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ゲームの世界が現実に  作者: わけわかめ
Ver,1 Assimilation Game
11/15

火山、そして、攻略 その1

今日はボルボ火山特攻の決行日。

先日勝手にボスに挑んで、そしてデスルーラした罰としてライト鉱石で槍を作らされたが無事に完成した。

「よし、使いやすいね。鉄より振り回しやすいかも」

と言っていたしな。

試運転のアイアン狩りも無事に終わったらしい。


荒ぶる槍は疾風の如し(サイクロンスピアー)がいつもより強い気がしたとも言っていたような気がするが…俺には関係ないか。

ともかく、俺は時間より少し早めに屋敷の正門の前で二人を待っている。

ステートの街の中はまだ人が多い。

マーチェン到達者がちらほら3ちゃんねるのような雑談板にも出てきているがまだここを拠点にしているんだろう。

なんせノーコストでワープできるしな。

ただこれだけ居ると車で出発しにくい。

街の外に出るまでは徒歩になりそうか。

……っと、まだ時間かかりそうなのか。

なら通行人ウオッチングでもしよう。

見たところやはり剣を背負っている人族が多い。

たまに槍やハンマーもいるが人気は根強いらしい。

弓といった遠距離武器もない事はないが…1人異色を放つモノ(・・)がいた。

モノと言ったのはそのプレイヤーらしき存在の身体が機械のように見えたからだ。

そして背中には銃がある。

……そう、日本では中々お目にかかれない狙撃銃だ。

リアリで入手できるわけでもないだろうに…製法が気になるな。

もし初期装備だったのなら…格差が酷い。

俺は木刀だったからな…

「お待たせわかめん」

正門横の柱の上で待っていたら2人がやってきた。

サクヤは冒険服の偉人装備、カナカムは俺と同じライト鉱石製の防具だな。

「時間通りだな」

「当たり前よ…私を誰だと思ってるの」

黒幕(ギルマス)

「ちょっと!?ギルマスは私!」

「カナカムはいつも店で寝ているだけじゃない」

「いっ…いつもは寝てない」

「へぇ…なら寝てはいるのね」

「……あっ!?」

初対面の時も寝ていたしな。

サボっている印象が強い

「ともかく、早く火山行くから!無駄話は終わり!」

「…勢いで誤魔化したわね」

「だな」




「はい到着!」

悪路をスーパーカーで突っ切るのは無理があるだろう。

……あ?欧州にに自分の4WDがあるからいつか取りに行く?

……なら、次の拠点はそこだな。

「勿論カナカムが操縦よ?私達は免許持ってないし。」

「くっ……誰か従業員も連れて行こうかな…」

「おいおい契約外労働だろ」

「勿論説得して連れて行くって。誘拐なんてしないよ、令嬢特権なんてない」

怪しい言い方だな

「すでに行使しているしね。今更よ」

「…ハッ、確かに!?」

「茶番はそこまでだ。時間が勿体無い」

騒いでいたら魔物も寄ってくるしな…

「そうね、早く行きましょう」

「あーっ待って私まだインベントリに入れてないからぁっ!」

火山の中は案の定暑い。

暑いを通り越して熱いか。

だが…俺達には秘密兵器がある。

「はぁ……クーラードリンクがなかったら即死だった…」

「よく見つけてくれたわね」

「まぁな」

デート中に道具屋で見つけたコレはポーションのように見えてその実は身体を冷やしてくれるクーラードリンク。

外で飲むと普通に寒くなる。

ただ身体が冷えただけであってマグマの中に突っ込んだらダメージを受ける。

…試してないがそれこそ身体が溶けて即死だろ。

「よーし行くわよ!」

サクヤが前に出て先導する。

ギルマスよりサクヤが先導する方が安定感が違う。

「…遺跡で調子乗って息が上がってたわかめんに言われたくない」

「ぐっ…痛い所を…」

俺が前に立っても後ろを見れる気がしない…

「でもカナカムがタンクしてる時も私の方見てないじゃない。もしかして私の事…」

「…ばっ、アレはサクヤのこと信用してるからだって!以心伝心ってやつ!」

デレた

「へぇ…そうなのね…」

そしてニヤつくサクヤ。

自然に後ろで衛星ナイフで切られた蝙蝠は無視。

燃えてたが遠隔なら意味はなさそうだな。

「もちろんそれだけじゃなくてサクヤが好きだから……って何言わせるのよ!」

「…?カナカムが自分で自爆しただけじゃない」

「〜っ!」

結局言い返せなくなって黙ったか。

顔が赤いし羞恥心がショートしたな

「…ま、私も好きだけど」

お嬢様の両思いとは大層なご身分なことで…


長い洞穴を抜けた先にあるボルボ火山の内部にあるこの溶岩の洞窟は広く、そして狭い(・・・・・)

空間自体は一つのドーム型だが、俺達が進めるような足場は溶岩の海から露出した白よりの灰の部分だけ。

だから前後左右から襲いかかる溶岩蛇モドキに俺達は襲われていた。

「チッ…羅刹那横一文字縦一文字ィ!」

足場に届きそうな奴等は俺が斬り

荒ぶる槍は疾風の如し(サイクロンスピアー)ッ!」

今にも到達する蝙蝠共はカナカムが落として

「フラッシュ!」

撃ち漏らした標的をサクヤが浮かせた短剣で斬り刻む。

「数が多すぎる…!」

3人PTじゃキツすぎるか…

「強行突破よ!私とカナカムはあの向こう岸の洞穴まで行くからわかめんは足止めをお願い!」

「了解!」

一度大きな爆発を経て包囲網に空いた穴から2人が飛び出したのを確認、怯んだ奴から斬り飛ばす。

幸運な事にこいつらは体力が低いらしい。

一撃必殺か、そうでなくとも致命傷を受けて怯む。

数十回も振れば二人は…

「わかめん早く来て!」

「分かってる!」

飛流星で空いた穴から縮地で小さな足場を渡って向こう岸へ。

「あっぶねぇ…」

飛距離が足りて助かった…

「ほらわかめん走る!ここは安置じゃないのよ!」

「今スタミナが…」

二人が走るから仕方なく走る。

もう少し休ませてくれ…

そのまま一本道の洞穴を走り続け、次の空間に出ようという前で停止した。

「ここは…火口の横かしら」

「気味が悪い…」

「俺は休んどくから二人は入らない範囲で採取でもしておけ」

次の空間の奥は大きな穴が空いている。

そして、その前は口の中から見た怪物の歯のような形になっている。

いかにもボス戦だな…

これまでの傾向から行くと思いつくのはデカイ火炎蝙蝠か。

あの穴から蛇モドキが出るのも…ありえなくはないな。

「ヘビン鉱石が出たわ。カナカム、そっちはどうかしら」

「えーっと…ユニバーシア鉱石だって。合金によく使われるって書いてる」

「私の方は重くて硬いわね。魔法防御力も高いらしいわ」

「火山は何処のゲームでも鉱石系アイテムの産出地だし、これも例外じゃなかった…なら森には植物もあるのかな」

「さぁ、私は草原で狩りをしているからわからないわね。二人で今度行きましょう」

「うん♪」

…イチャつくのは勝手だが仕事はしてくれ

「はぁ……よし、休憩はもういい。突撃だ」

茶も飲んだから疲労も取れたはずだ。

「わかったわ。カナカムが先頭ね」

「……えっ」

「だな。ギルマスに一番槍は譲ろう」

「待って」

「あらどうしたの?怖いのかしら?」

「ちょっと」

「槍なんて置いて行ってこい」

「ぐっ……槍は持って行く…」

逃げるようにカナカムがドームの中へ。

俺達はその後ろをゆっくりと追いかける。

溶岩の壁天井から真ん中の舞台の周り、溶岩溜まりへ流れ込む滝のようなマグマ。

さて、ボスはどこから……

「Kshaaaaaa!!!!」

「うわっ!?」

「ボスよ!大きな溶岩蛇……ってこれは…」

あの口のような柱状の空間から蛇が伸びてきた。

…で、その口の中にも蛇が大量にいる。

「ぁぁぁぁっ!?」

口の中の蛇が射出されカナカムが哀れに跳ね回る。

当たるだけで結構なダメージをくらいそうだな。

「フラッシュ!…あの小さいのは無限湧きね。切っても再生するから…わかめん、今のうちに本体切ってきて」

「あいよ、リーダー」

「……いいわねその響き」

縮地を織り交ぜ蛇の弾幕を掻い潜る。

自機狙いのホーミングに偏差射出も避け、時々徹甲刀で弾き飛ばす。

…打撃属性じゃダメな気がしてきた

「カナカム、スイッチだ」

「えっ…あぁ、りょーかいっ!」

カナカムの槍に風が集い…

荒ぶる槍は疾風の如し(サイクロンスピアー)ァァァッ!」

風が、活路を開く。

「センキューカナカム!」

追い風が吹く道を走り抜け、跳躍。

牙の上を縮地で跳び跳ね蛇の喉元へ到達。

タイミング……今

「羅刹那ァ!」

頭が本体から離れるように飛び散る。

…とりあえず、足場が安定する元の広場まで戻った。

なかなか再生しないし、打撃属性でも大丈夫か。

「おつかれわかめん」

「やったみたいね」

「おう。あそこまで行くのが大変なボスだったんだろ」

俺のように連続縮地で渡るか、サクヤのように武器の遠隔操作か…所謂ギミックボスだったんだろ。

だから手軽に……

「KHAAAAAAHAAAAA!!!!」

「…ん……あだっ」

嫌な予算がして後ろを振り向けば…

「マズい部位欠損s」



目を開けると知っている天井……って

「一瞬3本くらい見えた気がするんだが…気の所為だよな」


まだ続きます(DOGEZA)

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