなぁと微笑ましく思った半面、大丈夫かなぁと少し心配になった。


「お姉様、私疲れました。よろしければ少し休憩しませんか?紅茶持ってきたんです、ほら」


詩音がレオナに水筒を見せる。


「しょうがないわね、ここで休みましょう」


プライドが高そうなレオナを休ませるには自分が疲れたフリをしなくてはならない、そう考えた詩音は手間のかかるお姉様だなぁと少し微笑ましく思った。

そして高そうなハンカチを地面に広げ敷くレオナと詩音。

直接地べたに座ったらスカートが汚れてしまうから仕方が無い。



あれから15分、紅茶とお菓子、そして幾ばくかのお喋りを楽しんだ詩音とレオナは立ち上がり、再び最深部を目指した。


「しかし本当に静かですねぇ。ここまで魔物がいないなんて」


「この場所は定期的に王都の兵士が見回りに来てるのよ。知らなかったの?」


「そうなんですか?」


「導きの魔女へのお伺いは王家の方々もしている事なのよ。それくらい当然だわ」


「はぁ…」


いきなりのスケールの大きい話に声も出ない詩音。

そんな詩音達が歩いていると視界の先に小屋が見えた。


「お姉様、見えましたよ!」


「あ、シオン、待ちなさい!」


小屋に向かって走り出す詩音。

すると足下の魔方陣が発動し、巨大な鉱石の番人、ミスリルゴーレムが現れた。


「こんな所で止まっていられないわ!」


詩音は氷剣を精製し構え斬りかかる。

が、強固なゴーレムの身体には傷一つついていない。

慌てる詩音にレオナが肩に手をやる。


「あれは導きの魔女様の守護兵よ、迂闊に手を出すものではないわ」


レオナは詩音の一歩前に出るとゴーレムに向かって叫んだ。


「導きの魔女様、聖マリアンヌ女学園の魔女レオナです!鉱石を頂きに参りました!」


ゴーレムは戦闘態勢を解くとレオナ達に道を譲った。

さあいよいよ導きの魔女とのご対面である。

詩音の目の前には漆黒のローブに身を纏った女がいた。


「あれ・・・あの人どこかで見た様な・・・ああっ!?」


「どうしたのシオン、いきなり大声出して・・・」


そのローブの人物は忘れもしない。

自分をこの世界に転生させた神だった。



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