1・登校
主人公が登場人物達と仲良くなるまでは基本的に名字で記載します、仲良くなってきたキャラから名前にかわります。
(高三なのに仲良くないのはそれはそれです)
【魔法】と【剣】の世界を今ここに!!
伝説のRPGゲームが甦る!!
テレビをつけるとありきたりな宣伝をしているCMがやっていた。
そんなCMを深くため息をつきながら飛鳥は観ていた。
ありきたりすぎるな…。
制服のネクタイを整えながら飛鳥はリモコンを手に取りテレビを消した。
時計をチラリと見ると登校時間が迫っていて大慌てで飛鳥は家を飛び出した。
卒業間近で問題を起こすわけに行かないと坂を下りながら急いで走った。
「おはよう」
「おっと、おうはよー相変わらずのイケメンだな」
「朝から何言ってるんだよ」
坂を降りると幼なじみである咲が挨拶をしてきた。
飛鳥と咲は古くからの幼なじみだが二人は生きてる世界が違う、幼い頃からイケメンだった咲はよく女の子から告白されるモテ男で飛鳥は特にパットしない地味な高校生だった。
二人で雑談をしながら学校に向かっていると後方から咲を呼ぶ声が聞こえてきた、飛鳥は咲に軽く言葉をかけると小走りに学校へと向かっていった。
咲と一緒にいると咲のファンが五月蝿いので飛鳥はいつも学校の少し手前で咲と別れるのだ。
咲と別れて学校へ向かった飛鳥は一人黙々と教室で読書に勤しんでいた、最近の飛鳥のお気に入りは異世界に転生するファンタジーだ、RPGのモブだった頃の記憶が甦った後、飛鳥は現実を受け止める事が出来ず現実逃避するために本屋でそう言う本を買い漁っては読み込んでいたのだ、前世の事を思い出しながら一人無心になっていると肩を叩かれた。
「……なんだ木赤さんか」
「おっはよー相変わらず地味だねぇ」
「はぁ」
飛鳥の肩を叩いたのは木赤だった、飛鳥の隣の席の赤条の幼なじみだ。
何故こんなに馴れ馴れしいのか…。
飛鳥はため息をついた後読んでいた本にまた目を落とした。
「あー!そんだけ?モテないぞー黒木!」
「あいにくだが俺はモテたいと思ってないからな」
「ふーん」
木赤は飛鳥に興味を無くしたのか自分の席へと戻っていった。
飛鳥はようやく本を読むことに集中することができた。