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<episode 17> 悪役令嬢、専属メイドの参戦を認める。

「スイーティアさん。お願いですから、あなたは安全な場所に隠れていてください」


 一生懸命スイーティアをなだめるヒッヒ。クックとヒャッハーも一緒になってスイーティアを説得しようと試みている。

 一体、何が起きているのかというと───


「お嬢様、私も戦います!」


 ふんす!と鼻息を荒げてガッツポーズをしてみせるスイーティア。

 彼女の参戦表明が発端だった。

 スイーティアにしてみれば、主人であるワタクシが最前線で戦っているというのに自分だけ安全な場所で傍観者になるわけにはいかないというわけである。

 三人組も彼女の勇気と忠誠心は十二分に認めているものの、参戦するのは危険だとたしなめるのに必死だ。


「だから何度も言っているように、普通の人間が悪魔と戦うなんて無理なんですってば。

ご主人様が異常なだけなんですよ?」


「そうであります。ご主人様は常識外れの突然変異の異常者なのであります」


「そうそう。ご主人様は本当に人間かどうかすら怪しいもんね~」


 三人組が口をそろえてワタクシの異常性を強調する。

 ひどい言われようだ。後ろから蹴飛ばしてやろうかしら。


「いいえ、私は決めたんです。これまではお嬢様に守られてばかりでしたが、これからは少しでもお嬢様をお守りしたいのです」


 ここまで言われてはワタクシも静観しているわけにはいかない。


「……スイーティア。貴方はいつも極上のスイーツでワタクシの心の平穏を守ってくれていますわ。無理に戦う必要なんてありませんのよ?」


「いいえ、お嬢様。私は無理なんてしていません。お嬢様と一緒に戦いたいのです」


「……そう。では、貴方の意志を尊重します。共に戦いましょう」


「お、お嬢様!? よろしいのですか?」


 ヒッヒが、あたふたと慌てふためく。せっかくのイケメンが台無しだ。


「何事もやってみないとわからないでしょ? やる前から無理だと決めつけるなんてワタクシの主義に合いませんわ。スイーティアが戦いたいというなら戦えばいい。自分の生き方は自分で決めればいい。自分の意志を貫こうとする人を、ワタクシはいつだって応援しますわ」


「お嬢様……。ありがとうございます! 不肖スイーティア、必ずやお嬢様のお役に立ってみせます!」


 むふー!と鼻息を荒げて、握りこぶしを突き出すスイーティア。やる気がみなぎっている。

 やる気なのは大変結構だが、ワタクシの大事な専属メイドに万一のことがあってはいけない。スイーティアのやる気を削がない程度にこっそりと魔法をかけて、彼女に怪我がないようにしておくとしよう。


 付加:防御力アップ

 付加:4倍速

 付加:対魔法(アンチマジック)防御(シールド)

 付加:即死耐性

 付加:HP自動回復

 ……と、このくらいやっておけば一安心かしら、ね♪

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