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第十一話「王都襲撃・前編」




「ふー、食べた食べた」


「姉御、ゴチになります」


「これに懲りたらスリなんてしちゃだめよ?」


優しくスリの少女をたしなめるシルフィーヌ。

そして姉御と言うのは詩音のことだ

スリの少女はおすすめのスイーツのお店巡りのガイドをしている。

無論お金なんて無いので全て詩音の奢りだ。


「所でこの王都って魔界に隣接してるんでしょ?危険じゃないの?」


「姉御は知らないんですか?王都には結界があって魔物が入れないんですよ」


「ふーん、そうなの・・・じゃああの巨大なドラゴンも入れないって訳?」


空を指さす詩音。

そこには巨大な白竜の巨体があった。


「そりゃもう完璧な結界ですからってええええええええええええ!?」


「どうしたの、目玉でも飛び出した様な大声出して」


「あんなに巨大なドラゴン来た事ありませんよ!」


「結界は大丈夫なの?」


心配するシルフィーヌに対し首を振るスリの少女。

どうやら大丈夫じゃないらしい。

ならばやる事は決まっている。

詩音は被害が出ない様に王都の広場に移動した。


「ここなら大丈夫ね」


「シオンさん、何を・・・」


「ブック!竜王デュオンよ、我の前に姿を現せ!」


詩音の前に魔方陣が現れ眩い光を放つ。

そこに現れたのはかつてゲイルのドラゴンを敗走させた竜の王デュオンであった。


「小娘よ、何用ダ・・・」


詩音は天を指さしてデュオンに問うた。


「あの白い竜は何者なの?いい奴?悪い奴?」


「奴の名はブリュンヒルデ、邪竜一族の物ダ・・・」


「邪竜・・・て事は悪い奴ね!結界壊そうとしてるし!」


「シオンさーん、大丈夫ですかー!」


心配するシルフィーヌだが詩音はデュオンとの会話に夢中で聞こえていない。

そしてあろう事か詩音はデュオンにまたがったのだ。


「さあいくわよデュオン!」


「ヲイ待て!そこまでするとは契約には・・・」


「この魔術書には主人の命令には絶対服従って書いてあるわよ!早く私を空に運びなさい!」


「しかたがなイ、掴まっていろ」


デュオンはその大きな羽を羽ばたかせると空高く飛翔した。

シルフィーヌとスリの少女はただ唖然とそれを見ている事しかできなかった。


―王都上空


「ヲイ貴様、こんな所で何をしている」


デュオンが白竜ブリュンヒルデに問いかける。

しかし傲慢にもブリュンヒルデはそれを無視し結界への攻撃を続けている。


「操られているってパターンでもないわよね。精神系の魔術痕跡が無いし」


「小童が!この竜王を無視するなど万死に値する!」


「あ、馬鹿!やめなさい!」


詩音の制止も間に合わず、竜王デュオンの攻撃と白竜ブリュンヒルデの一撃が重なり、ついに王都の結界は崩れ去った。


「はっ、これは思わぬゲストの登場ね!」


どうやらブリュンヒルデには人が乗っている様だ。

その白い仮面の女騎士は王都領内に侵入すると王城へと向かった。


「追いかけて!・・・とその前に壊した物は直しておかないとね。ブック!」


詩音が古びた魔術書を開くと王都を覆える程の超巨大結界が張られた。

しかも以前よりもより強力である。

これで文句も無いだろう。


「これで援軍も魔物もこれないでしょ」


詩音が察した通り、ブリュンヒルデの仲間と思われる中型の邪竜達が竜騎士を乗せ王都へと迫っていた。

もし結界がなければ今頃彼らの侵入を許し王都は大混乱を極めていた事だろう。


「さあデュオン、王城に向かって!後シルフィーヌは念の為皆を避難させてね!」


「わかりました!さあいくわよ!」


シルフィーヌがスリの少女の手を取る。


「姉御もお気をつけて!」


「任せといて!」



王城に向かった謎の仮面の女騎士の正体と目的は?

詩音は果たして間に合うのか?

物語は続く。


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