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第二話「決闘と婚約破棄」


「いくぞ女!」


ゲイルは腰の剣を構えると詩音に突撃してきた。

詩音はそれを剣でいなそうとするが、それはフェイントだった。


「中々の剣術ね。でも・・・!」


詩音はゲイルの剣を次々と受け流し、避け、自分への一撃を一度も許さない。

そしてついにはゲイルの剣を吹き飛ばした。

吹き飛ばされた剣は宙を舞い地面に突き刺さった。


「く・・・おのれぇ!」


ゲイルは魔術書を取り出すと何やら呪文を唱えた。

するとゲイルの目の前に巨大な魔方陣が現れ、光と共に巨大な竜が現れた。


「くくく、女ぁ!消し炭にしてくれるわ!」


ギャアアアアアアアアス!!!


竜は咆哮を詩音に向けるが詩音はそれにも動じない。


「魔法もありなのね。それじゃあ・・・ブック!」


古びた魔術書が詩音の手元に現れる。

そして詩音はパラパラとそれをめくるとその中の呪文の一つを唱えた。

先程のゲイルの魔方陣より一回りも二回りも巨大な魔方陣が詩音の前に現れる。


「我が名は竜王デュオン・・・人間よ、何用か」


「あのトカゲを何とかして頂戴。私爬虫類苦手系女子なの」


「おやすい御用だ。貴様はどこの一族の竜だ」


竜王デュオンがゲイルの召喚した竜をジロリと睨みつけると、その竜は魔方陣と一緒に消えてしまった。


「あ、消えるんじゃない!」


「さてゲイル様、これで婚約を破棄して頂けますね」


「冗談じゃない!小娘に舐められたとあってはゲイルの名が廃る!」


「しょうがない・・・下がっていいわよデュオン」


「承知」


詩音が合図するとデュオンは魔方陣と共に消え去った。

それをチャンスと捉えたゲイルは歪んだ笑みを浮かべると、剣を拾い詩音に突撃してくる。

するとシオンの背後に浮遊した5つの杖が現れ、それぞれ火水大地風雷の五大元素の魔術をそれぞれ放ってきた。

魔術はゲイルに直撃する事はなかったがゲイルに恐怖心を与えるには十分な威力だった。


「これで文句ないわよね?」


「……」


意気消沈し沈黙するゲイル。


「魔女め・・・!この屈辱忘れんぞ!」


魔女というのはこの世界で魔術を極め好き勝手してる超級ウィザードの事である。

褒め言葉なのか悪口なのかはよく分からないが、とりあえず婚約破棄出来たという事でその場は落ち着いた。

そして・・・


「悪く思わんでくれシオン。これが君の為なんだ」


「事情は分かってますわ、お父様」


この決闘以降、婚約要請が決闘に繋がり、家名に傷が付くことを恐れた父親は詩音をとある名門の全寮制の魔術女学園に入学させる事にした。

詩音は元の現代同様に煩わしい学園生活になりそうだなと危惧しつつも、

婚約と婚約破棄の連鎖を断ち切れる事に安堵を覚えていた。





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