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ゲームの世界が現実に  作者: わけわかめ
Ver,1 Assimilation Game
13/15

火山、そして、攻略 その2

メイを仲間に入れた新チームの初陣は早速ボルボ火山だった。

車から降り、入口の前で簡易ミーティング。

…他の奴がいる気はしない。

そろそろ誰か来てもいいと思うんだがな

「メイちゃんは溶岩の蛇を中心に撃って大きい敵を近づけないようにして。細かいのはカナカムが止めるから」

「わかりました!」

「カナカムは前と同じ。わかめんはメイちゃんの撃ち漏らした標的を切って」

「了解!」

「あいよ」

「それじゃ今度こそ…クリアするわよ!」

はいっ!』




で、前と道が違うような気もするが誰も欠けずにデカイ溶岩蛇の所まで来た。

前と変わらず暑かったがまだ何とかなる。

今回は採掘もしながらだったから時間はかかったがな。

前よりも暑くないか?

「さて、ここまで来たわね。ここのボスは簡単に言えば大きな溶岩蛇。ふた回りぐらい大きいわ。ただ口の中からも溶岩蛇が飛んで来るから注意。」

一点突破でなんとか届いたぐらいだったな…

「で、これは推測だが打撃属性がついた攻撃で倒すと増えて復活する。銃撃で増えるかは知らん」

食べられるのはあんまりいい感覚じゃない。

「取り巻きの燃えてる蝙蝠も面倒よ…強くはないけど数が多い」

ああ…多かったな…

「私はどうすれば…」

メイがおずおずと手を挙げる。

「…ああ、言ってなかったわね。メイちゃんの仕事は打ち出される小さな溶岩蛇の処理よ。蝙蝠も余裕があれば撃墜して欲しいわ」

「わかりました」

「他に質問は……ないわね。それじゃあ、突撃よ!」

空洞の中へ足を踏み入れた瞬間、地鳴りが体に響いた。

「怯まないで!わかめんとカナカムは前に出て!」

声が耳に届いた瞬間、身体は勝手に駆ける。

地響きに反応したのか出てきた蝙蝠は通れる程度に片付け、牙のところまで……

「蛇多くない!?」

…前回の時と違い、大蛇は2匹に増えていた。

これ…どっちから斬れば…

「わかめんは右に!」

「っ…あいよ!」

縮地で牙の上を飛び移り、首元へ肉薄する。

飛んでくる細かい蝙蝠は蹴り飛ばし、蛇は弾け飛ぶ。

そして…射程内に入った。

「…羅刹那」

時が飛んだかと錯覚する程に早く鋭い斬撃。

抜刀の過程をすっ飛ばしたかのようだった。

「復活は…しないわね。わかめん、次もお願い!」

返事は行動で示す。

空を踏みしめ、縮める。

目前の蛇は俺を迎撃しようと口を開けたが…もう遅い。

そこは射程内だ

「飛流星……貫く…!」

一条の星となって、溶岩の塊が撒き散らされる。

体力が少なかった(・・・・・・・・)からこその結果だろう。

「って熱い!」

ちょっと溶岩が付いたぞオイ!?

「お疲れ様わかめん。そろそろオーガのように討伐サインが……パリィサークルっぅ!?」

切断属性なぞ関係ないと言わんばかりに蛇が4体へと増え襲ってきた。

それにカナカムは即座に反応し、防御スキルらしいそれを発動した…が、少々間に合わず腕に大きな火傷が。

ポーションを掛けても…治らないか。

「チッ…サクヤ!俺はあの穴の下に行く!蛇が何処から来ている(・・・・・・・・・・)のか調べてきてやるよ!」

……サクヤから許可はもらった(勝手にしてと言われた)

一応持っている分のポーションをカナカムに押し付け、牙渡りをもう一度敢行する。

前までのように縮地を使うと頭痛がするようなことはなくなった。

ただ、疲れだけはどうしようもない…結局は気合だな。

気合が全てを解決する……って考え事をしてる場合じゃなぁっ!?

「わかめさんっ!私が道を作りますから行ってください!」

目の前にあった蛇の顎門が音を出し弾け飛んだ。

メイの銃撃か。

「最初からそのつもりだ。少し余所見してた」

余計な事は考えるな。

進め、飛んで、そして…穴に落ちろ。

ちらっと上を見たが風穴のようだった。

つまりここは火口、この下にボルボ火山の心臓部分があるんだろう。

……ビンゴ。

溶岩の柱が一本、途轍も無い先の底から立っている。

溶岩蛇へと続いているから…根本から切り落とせばいいな。

それにしても思っていたほど怖くないな。

やった事はないがスカイダイビングみたいだな。

……紐なしバンジーもあるか

不思議と安心感はあるんだよな…っともう底が見えてきたな。

チャンスは一度切り、何というか銃のバレルを纏めたような場所から出ている柱の根元、そこから刈り取る…!

「点じゃない、刈るなら……羅刹那ァ!」

俺にも見えない刹那の抜刀は、無事に柱を……

「グハッ」

首の骨が折れた


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


蝙蝠の増援が止まった…?

蛇も私達が攻撃してないのに形を崩した…漸く一息つけそうね。

「はぁっ…はぁっ…わかめんがまたバカやってくれたようね…」

「私が守った甲斐あった!…つぅ…まだ腕が痛い…」

「…カナカムは休んでなさい。どうせ後はリザルトだけよ」

メイちゃんもお疲れのようね。

あとはわかめんだけだけど…流石に死に戻りかしら?

……わかめんからメールね。

大方死に戻った報告でしょうけど…


[まだ終わってない。すぐに出ろ。第二形態だ

俺もすぐ戻る]


「だっ…だっ……第二形態!?」

この疲弊した状態からまだ戦わせるつもり!?

「カナカム!わかめんからメール!すぐに此処を出るわよ!」

「え…なんで…もう少し…」

「ダメよ、第二形態があるらしいわ」

この山が揺れてる…ああ、外に出ろってそういうことなのね。

「メイちゃんも立って!団扇はクールタイム残ってるわね!?一旦ステートに帰るわよ!私にしがみついて頂戴!」

「わかりました……!」

……確かに硬いわね、シリコン?

「団扇使うたってここは天井があるし……まさか」

「そのまさかよ!カナカムもこっちに来なさい…飛ぶわよ」

崩れた溶岩蛇、残骸が冷えて出来た道。

これならまだ…歩けるわ。

「どうなっても知らないから!サクヤ、手を取って!」

「…わかったわよ……ふふっ、遊覧飛行かしらね」

「惚気てる場合ですか!?」

底が見えないほどの大穴。

そして上は…空いてるわね。

「カナカム、1 2の3で飛ぶわよ」

「それって言い終わった後?3のんで飛ぶの?」

「行くわよ!1、2の……さーんっ!」

膝を曲げて飛ぶなんていつぶりかしら……

何処に降り立つ赤き影(グヒンサン)!」

飛び降りてすぐに身体は風に包まれ…いや、同化する。

…何度やっても不思議な感覚ね。

飛ぶよりも乗るの方がいいかしら

「サクヤさんっ!下、下見てください!」

「何かあったのかし…ら……」

さっきまで居た場所がもう、マグマで埋め尽くされている。

後数分でも遅かったら呑まれていたのかもしれない。

それに勢いは増して……

「カナカム!もっと速度出して!このままだと共倒れよ!」

「待ってそんな事……出来そう!?」

「っ…いいから早く!」

よく見るとわかめんが倒したはず(・・・・・・・・・・)の溶岩蛇が何本も何匹も生えているのが見えた。

もしかして…これが第二形態なのかしら…?

「ちょっとズレても知らないからね!」

「…え、ええ!容赦なく飛ばして!」

「でも少しは優しくお願いしまぁぁぁすっ!」


迷ってる暇はないわ。

早く、脱出して…わかめんと合流しましょう。


"第1形態"の溶岩蛇の名前は[ボルチャネク]

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