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凶竜の姫様  作者: 京衛武百十
出逢い
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七賢人と呼ばれた人間達

錬義(れんぎ)が口にした<アンデルセン>は、七賢人の一人、いや、ロボットなので正しくは<一体>もしくは<一機>なのだが、朋群(ほうむ)人の社会の基礎を築いてくれた始祖<錬是(れんぜ)>の臣下ということもあって敢えて<七賢人>と呼ばれている者達の一人でもあるアンデルセンが責任者を務める町だった。


ただし、<町>という体裁は取っているもののその実態は<総合研究施設>であり、同時に、朋群(ほうむ)人の社会にとって何らかのリスクが予測される対象を隔離・監視・観察する施設でもある。それは防疫上の観点からも当てはまるものも含むので、斬竜(キル)はまずそこに収容される。


が、<凶竜>並みの危険度が予測されるようなものでもない限り、<隔離>や<監視>という言葉の印象から受けるほどの物々しい対処をする移設でもない。あくまでも用心のためのものなのだ。そのため、一見すると宿泊施設がいくつも並ぶリゾート地のようにさえ見える。というのも、<フーラ>と呼ばれる湖を中心に築かれた町でもあるからだ。


なお、朋群(ほうむ)人達の生活圏である台地<錬是(れんぜ)>には、現在、百を超えるいわゆる<自治体>が存在するが、そのすべては多くて人口数万人程度の小規模なものである。多種多様な種族が暮らすため、それぞれの生活習慣などにより<住み分け>が推進された結果でもある。そのため、中にはほぼ単一の種族だけで構成されている自治体もあったり。


今から目指すことになる<アンデルセン>も、そういう自治体の一つでもある。そこで斬竜(キル)は防疫上のいくつかの検査と経過観察を受けたのち、問題がなければ他の自治体に移ることもできるようになるという形だ。


そこを目指し、ミネルバは飛行を続ける。


『まあ、一応、エレクシア様のお目覚めにはギリギリ間に合うかな……』


そんなことも思う。始祖<錬是(れんぜ)>の名の一部を受け継ぎながらも血の繋がりはない錬義(れんぎ)ではあるものの、七賢人のことは敬っており、特に<貴人エレクシア>は、七賢人の中でも最も位の高い者でもあるのだった。




なお、せっかくなのでついでに触れておくと、元々<七賢人と呼ばれた人間達>もいたのだが、本人達があまり祀り上げられることを望まなかったので、影武者的な意味合いで七体のロボットをそう呼ぶようになったともいわれているが。


ちなみに、人間の方の<七賢人>は、


シモーヌ。


(ひかり)


(あかり)


ビアンカ。


遥偉(とおい)


ルコア。


アレクセイ。


の七人であるとされている。ただしこれも諸説あって確定はしていないそうだが、こちらについては必要があれば触れることもあるものの、基本的には忘れてもらっても構わないと思われる。



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