表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/47

第十六話「小さなライバル?」


「シオン様、あなたをレオナお姉様の妹だなんて認めませんわ!」


突然喫茶ポワレに乗り込んできたウェーブのかかった金髪の小柄な少女。

どうやらこの間決まった詩音のレオナの妹宣言に文句があるらしい。

彼女は3年生の魔女達をさしおいてこの喫茶ポワレにおいて一番人気なのである。

しかもこれまでずっと妹を取ってこなかったのに、決闘という強引な形でかすめ取られたのである。

納得もできない者もいるだろう。

メディナと名乗るこの少女もその一人だった。


「あなた・・・まさかお姉様の本当の妹?」


「レオナお姉様の姪ですわ!」


じゃあお姉様じゃないじゃん、と心の中でツッコむ詩音。

そんな詩音の気持ちを無視してぐいぐいと詩音に寄って来るメディナ。

しかし詩音は臆せずツッコむ。


「そもそもあなた中等部よね。高等部のお姉様の妹にはなれないんじゃなくて?」


「後一年待てば妹になれますわ!」


まあそうなのであるが、それはレオナが丸々一年間妹を作らなかった場合である。

彼女のそのチャンスを奪う事に気付いていないのだろうか。

そう考えると、詩音は自分がレオナの妹である事に反対だったにも関わらず腹が立ってきた。


「その一年を棒に振るお姉様の気持ち、考えた事は無いの?」


「???、最高の妹を得られるのに何に不満がありますの?」


どうやら彼女は自分に余程の自信があるらしい。

呆れかけていた詩音を余所にそれを諫めたのはレオナだった。


「メディナ、やめなさい」


「だってレオナお姉様・・・」


「だってもありません、見苦しい」


メディナの頭を軽くポンポンと叩き、なでなでするレオナ。

あれだけうるさかったメディナは子猫の様に大人しくなってしまった。

しかしあちらの方が実に本当の姉妹らしいではないかともやもやする詩音。

嫉妬ではない、ないのだが何故かもやっとする。

その気持ちを晴らしたのはメディナの一言だった。


「それではシオン様、私と妹の座を賭けて決闘しましょう」


「ええ、いいわよ」


詩音はレオナの妹である事に未練はない、筈だったのだが一目惚れしてしまった以上そうはいかない。

レオナは違うかもしれないがいずれ両想いになって甘々な姉妹生活を手に入れてやる。

そう決意している詩音に断る理由はなかった。


「じゃあ中庭で」


「臨む所ですわ」


自信満々のメディナ。

今迄中等部で決闘に負けた事も無いし、二年生、三年生のお姉様方も一目置いてくれている。

レオナとの仲だって詩音とは引けを取らない位、いやそれ以上の関係な筈だ。

レオナも快く賛成してくれるだろう。

しかしそこに意外にもレオナが割って入った。


「私を無視して勝手に話を決めないでシオン」


「私は負けませんよ?」


「勝ち負けの問題じゃないわ。まあ、あの子にも良い薬になるでしょうから受けてあげなさい」


「お姉様・・・わかりました、お姉様のお許しも出たしその決闘受けます。いいわね、メディナちゃん」


「当然受けて立ちますわ・・・それと馴れ馴れしく呼ばないで下さる?」


一応一個上の先輩なんだけどなぁと思いつつも決闘を受ける詩音であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ