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凶竜の姫様  作者: 京衛武百十
新生活
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錬義と斬竜、新しい世界を生きる

マヒルやヤナカと再会した翌日も、錬義(れんぎ)斬竜(キル)はいつも通りに協力して狩りをし、命を繋ぎ、一緒の時間を過ごした。


新しいミネルバが完成するまでは、そういう淡々とした時間が続くだろう。けれど、それも悪くない。


と同時に、錬義は新しい調査のための準備も始めていた。新しいミネルバの設計に合わせて様々なそれも必要だろう。


一番重要なのは、ラーメンだ。カップラーメンではなく、包装すら省略した<糧食>としてのラーメンでも、毎日最低一個は必要であるなら、百数十は持っていかないといけないだろう。これはなかなか厳しいが、斬竜のためならやらないわけにはいかない苦労だ。ラーメンのために他の装備は最低限に絞る。


もっともそれは、錬義が一人で調査を行っていた時のそれと変わらないという意味でもある。二人分になっても、そんなには大荷物にならないだろう。


ラーメンさえ切らさなければ、斬竜も機嫌を損ねないだろう。


それもあって、次の予定は百日。期間は少し短くなるものの、新しいミネルバはこれまでの倍の速度が出せる予定なので、移動時間は短縮できるはずだ。


「斬竜、僕と一緒に来てくれるかい?」


ベッドに横たわりながらそう問い掛けると、


「……」


彼女は承諾の意を示すかのように唇を重ねてきた。まだそこから先の関係にまでは進んでいないものの、それもそんなに先のことでもないだろう。


「ありがとう。愛してる……」


口付けの後、錬義は微笑みながらそう囁いた。


そんな二人を、ホビットMk-XXX(サーティ)のボディにリンクしたミネルバが静かに見守っていたのだった。




なお、これから一ヶ月後、新しくなったミネルバに乗り込み二人が錬是(れんぜ)を飛び立っていくのだが、それはまた別のお話である。







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